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期間限定でアップしているJR西日本の新型ハイブリッド車DEC700型について、短期間でありながらかなりのアクセス数があり、反響が多くあった記事でしたので、実際の車両がどんなものか?ノマドワークの合間を縫って川崎重工(以下川重と表記)の兵庫工場に散歩がてら足を運んできました。その中で確認できた項目について、イラストを交えながら紹介をしていきたいと思います。この記事につきましては期間限定ではなく通常のアップとなります。
※川重の敷地内は写真撮影が禁止されているため、実際に見てきた車両を記憶しイラストにしています。 車体は軽量ステンレス製で、JR東日本のGV-E400やJR北海道のH100、JR九州のYC1と同じく側面は直線ベースのシンプルな構体にまとまっていました。車体幅は2800mm台とやや狭めです。顔は227系や323系と共通のデザインが採用されています。227系と異なる点は、円弧部分の色が黄色になっていることや、他社のハイブリッド車と共通の車体モジュール(日立のA-trainや総合車両製作所のSustinaなどが例)を採用していることからパノラミックウィンドウになっていないところです。川重を通りがかったときは最終工程の艤装が行われていた最中で、車内の配線や座席の取り付けなどが進んでいました。 側面です。イラストが雑になってしまったのはご容赦ください。両運転台で片開き2扉、窓は扉間に7つあります。イメージ的にキハ122の両開き扉を片開き扉にしたような感じです。帯は正面に合わせて黄色、窓回りはJR西日本の近郊形車両共通の濃茶があしらわれています。車内は転換クロスシートが設置されているようです。 中間の3つの窓は換気が出来る構造です。勿論、ワンマン運転対応になっています。天井部の2つの冷房ユニットの間には何らかの機器が取り付けられていました。行先表示は種別と一体型の大型LEDで、これも227系と共通です。 反対側側面です。側面にはオーケストラのトランぺッターが描かれていて、奏でる音色に沿って形式が彩られたデザインとなっているようです。音符や五線譜の使い方など、雰囲気的に昨年放送されたNHKの連続テレビ小説「エール」とよく似た感じです。GreeeeNの「星影のエール」が合いそうですね。反対側の窓は3つのみで両側は洗面所と蓄電池関連の機器スペースになっています。台車は軸梁式のボルスタレス台車が搭載され、床下はエンジン、電動機、VVVFインバーターなどがびっしりと並んでいました。 確認できたのはこの単行の1両のみで、量産先行車的要素が強いと感じます。先ずは新山口まで甲種輸送で運ばれた後は、性能試験や営業運転での機器の確認、ランニングコストやメンテナンスコストなどの比較が行われ、その後に量産車が出るものと予想されます。JR西日本のプレスリリースがまだ発表されていないのでどのような使われ方、配属の線区が発表になるかは興味深いところですが、この形式が出てくるということは、長らく旧国鉄車の牙城だった中国、山陰地方の非電化区間が大きく変わるということを暗示します。 川重製のハイブリッド車の諸元ですが、燃料消費量は既存の気動車と比較すると概ね20%ほど削減することが可能な他、機構的なメリットになると、落下のリスクがある推進軸が不要になることが挙げられます。また、整備も部品の共通化を含めて電車に準拠したものに統一することが可能になってランニングコストやメンテナンスコストを抑えることが出来るので、その分を車両更新に充てられるわけです。JR西日本は短期間に同じ形式の車両を一気に取り替える傾向があり、過去には221系や223系2000番台、阪和線の225系、広島地区の227系など多くの事例があります。コロナ禍が収束し、乗客が戻ってくるタイミングでの置き換えは十分に考えられますし、総合的にはDEC700型は今後の旧国鉄車の動向を左右するキーとなる車両と言えるでしょう。 ※甲種輸送が今月下旬と発表になっていることから、当日の沿線や貨物駅のある鷹取などは撮り鉄でごった返すことが予想されます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2021.06.12 12:02:26
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