四国まんなか千年ものがたり(そらの郷紀行)
突然ですが、来週サロンカーなにわのツアーを確保することが出来、福井に遠征することになりました。乗車記については8月5日頃のアップの予定です。前回は番外編を含め伊予灘ものがたりの八幡浜編を取り上げましたが、伊予灘の前日に乗ることが出来た四国まんなか千年ものがたりの乗車記です。一昨年の冬に乗ってからおおよそ1年半ぶりに往路のそらの郷紀行に乗ってきました。多度津から大歩危までの約2時間半、大人の遊山旅に再び出ます。多度津での再会です。色鮮やかな緑と朱色のコントラストが遊山旅のプロローグになります。車内の様子です。1号車は緑、3号車は朱色の色使いになっています。2号車は3名以上の団体客専用になっていて、色使いは白と青を基調としています。天井部分です。天井は鏡張りになっていて、奥行きを持たせる工夫が施されています。デザインは伊予灘ものがたりと同じく車内デザイナーの松岡哲也さんが担当されています。KSB瀬戸内海放送の夕方のニュース(後日,KSBのサイトから見ました。)で千年ものがたりのプロジェクトの様子が放送されていましたが、1年以上の長期にわたって手掛けられておりJR四国の熱の入れようは半端ではありません。車内散策の間、食事のセッティングが各座席ごとに行われます。大小のスプーン、お箸、おしぼり、食事や物販の予定表、散策マップ、紙製の食事カバーがセットされます。ランチョンマットは伊予灘ものがたりの紙製とは異なり、阿波しじら織のオリジナルデザインのものが採用されています。真ん中の食事カバーは善通寺の住職の揮毫とメッセージが入った凝ったものです。そらの郷紀行は多度津を発車後、善通寺で乗客をピックアップし、琴平で20分弱停車します。その間、食事を予約するとラウンジでウェルカムサービスが受けられます。勿論、食事は予約済みです。今回はミネラルウォーターとコース料理の一部としてヴィシソワーズ(ジャガイモの冷製スープ)を頂きました。ヴィシソワーズは裏ごししたジャガイモとチキンブイヨンだけで仕立てられており、混じりっけなしの優しい味でした。量は少な目ながらも血糖値が上がりそう・・・。20分ほど停車した琴平を後にすると、今年から往路では7月のひまわりの開花シーズンの1週間ほど、次の駅である塩入に10分ほど停車し、ひまわりの観賞を楽しめます。ひまわり油も販売されていました。ひまわり畑にはクルーさんの名前の書いたパウチが点在していて、5月に蒔いていた種が立派に開花していました。ひまわりの花言葉は「憧れ」、「あなただけを見つめる」。こんな子どもに寄り添える教師が今めちゃくちゃ必要なんですけどねえ・・・。学校の先生、今物凄く疲弊してますから。学校園を離れて外から見ていると、教師の数、もっと加配が必要ですわ。脱線をしましたが、本題に戻ります。塩入を出発後、メインイベントの料理が運ばれてきます。往路は「さぬきこだわり食材の洋風料理」のコースで、レストラン神椿のプロデュースによるものです。レストラン神椿は金刀比羅宮内にある洋食の名店、資生堂パーラー(本店は銀座)直営のカフェレストランで、いわば琴平支店に相当します。先ず4つのパテーションに分けられた前菜を頂きます。基本的には肉類と魚介類がバランスよくアレンジされた献立が並びます。特徴として、マリネやコンフィなどオリーブオイルや酸味を活かした地中海風の料理が多かったです。料理は伊予灘ものがたりが2ヶ月おきに変更なのに対し、この列車は3ヶ月おきと四季毎の変更です。夏メニューであったため、さっぱり系の以下のようなメニューが出てきました。■オマール海老、瀬戸内魚介とホタテのポッシェ ジュレ仕立て、イクラ添えさわやかな夏みかんの香り■鮎と夏野菜のコンフィ バジル風味■瀬戸内真鯛のウニ風味焼き、若鶏の赤ワイン煮込み、三豊ナスのバルサミコマリネ、スパニッシュ風オムレツ■讃岐オリーブ豚の自家製ロースハム、地元野菜のピクルス添えアルコールは私はあんまり飲まないのですが、魚介類やサワー系の料理がふんだんに使われていたので、今回はクルーさんにお勧めのアルコールを尋ねました。白ワインも選択肢にあったのですが、意外にも焼酎を勧められたので鳴門金時の芋焼酎を水割りでオーダーしました。これが実は大当たり!繊細な魚介の味を邪魔しません。オマール海老は新鮮でプリプリ。食が進みます(^~^)。前菜で特に美味だったのは鮎のコンフィでした。エクストラバージンオリーブオイルとバジルの爽やかな香りと骨までしっかりと柔らかく調理された鮎とのバランスが絶妙でした(^~^)。コールドドリンクを注文すると、右側にあるオリジナルのコースターがついてきます。このコースターは季節毎に柄が異なり、4回時期をずらして乗れば4種類の異なるコースターがもらえます。お土産にかさばらないので丁度いいですね(^^)。前菜を終えた頃にはスイッチバック駅である坪尻に到着します。バックして駅に進入。ここで10分ほど停車します。前回のしあわせの郷紀行に乗ったときには生憎雨で写真が取れなかったため、初めてスタンプと駅舎の撮影も出来ました。停車中、列車を降りて散策中の様子です。秘境駅で自然も手つかずで残されていることから、マムシも出てくるそうです。列車が再度発車すると、温かいメインとご飯ものがサーブされます。メインは讃岐オリーブ牛のビーフカレー。ご飯はコーンピラフ(実は「こんぴら」と掛けている)です。量はやや少なめなのですが、カレールーは銀座本店のレシピでそのまま調理された本格派で、大きくカットされた柔らかい牛肉と相まって美味!大満足でした(^~^)。8月には子どもたち向けの特別運行がされる予定で、その際にはこのカレーが先述の神椿のシェフによって直接振舞われるとのことで、子どもたちにとっては衝撃の思い出になるかと思います(^^)。カレーとピラフを楽しんだらすぐに列車は阿波池田に到着。阿波池田ではワゴン販売が行われていて、地酒のセットや祖谷そばなどを買うことが出来ます。法被や車掌帽を被っての写真撮影タイムです。10分ほど停車後、ラストスパート。最後にコーヒーまたは紅茶で締めくくりです。コーヒーカップは徳島の陶磁器である大谷焼で提供されます。茶菓子としてミニ和三盆クッキーとマドレーヌの2品つきです。甘さ控えめで優しい味でした。往路のハイライトの一つ、小歩危峡です。晴天に恵まれ、ロフティングの様子も撮影することが出来ました。阿波池田から約30分、終点の大歩危です。仕事と違い2時間半の旅でしたが、あっという間でした(涙)。楽しい時間ほどあっという間に過ぎてしまうのは寂しいと感じます。久々に乗った四国まんなか千年ものがたりでしたが、車内販売や途中駅での散策など内容がグレードアップしていて、次回は特別編も乗れたら乗ってみたいですね。番外編で、車内販売やそこで買ったものについても取り上げていきたいと思います。今回は車内販売、奮発しました。