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東京なな猫通信

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2008年04月10日
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カテゴリ:立原道造の森
昨日は、なな猫的に盛りだくさんな一日でした。
日記も長くなりました(^_^;)
よかったら読んでやってください。

まず
  ガリガリゴールデン里親募集の記事
 
この日記でご紹介した、驚くばかりにガリガリなゴウくん、
里親さんが決まりました!
去年シベリアンハスキーを14歳で見送られた、群馬の40代のご夫婦で
広いお庭のある一軒家に、小学生と中学生のお子様がいらっしゃるご家庭。
願ってもないご縁だと思います。

            笑顔がまぶしいゴウくん

早かったなー。
本当によかった。
心配してくださった皆さん、応援ありがとうございました。スマイル


そして昨日は午前中から、本郷弥生にある立原道造記念館に行ってきました。
わたしが立原道造という詩人を知ったのは数十年前。。遠い~(-_-)
高校の現国の先生が変わった女教師で
「めるへん部」というのを作って【それだけでも引く人が多い(^_^;)】
そこで詩とか童話を書いていて
わたしは興味を引かれつつもヤハリ引いていたので
近づかないようにしていたのですが、
親しかった友人がそこに入ってしまい、わたしにしきりにいろいろ話したがって
それで初めて知った、立原道造の「のちのおもひに」。

++++++++++++++++

 のちのおもひに 
 
夢はいつもかへつて行つた 山の麓のさびしい村に 
水引草に風が立ち 
草ひばりのうたひやまない 
しづまりかへつた午さがりの林道を 
 
うららかに青い空には陽がてり 火山は眠つてゐた 
――そして私は 
見て来たものを 島々を 波を 岬を 日光月光を 
だれもきいてゐないと知りながら 語りつづけた…… 
 
夢は そのさきには もうゆかない 
なにもかも 忘れ果てようとおもひ 
忘れつくしたことさへ 忘れてしまつたときには 
 
夢は 真冬の追憶のうちに凍るであらう 
そして それは戸をあけて 寂寥のなかに 
星くづにてらされた道を過ぎ去るであらう 

++++++++++++++++

コレはちょっといけない!
といいますか(^_^;)
良すぎて負けそう、こんなのが詩なら
とてもわたしには、何も出来ない!
みたいな、別にワタシなんかが何もしなくていいのにね(^_^;)
ヘンな負け感に勝手にヒトリで襲われて、その後数十年、
まったく立原を避けていたのです。

そんなわたしが、つい5年ほど前にたまたま鎌倉の古書店でみつけた
立原道造全集の5巻本という、古い版の端本、第一巻。
これが良かった、実に炎
そもそもわたしは、詩はあんまり読まない。
読めない。
難しい(>_<)
その人だけの想いの世界には、なかなか入っていけないのです。
だけどこの5巻本全集は、詩のあとに物語やエッセイ、
そしてノートや手紙も時系列に入っていて
わたしは作家の手紙を読むのが大好きなのです(^_^;)

5巻本全集の、本としての体裁もとても好きで
大きすぎず小さすぎず
白い表紙に紙の感じも良く、
それで一気に立原道造という詩人にハマッテしまい、
爾来5年【たったの、ですが】すべての全集の版を求め、
凝り性なので、最初に求めた5巻本全集も月報付きが欲しくなって
同じ全集を二つも持ったり
もともと「希少価値」を求めているわけではないので
あまり汚いのはいやで、もっとキレイなのが欲しいとか思って
3巻本全集も二組(>_<)
ほとんどビョーキな読み方でなんだかんだ読み漁っているうちに
憧れの立原道造記念館というところにご縁も出来てしまいました。
  
         道造記念館  

           立原道造記念館展示案内 

久しぶりに行ってみて思ったんですけど
非常に烏滸がましいですが、なんだか、ここがわたしの場所って気が(*^_^*)
立原道造の春の新展示は、建築をテーマとしているのですが【建築家でもあったので】
子どものときの絵から、帝大建築科での建築スケッチなど
ほんとに素晴らしくて、やはり感動でした。

七五三の写真や、立原家の鯉の絵の袱紗なんかも興味深いし
10歳の頃に書いた火事の絵とか
わたしの好きな[燕とぶ]の絵とか。
帝大建築科時代の建築スケッチなど、本当に美しい。
何度見ても、飽きることがありません。
昨日は一昨日の暴風雨の余波のせいか、あいかわらず人も少なくて
静かに見られるのが嬉しいですが、ヒトリで見るのは勿体ないくらい。
もっと多くの方に見に来ていただきたいです。
  
姉妹館の弥生美術館の展示も見せていただいてきたのですが
「少年ケニア」など、わたしが産まれる前あたりからの幼少時の世界で
とても面白かったです。
弥生美術館は、竹久夢二美術館とも隣接していて
夢二は、なな猫の故郷岡山が産んだ画家です。
夢二の展示もあいかわらずとても良かったです。
夢二って、ほんとにすてきなデザインをするんですよね。

お昼は、リニューアルした、敷地内の「港や」というカフェレストランで
ハヤシライスとコーヒーのセット。
やさしい味で美味しかった。
港や、きれいになって、雰囲気がとてもよかったです。
本郷に行かれることがあったら、
東大の弥生門という門の前、
立原道造記念館と弥生美術館に、是非お立ち寄りください。


そして、せっかく出てきたので、また神保町に行って、
楽譜の古書店で安い楽譜を買おうと思ったんだけど
ちょっと思わぬ臨時収入があったので、タガをかけていた心の財布が一気に破れ(>_<)
お金が急に入ったら何を買う?
まあそのときどきでも違うのですが
なな猫はけっこう本を買ってしまうのですね、近代文学オタクだから(^_^;)

楽譜も安いのがあって、ショパンが300円。
あとフォーレの小作品集を買って
これから、フォーレの「シシリエンヌ」と
ショパンのエチュード「別れの曲」を練習したいと思います♪
あとは、萩原朔太郎全集の端本、スタインベックの古書2冊、
鎌倉文庫という戦後すぐくらいに出たシリーズの、堀辰雄と室生犀星を2冊、
全部で5000円くらい買ってしまった(>_<)
なな猫がお金を持って神保町に行くのは危険なのです。そういう意味で。

     買ってきた本の山

朔太郎全集は、むか~し卒論を書いた頃に筑摩版を4冊くらいは買ったのですが
その後数十年のうちに売ったり散逸したりで(^_^;)
筑摩のは、黄色い表紙がとてもきれいで
朔太郎デザインの鴉のマークも可愛く
全集だけど端本で1000円、思わず手を出していた(-_-)

スタインベックは、マニアックにまた「怒りの葡萄」を読み返しているので
スタインベックの別の本が欲しくなっていて。
わたしの中には、立原的なものを欲するこころと太宰的なものを欲するこころと
どうも二つがいつも、出たり入ったりしているらしい。
堀辰雄を何度もいろんな版で読みつつ、山本周五郎も大好きなのです。
だから外国文学でも、リルケを読みながら、スタインベックが読みたくなる。
不思議なこころの旅です。


そうこうして帰宅、夕方のニュース見たら
大阪の道頓堀の「くいだおれ」が閉店なんですって!
ちょっとショック。
大阪名物くいだおれって、ホラ、面白い等身大のお人形が店の前に立って
太鼓を叩きながら眉毛上げてる、レストランや飲み屋が一緒になったビル。

わたしは岡山の出身なのですが、ココは懐かしい場所。
昔わたしのうちでは、夏は瀬戸内海の島に避暑、冬は大阪・京都奈良に旅行していて
この道頓堀にもよく行ったものです。
子ども心に、蟹の大きなのと、あのくいだおれのお人形、
そして道頓堀の大阪らしい雰囲気が大好きでした。
あそこがなくなるなんて、寂しいものです。

以上、何が何だかわからない、なな猫・濃い一日の日記でした。

画像は全然カンケイないのですが
今日も物干し竿に登り世間に向かって吼える奈々と

    竿に登る奈々

いつも仲良し、今年3歳になった草太・小雪の兄妹。

    草太・小雪なかよし兄妹

思えばこの子たちを保護したのが、ミクシーで里親募集をした最初でした。
品川の海の傍の、捨て猫母子の子だったんですよね。
[そのとき居た母猫とほかの兄弟も、全部保護されました(*^_^*)]








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Last updated  2008年04月10日 17時09分48秒
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