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カテゴリ:立原道造の森
今日の道造詩ひとつ。
枯木と風の歌 私はうそをつき芝居をする 自分をゆるしたすべてのお前に 私は黙つて立つてゐる ちょうどおこつた子供のやうに 枝は何と邪魔なのだらう うつかりするとそれは裏切る 私はにくしみの言葉を捨てて 風にささやきかける あれは祈りだ 誘ふ者に そしてしづかにもう一度 水に映つたかげを眺める いつまでも揺れないやうに * 私がそんなに駆けるときに お前はなんと悲しさうなのだ お前はぢつと残つて 唖のやうに たゞ身を揺るばかりなのだ ―― ―― ―― ―― ―― 私はもう次の木に行かう それがお前にそつくりだつたら 私は身を投げる 光りながら揺れるものに ここには扉もなく 姿もない しづかに暗がりがのこりはじめる お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009年01月04日 22時33分49秒
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