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東京なな猫通信

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2010年06月16日
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いつもの猫話に閑話休題・・

弁理士試験二次の論文試験直前、
老いたる受験生のオヤジの気分転換で
日曜日、なな猫が勤務オフの日は、ふたりでご近所をお散歩するのですが
ちょっと人に聞いて、初めて行く場所でありながら
もう取り壊される場所でもある、ある洋館を見学してきました。

その名も、ターミナルラウンジ。
わりと近くに住みながら、今まで全く知らなかったのですが
日本人と外国人観光客が気軽に交流できる場所として公開され
もともと明治の頃に、徳川最後の将軍、
徳川慶喜の侍医(奥医師)だった木村春東氏が
社交場として自ら設計した歴史的洋館なのだそうです。

そういえば、周辺はかなり歩き回ったなな猫、
なんとなく記憶に残りつつ、これまで改めて訪れる機会がなかったのも
表に「木村」と表札があるために、個人のお宅と思いこんでいたためでした。
せっかく知ったのに、もう取り壊されてしまうそうで、本当に残念ですが
最後の見納めに、先日の日曜日、ちょっとオヤジと歩いてきました。

ターミナルラウンジにたどり着く前に
まずはなな猫の好きな小さな坂、洞坂から。

     洞坂1

ウィキペディアのウンチクを一応。。
「法螺坂・鯔坂とも書く。
 坂名由来は、この辺りの村を「洞村(ほらむら)」といったため。
 洞村の語源に関しては、昔法螺貝が出たとも、
 窪地のため洞というなど、様々な説がある。」

     洞坂2

たまに歩くのですが、どうしても写真を撮りたくなりますね。
この日は、なな猫のボロ携帯しかないので
ボケ画像でスミマセン(-_-)

この洞坂の脇は、名だたるW.M.ヴォーリズの作になる、
旧朝吹常吉邸・現在の東芝高輪倶楽部です。
つまり、サガンの翻訳家朝吹登水子さんのおうちでもあったわけで
以前から、高輪に朝吹邸があることはなにかで読んで
どこだろうと思っていたのですが、たまに来る、ここだったとは(-_-;)
朝吹登水子訳のサガンの作品は、学生時代からけっこう何冊も読んでいたので
なんだかちょっと感無量。

     東芝高輪倶楽部

中は公開されておらず、門と、木の間から垣間見える
邸宅の一部しか見られませんが
このあたり、明治から戦前にかけては
皇族の専用邸や政財界人の邸宅が立ち並ぶ、真に高級住宅地。
登水子さんが暮らしていた頃は、海も見えていたそうです。

     旧朝吹邸

脇だけ少し撮影、ヴォーリズの窓。。

     洞坂3

坂の下から、もう一度洞坂さつえい。
坂は赤く滑り止めの舗装されていて
この色も、坂の小ささと作られたこぢんまり感を強調しているかに見えます。

坂下には、幕末にイギリス公使館が置かれていた東禅寺があります。

      東禅寺

眼前に東京湾が広がることから、海上禅林とも呼ばれたお寺だそうですが
仕事柄、古書目録をひもとくことが多く
つい先日も、「高輪イギリス公使館」と題された浮世絵を目にしたばかり。
そう、ここだったんですね。



さて、狭い露地をくるくる辿っていくうちに
教わっていなければ気づかない、
「木村」と標識のある洋館、ターミナルラウンジが姿を見せます。

        ターミナルラウンジ玄関1

        ターミナルラウンジ玄関2

14日まで限定公開ということで、
この日は玄関前に案内の椅子が出されていました。



        ターミナルラウンジ玄関口
        
外階段を上って室内に入ると、とても暗い。
その暗い室内に、レトロな黄緑の電話が置かれていました。

        ターミナルラウンジ電話

受話器を取ってくださいと案内書きがあり
取ってみると、なにやら英語の案内コール。

      
天井と窓です。

      ターミナルラウンジ天井

      ターミナルラウンジ窓

ちょっと傷んだ感じがありました。
修復して住みたいようなおうちです。

上階のリビングルームはこんなしつらえがしてありました。

      ターミナルラウンジ室内

      ターミナルラウンジ室内2


こういう階段も、いかにも古い洋館にありそうな造りで
小公子が降りてきそう(?)

      ターミナルラウンジ階段

壊されるのは、あまりに惜しい。
でも、それが時の流れというものなのでしょう。
ちからがあったら手に入れたい。。
バカな希望を胸に、ターミナルラウンジを後にしたオヤジとなな猫でした。






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Last updated  2010年06月16日 15時13分24秒
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