君のおでこと
私のおでこをそっとあてて
ほんの少し笑って
ほんの少し鼓動を早めて
ほんの少し顔を斜めに傾ける
私の肩が少しすぼまって
君の翼のような腕が
私の肩と背中を包む
ほんの一瞬だけ睫毛が触れて
ほんの一瞬だけためらって
ほんの一瞬だけ怯えたように
あごを引くけれど
唇の誘惑には
誰も逆らえない
柔らかい唇がそっとひらいて
音にならない言葉を告げるように
なんどもなんども
アルファベットの「U」を話す形で
やさしくふれあう
私たちの「U」は
やわらかい唇を伝い
すこし熱を帯びて上気しながら
唇の間をなんども行き来する
そしていつしかその「U」は
「YOU」に色をかえてゆき
その最後には
おたがいを呼び合う
いとしい名前になり
唇からあふれだす
ふたりは
唇の熱で蒸発してしてゆき
枯渇しそうになった
自分の名前を
必死に探してついばむ
果てない砂漠を旅した鳥が
やっとみつけた水場で
我を忘れて水を飲むように
ただ無心に
ひとつも残すことないように
尽きる事のないKISSを
いつまでも
君と