警察に追っかけられた話 ~その1の続き~
今日は、昨日からのの続きモノです。もし、読んでくれる素敵な方がいらしたら、昨日の日記から、どうぞ☆…ああ。実は私、2回目。人間えらいもんで、2回目ともなれば、すぐにお察しがついた。すぐにこんな計算式が暗算できた。←矢印付の電光掲示板なんて、何とも楽しげな装置を搭載してるのにヤクザみたいな黒いセダン =(イコール) 覆面パトちゃん覆面 + 時速140kmのノルマ = 私、スピード違反の現行犯先生、できました!はい、ご名算っ!また、小学3年生に逃避してみても どうにも逃げ切れぬ、この状況。ただ、1回目と2回目の間に、私は確実に成長していた。ちょっとした大人の知識を身に付けていた。警察官の奥様からいただいた、この素敵な知識☆『警察って他の県に出るときは、予め書類提出しないといけないの。デート中に思い立って福井県行こうったっても無理なの』そういや、映画とかで見たことある。ナンカの拍子にポリスメンに追っかけられるハメ になった主人公と その恋仲になりそうなヒロインが、ポリスメンとすんごいカーチェイスを演じた挙句、トンネルとか逆さまに走ったりした挙句、ギリギリんトコで、国境越えて、例えばメキシコとかに逃げ込むシーン。追っ手のポリスメンは国境を越えられずに車を止めて、ドアを開け、国境手前の地に降り立ち、悔しげな顔で、ただ主人公たちを見送る。間一髪で、追っ手から逃れた主人公たちはじゅるっじゅるのエッロいチュウを交わして、お前ら米国人はベロ自由自在なのな。その双方の口の中は、一体今、どうなってんだ。ってな疑問を提起して、夕焼けの中、ハッピーエンド、ってなシーン。あれは、『治外法権』っていうのかな 違うのかな。よくわかんないけどまぁいい、今ココは、県境の少し手前。メキシコ…じゃなくて、石川県に逃げ込めば、アレのプチな状態が出来上がるはず。プチな『夕焼けのハッピーエンド』が臨めるはず。あいつら車を止めて、ドアを開け、県境手前の地に降り立ち、悔しげな顔で、ただ私を見送るはず。…正直、自信はなかった。そんなうまくハッピーエンドの主人公かませる自信はなかった。でも、一か八か、やってみようと決めた。自分自身の可能性に賭けてみたかった。っていうか、止まるのめんどくさかった。県境はもうすぐだ。県境はもうすぐだ。と思ってたけど、割と遠かった。何度も何度も、視覚からも聴覚からも訴えられた。さすがに これ以上 罪重ねたくなくて、簡単に時速 80km にノルマ変更したからゆるーい感じの、緊張感のカケラもない、ともすれば ちょっと楽しげなお友達感覚のカーチェイス状態が、そこに出来上がった。しかも、パトがいるため、誰も追い越せない時速 80km だから渋滞知らずの田舎の高速道路に、長い渋滞までも作り上げた。みんな、ごめん。悪いね、私のために。県境はもうすぐだから。…もうすぐだから。キタ―――(゚∀゚)―――― !!! (私2チャンネルそうそう見ないですけど、キタ はこんな使い方でいいですか?)見えた!石川県の看板!あそこを越えれば、プチだけど、夕焼けのハッピーエンドだ。よし、ハッピーエンドカモーンっビバ!メキシコ☆…アレ?あのぉ~、警察のみなさん、今、国境越えましたけど。ここは、もうメキシコですけど。何も変わらなかった。びっくりするほど、何の変化もなかった。ああ、今ラブラブのあの子の気持ちも、蛍が飛び交う、あの美しい田舎の風景も、これくらい 何も変わらなければ いいのに。感慨深いなぁ… この普遍性。メキシコに入国したはずなのに、あいつら、止まるどころか、相変わらず、『左、左』としか言わなかったし、電光掲示板も 左にしか 矢印出さなかった。たまに、右とかバックとか上とか下とか斜めとか言えばいいのに。GO↑って行ってよし!の矢印とか出してくれたら、も、最高なんだけど。でも、ダメっぽい。こいつら、自分曲げる気 ゼロっぽい。私より、100倍意志固いっぽい。いっそ、次の県富山まで行っちゃったら、どうだろう?もしくは、もう一度、石川県の看板探しの旅に出ようか。ある意味、やっぱりな結果なんだけど。心の奥底では、ちょっぴり気付いてないこともなかったんだけど。こんな県境付近でお仕事してるおまわりさん、当然書類提出してるって。県境越えますよって、予め書類にハン押してもらってるって。大体こんなトコで、車止めて、ドア開けて、県境手前の地に降り立って、悔しげな顔で私見送ってたら、危なっかしくてしょーがねーから。後ろから来た車にはねられっから。高速道路だけに、ヤツら高速で突っ込んでくっから。ボン、つってはねられっから、ボン、つって。覆面パトが先頭の玉突衝突 大勃発だから。心の奥底では、ちょっぴり気付いてないこともなかったんだけど。ずっと気付かないフリしてたかった。ずっと、夢追っかけていたかった。ああ、メキシコ……でも、きっともう、無理。気付かないフリも、もう、限界。逃ゲキレナイ。ある意味、やっぱりな結果なんだけど。はい先生、観念した方がいいですか…?はい、ご名答。そう、最初っから観念しとくのが、最もご名答だったのに。そうして、やっと私は、誰にも気付かれにくい地味ーなカーチェイスをヘリから空撮もされない、ワイドショーで紹介されるはずもない、地味ーなカーチェイスを、終わらせることにした。2日にもわたる長い日記も、もうすぐ終わる。あとちょっとだから、みんなガンバ☆おまわりさんに『なんですぐ止まらなかったの。』ってきかれて『メキシコに逃げ込めば何とかなるかと。』とは、さすがに言わなかった。『歯医者さんに行きたくて。』とだけ、言っといた。おまわりさんは、続けて言った。『あんまり逃げると、罪重くなるよ?アンタもう、30kmも止まらないから。』自分でも、ちょっとびっくり。私、30kmも逃げてたらしい。一通りの手続きを済ませ、水色の紙と 25,000円と書いた紙を 2枚 お土産にもらい、私はまた、走り出した。2回目だから『あのー、こんな車ビュンビュン走る所で、どうやってまた走り出せばいいんでしょうか?』なんて質問もうしなくてもきちんと、左路肩のスペースで加速して、車の流れに乗ることができた。そんな自分の、ちょっとした通っぷりを頼もしくも、ちょっと寂しくも感じた、そんな、秋の夕暮れ時。オレンジ色の夕焼けが、ひどく目にしみた。教訓一つ。覆面パトって、必ずしも 8ナンバーじゃないよ。 私、高速で車抜かすときは、ナンバーちゃんと見てっから。 私を捕まえた憎いあいつは、3ナンバーだった。一つ。リアガラスの下の方に出る電光掲示板は収納が可能。 しかも電動。ちょっと楽しい。一つ。高速の覆面パトに、県境なんて関係ねぇ。 メキシコを夢見ることなかれ。一つ。ハイチュウ食うときゃ、気をつけろ。 みんなもう忘れてるかもしれないが、コトの発端はハイチュウ グレープ味…以上、次のテストには出ないけど、覚えといて。最後までお付き合いいただいて、ありがとございました。警察に追っかけられた話は、その2、その3もありますが、それはまた、別のお話。