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テーマ:中国&台湾(3303)
カテゴリ:杭州・蘇州旅行記
さて曲院風荷から、船に乗りこんで、西湖遊覧に出かけます。
ここの遊覧船は古風な感じで、周りの景観に配慮されていて、とても趣があります。 船にはガイドのお姉さんが乗り込んでいて、西湖についての解説をしてくれます。もちろん中国語ですが(笑) 乗っているお客には、外人さん(欧米系の方)が以外と多かったのには驚きました。 さすが中国を代表する観光地ですね。 さて遊覧船のコースを、地図でちょっと見てみましょう。 まず左上の場所「曲院風荷」から出発し、蘇堤にかかる6つの橋のひとつをくぐって、黄色の線のように進んで行きます。 ところで、西湖にはいくつか遊覧船乗り場がありますが、どこから乗っても、まず最初に行くのは、この西湖の中央にある「湖心亭」です。 この島は、本当に小さいので、5分も歩けば一周できてしまいます。 この湖心亭は見るべきものもないので、すぐに別の船に乗り換えて次へ向かいます。(オレンジ色の線) そこは、西湖最大の島で、この島の南西には、西湖十景のひとつ「三譚印月」があります。 この島の特徴は、地図で見てもらうとわかるりますが、島の中にいくつもの池があるんです。 船を降りて島の中を歩いてみます。 池には九曲橋がかかっていて、途中には古風な建物もいくつかありました。 湖の中にある島の中の池、何となく面白いものですね。 この島もやはり西湖の湖底を浚渫して出来たものだそうです。 ここから見える「三譚印月」は、湖の上に立つ石塔です。 これは、やはり蘇東坡が作らせたものだそうですが、この石の塔に灯りを灯すと、月が三つに分かれたように見えることから、この名前がつけられたと言う事です。 夜に見てみたいものですね。 島は以外と広くて一回りしたら、結構時間がかかりました。 島の南には、先ほど行った雷峰塔が見えます。 ところで、この西湖の名前の由来は、西施という美女にちなんで名付けられたとお話ししました。 蘇東坡の詩に、こんな一節があります。 「湖の水が輝く晴天の日が良い。 山々は霞んで朦朧とした風情も一興である。 西湖を西施に例えるならば、淡い化粧の時も、いずれ劣らず素晴らしい。」 確かに雨に霞む西湖もまた良いもので、実際に私が行ったときも、途中は雨がちでしたが、水墨画のようで綺麗でした。 さてその西施は、杭州の近く今の紹興と言うところに生まれ、春秋戦国時代に越王勾践 から呉王夫差に召しだされた女性ですが、その美しさに夫差は夢中になり、国政を省みなくなったそうです。 実はこれは、越王勾践の家臣であるはんれいの策略でした。 当時、越の国は呉に征服され、その王勾践は呉の奴隷となっていたのですが、ひそかに呉を滅ぼそうと考えていました。 結局その策略にはまって、呉の国は越に滅ぼされてしまいます。 そんな時代に翻弄された女性、西施とはどういう女性だったのでしょうか。 西施は胸を病んでいたため、眉をひそめた表情をすることがあったようですが、その表情がより美しく見えたと言います。 彼女の美しさを詩に詠んだ人は多いのですが、日本では松尾芭蕉が秋田県の象潟と言うところで、次のような句を詠んでいます。 「象潟や、雨に西施がねぶの花」 これは「雨にぬれる象潟のねむの木を見ていると、西施の美しさとはこのようなものだったのかと思えてくる」と言う意味だそうです。 傾国の美女に、呉王の夫差は8つの宮殿を建てたそうです。 その呉が越に滅ぼされた後、西施の行方ははっきりしていません。 役目を終えた後、自殺したとも、殺されたとも言われる中で、彼女を送り込んだ越の家臣はんれいと共に去ったとも言われていますが、どれも定かではないようです。 謎に包まれた最後は、いかにも伝説的な絶世の美女らしいですね。 そんなことを考えながら、この西湖を見ていると、遠い昔のことにも何となく興味が沸いてきます。 さて、また遊覧船に乗って、白堤の方へ戻っていきましょう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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