一期一会

今日は、先日行った静岡での鉄道撮影のオマケです（笑）。

沼津から富士まで移動するのに、大きな国道もなんだか味気ない。
それに、せっかく海のそばまで来ているのだから、ちょっと海を眺めてみようと、旧東海道を走ることにしました。

このルートは、相模湾沿いに走っていて、そのお隣には１０ｋｍもの間、延々と松林が続いています。
旧道なので交通量も少なく、落ち着いた雰囲気を残しているのが、またいいんですよね。


旧東海道 posted by (C)Nao


走っている途中で、車を止めて海を見に行くことにしました。
道路から海岸までの間は、１００ｍ幅ほどの松林で、その林の中には遊歩道が続いていて、格好のウォーキングのコースになっているようです。


千本松原１ posted by (C)Nao


この松林は、｢千本松原｣と言い、その昔から東海道の景色の良い場所として、知られた場所なんですね。
｢千本・・｣とは言っても、その数は実際には千本どころか、３０万本もあるそうですので、その壮大なスケールが想像できますよね。


千本松原３ posted by (C)Nao


もとは防潮・防風のため農民が植えたと言われ、戦国時代には、武田氏と北条氏の戦いの際、武田勢によって伐採されてしまいました。

その後は、植林しても、砂浜のためなかなか根付かず、潮風による被害で農民たちが苦しんでいたところ、｢乗運寺｣の増誉上人と言う人が、念仏を唱えながら松を植えて、松林を復活させることができたのだとか。


千本松原２ posted by (C)Nao


それから時は流れ、第２次世界大戦になると、空襲や松根油の採取、建築資材として、伐採されたりして再び荒廃してしまいましたが、地元のボランティアの活動等により、近年には再びその素晴らしい松林の景観を取り戻したそうです。

最近では、東海地震による津波を防ぐために築かれた巨大な堤防が横たわり、ちょっと景観を損ねてしまっていますが、災害対策と言うことで、止むを得ないのでしょうね。


千本松原４ posted by (C)Nao


ここ千本松原で、相模湾を眺めていると、かつて東海道を旅して、ここで富士山や松原の美しい景観を眺めていただろう、当時の旅人たちの姿が偲ばれました。



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