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カテゴリ:どうなの?
ドラッグや覚醒剤にまつわる縁が
これまでまったくなかったといえばウソになる。 しがないサラリーマンごときでも、 毛色の違った連中と連めばそんな機会はゴマンとある。 事実、しかも十数年も前のこと、 久しぶりにあった通信社勤めの男友達に 送ってもらう車の中で錠剤を薦められたことがある。 「意外と固いねぇ」 頑なに拒むワタシにヤツは言った。 「なんてことないって。酔いが深くなるってだけだよ」 そういってヤツは、 まるでミントのタブレットでも食べるように 錠剤を飲み下した。 年賀状だけの付き合いが続き、 5年ほども無沙汰した友人を食事に誘ったのはワタシ。 海外との行き来が増え、充実した毎日を送っているのだと、 グラス片手に近況を話すヤツの言動は、 相変わらずに思える反面、どこか鼻につく話っぷりに 派手な印象が否めなかった。 恐らくは、 出張した現地で手に入れた合法ドラッグだったのだろうけど、 こうみえて意外にコンサバなワタシの触手は 決して伸びようとはしなかった。 あらぬ方向へ変貌してしまった友人を睨み付けて、 信号待ちの隙に車を降りた。 足早に駅に向かうワタシを荒い運転で追っては、 路肩に車を寄せる友人。 「いっしょにしないでくれる?」 吐き捨てた言葉の緩さを後悔しつつ、 地下鉄へ続く階段を駆け下りた。 もしも、 あのときしたたかに酔っていたら、 楽しいひとときに意気投合していたら、 捨て鉢な気分になっていたら、 あの錠剤をヤツといっしょに飲み下して ドラスチックな快感の刹那に浸っていただろうか。 はずみ。 まよい。 魔が、差す。 自分から求めていくことは少ないはずなのに、 誘われるといとも簡単に堕ちていくひとたち。 手を出せば後戻りできなくなる可能性があることは 分かっているはずなのに欲求を抑えきれないひとたち。 一度くらいと、軽はずみに一線を越えてしまうひとたち。 愚行報道が後を絶たない。 違法という点に置いては、ドラッグも覚醒剤も同じ。 習慣性の有無だとか、体への弊害云々よりも、 法を犯してまでも、そこに拠り所を求めることに 今の日本の憂いがある。 食いぶちがなく、密売に手を染める元サラリーマンも 少ないないという。 思いも寄らないタレントの使用が発覚すると、 もはや手の施しようがないほど、 危うい“毒”が世間に蔓延しているのかもしれないと 思わないではいられない。 あまりにも大きなツケを払い続けて生きる人生の、 なんと哀れなことか。 バイクに乗って、大自然に心洗われる快感に浸ってみなよ。 この快感は、いくら浸ってもツケなんてないんだから。 一笑に付されようと、ワタシだったら言っちゃうな。 人には言えない苦悩や、抗うことのできない重圧に 押しつぶされそうになってたとしたって、 高額な“クスリ”やらに注ぐ余裕があるのなら、 違う“快感”をみつける術はいくらでもあるだろに。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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