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Oct 31, 2010
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カテゴリ:医学関連
始まりましたねー、医龍3!!
業界人としては決して見逃せない番組です。

今回はすでに対決が始まってますが、まずは「内科vs外科」の構図のようです。
昨今、内科領域の治療で外科治療の代替が可能な術式も続々と考案されてます。


お待たせしました早速行きましょう、「用語解説コーナー」
今回の用語は、「ROSS手術」


まずは「ROSS手術」について…、

心臓弁膜症の術式にRoss(ロス)の手術というものがあります。1960年代にDonald Rossという心臓外科医が考案して発表した手術です。
この手術は、大動脈弁に傷害がある患者、主に若年者(特に小児)を対象として行われます。
方法は、悪くなった大動脈弁を自分の肺動脈弁で置換する(取り替える)という手術です。
そして取り除かれた肺動脈弁にはグラフト(人工血管)、あるいは生体弁、または手作りの弁付きパッチを縫い付けます。
この手術は高度な手術で、行われている施設はごく僅かです。
この手術が普及しない理由は、主に次の3点が挙げられます。

1. 手術手技が複雑で難しく、患者さんへの侵襲が大きな手術だということ
2. 大動脈弁を、自分の別の弁(肺動脈弁)で取り替えるため、成長が見込めるという大きなメリットがある反面、将来的に逆流や狭窄が進行する可能性も大きい
3. 取り去った肺動脈弁には、通常欧米ではグラフトが使用されているが、日本ではその入手、使用が容易でないため、生体弁や、手作りの弁付パッチを使用するという不都合な点がある(耐久性や機能に問題があるということ)

したがってこの手術を行うのは、大動脈弁置換術を行うに際して、生体弁にせよ機械弁にせよ人工弁をどうしても使いたくない場合か、使うことが困難な場合に限られます。

現実的には、
1. 小児で既存の人工弁のサイズが合わない場合
2. また仮に最小のサイズが入ったとしても、成長を考慮するとすぐに合わなくなってしまう場合
3. 重症感染性心内膜炎によって大動脈弁の周囲に膿がたまり、異物による(機械弁にせよ生体弁にせよ)大動脈弁置換術を行いたくない場合

以上が現在考えられているROSS手術適応基準となります。


他に「ルートスイッチ」なんていう用語もありました。
ドラマの中では「障害のある大動脈弁を修復して肺動脈弁として再利用する」というものでした。
これは、TGA(完全大血管転移症)にある「ダブルスイッチ法」の変法と解釈しています。

今回は以上です。


また次回をお楽しみに。





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Last updated  Oct 31, 2010 10:56:44 AM
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