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鞭屋サド那智の道楽漫遊記

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エコロジー1

[読後感] カテゴリの記事

全48件 (48件中 1-48件目)

反対！

久々の日記である。キチガイのように忙しく。書くことは多々あれど、気力なし；；ＪＡＩＬにも行きたいのう・・・。さて・・・。↑浅田次郎先生の傑作が文庫になった。私はとうぜん単行本で買ったんだ。傑作だからよめ「輪違屋糸里」新撰組と土方歳三を愛するなら絶対！それは良い。問題は本屋で見かけた文庫の帯さ・・・ＴＢＳでドラマ化！うむ！良い事だ・・・だが・・・だが？！もしかして糸里役が上戸彩なのか？？？？絶対反対！無理！あかん！！冒涜だ（いや、あやちゃんもよい子なのよ。金八とか、あずみなんか良い）ぜったいに合わんよ！！！「宮沢りえ」当代なら宮沢りえでしょ（力説！）たのむぞＴＢＳ。ボケるのは亀田兄弟の対戦相手選定だけにしてくれよ。

Mar 9, 2007

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天才になりたい

初夢も見ぬほどガッツリ惰眠を貪った新年二日目・・・ちょっと幸せ♪サド那智です。南海キャンディーズの山ちゃん。あの気持ち悪い野郎のほうだな。彼の書いた自分の半生記がこれ「天才になりたい」だ。アマデウスって映画知ってるかな（観てないなら、すぐにレンタル屋へＧｏ！）この本は、お笑いアマデウスだ＾＾；自分が天才でないことは判ってしまう中途半端な才人「山ちゃん」が、真実お笑いの神に愛された天才たちに憧れ、嫉妬し、焦り、もがき、苦しみ、ながら闘い・・・ハリボテの虚勢を鋼鉄の虚勢に鍛え上げてゆく物語。鋼鉄であろうがなかろうが、ハリボテの中は虚ろであることを自覚してる所が鬼気を帯びてる。神の愛に恵まれなくても、努力と根性。そして目的のために手段を選ばぬ狡猾さで生き残ってみせる。そんな妄執を行間より感じたのは私だけ・・・かもしれんね。本自体は、M1グランプリや吉本興業の内幕を覗き見させてもくれ、興味深く飽きさせない。山ちゃん、お笑いダメになったら文筆方面が良いかもよ＾＾

Jan 2, 2007

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中原の虹・・・よんだどー！

次郎先生のマニアック中国史ものが出ました。私は嬉しい♪ 今回の舞台は満州！主役は”張作霖” 満州馬賊の侠気と狂気が炸裂してますね。勇壮で非情なアウトローの節義と美学を、ファンお馴染みの浅田節で濃厚に謳いあげてますなぁ。時代は傑作「蒼穹の昴」から続く清朝末期。春児や西太后、光緒帝など懐かしいキャラもお出ましになってよい按配である（春児の兄貴が狂言回しだしな）あえて描くに難しい時代に挑戦する”歴史小説家”浅田次郎の豪腕が大日本帝国の侵略と抵抗をいかに描くか？期待である。たぶん次郎先生なら「侵略と抵抗」という簡単な図式を越えた美しい絵図を見せてくれると思うのですが＾＾現状星４ケは続き物ゆえ。全４巻らしいですな。中原の虹（第1巻）

Oct 2, 2006

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アラビアの夜の種族

稀に活字で人を酔わせる作家がいます。力みかえった主義主張でなく、キャラクターの魅力に寄らず、ストーリー展開の妙味ですらなく。塗り重ね、積み重ねる文字の力で、悪酔いの一歩手前にある独特の浮遊感をもたらす。純粋に文章だけが持つ魔性を解き放ち、読むものを異界に絡め取る技を心得た現代の魔法使い。久々に出会った、そうゆう作家。正直、かなり歯ごたえある作品ではありますが。読むことで走る戦慄が心地よいのです。エジプト。アラブ。フランス。ナポレオン。マムルーク朝。オスマントルコ。エチオピア。秘教隠秘学などなど。ノーマルな人には耳慣れない＆知ってるだけ。と言う舞台設定だからな＾＾；少々馴染むのに根性がいるかもわからんですが、がんばってみる価値は充分にある。勘違いされないように書いておきますが、本作はストーリーテイリング。キャラクター造形。実に深い意味で神の高みに立った視界の広さ。語彙の豊穣さ。その全てで小説に望み得る高峰の極みに立っているぞな＾＾アラビアの夜の種族（1）

Sep 12, 2006

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愛の狩人は資本主義の夢を見るのか？

みなさん！脳味噌つかってますか？使わないと、脳トレで６６歳とか言われますよ；；そんなサド那智です。「愛と資本主義」と言う文庫がある。仲村うさぎなる作者。その昔（１５～２０年くらい昔）はライトノベルの売れっ子さんであった。極道君漫遊記など傑作であった・・・が。徐々に書かなくなり、近々はホスト狂いで買い物依存症なのを売りにしたエッセイで糊口をしのいでいたな。我の心の中では「飛べないブタはただのブタ」って扱いであったのだ。そんな廃棄処分扱いやった作者が目に留まった・・・と言うかキャッチーな表題に目がゆき、その後に懐かしい名に気がついた。それが「愛と資本主義」だな。読了して・・・正直褒められた出来の小説では無い。なんちゃって心理学とホストネタのゴッタ混ぜサスペンスってところか？正直、小説としては微妙に駄目。今に至るライトノベルの隆盛の基礎を作った小説製造機の骸を見てしまったような気分さぁ；；でも、文章に怨念が籠ってる。Ｂ級テイストに埋め隠した血の匂いが漂う。壊されて捨てられつつある人間の呪詛が恨みが染み付いた文面には一見の価値があるかな＾＾；懐かしい奴に出会った。なんか変になってた。ちょっと嬉しかった♪ 愛と資本主義

Sep 5, 2006

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あるクズの伝記

全国のニート諸君。「この男を見よ！」全世界のモテナイ君。「この男を見よ！！」不潔で、デブで、半盲で、嫌われ者で、性格歪んだ駄目男であっても！ついでに、言ってることが完全に間違ってて、前科二犯のヤサグレであっても！！やりゃあできるんだって証明してくれてるんだぜ。この「男」はＹＯ！そんなクズ男の伝記（そう、奴は生きてるうちから伝記が書かれるほどＢＩＧだ。リビングスレジェンドって・・・笑わせてくれるぜ）が、コレ！麻原彰晃の誕生まあ、しってるな？麻原彰晃。オウム真理教（現アレフ）の尊師殿だ。人を洗脳したり、人を殺したり、都内で毒ガス撒いたり、警察庁長官を的に掛けたり、クーデターを計画したり、した連中の総帥だの。上に書いたような駄目駄目ポイントを丸抱えにしても、これくらいのこたぁやってのけられるんだ。そこのニート。君はここまで酷くなかろ？なんとかなるぜ。どうせ芋虫みたいなくだんねー人生過ごしてるんだろ？だったらアサハラちっくに弾けてみせな。アサハラがどれくらいクズかってのは公判を見ればわかるぞ。弟子に罪咎を押し付けて我が身可愛さに逃げを打つ。判り易い俗物根性。あんなのでも、一念発起すれば社会を震撼させる大事件の主役を堂々張れるわけだ。「だったら・・・俺ならって！」思えよ！！くだらない社会なんてぶち壊して、テメエの帝国つくっちまえ。そんな風に思ってしまった一冊でした＾＾ふぅ。ちょっと、仕事が煮詰まったんで毒を吐いたらやる気が出てきたぞ。さっ。俺はコツコツ積み上げるぞ♪

Apr 14, 2006

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褐色の文豪

褐色の文豪デュマである。大デュマである。ほんとに大男だったらしいアレクサンドル・デュマを題材にした一代記小説やね。大デュマと言えば三銃士やモンテクリフト伯なんかで有名なフランスの文豪さん。波乱万丈なエンターテイメント作家の元祖だな。だが、本作「褐色の文豪」を読むと、なんつうか作者ご本人の方が創作物の主人公よりも豪快で冗談みたいな人生おくっとるがね＾＾；美女と美食。冒険と革命。巨富と大成功に満ちた、男の子が夢見る正に豪華絢爛。最期にはコイン一枚の振り出しに戻るってのも、実に良いしな＾＾；ネットでちょこちょこっと調べてみたら、これがホントだから凄い人だわ。本書の舞台となっているナポレオン３世の時代ってのは、フランスが最高に輝いていた時代。オレは大好きだな。怪帝ナポレオン3世

Mar 17, 2006

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森に還る日

「森に還る日」　ＰＨＰ文庫　星野道夫凄いな、この写真集。光と風が樹木とともに作り上げた奇跡の瞬間を美事に焼き付けている。なんというか、見た瞬間「ＣＧ？」と思ってしまった。それ程に華麗で夢幻的な画であった。ヴァナ・ディール（ＦＦオンラインのワールド）のスクリーンショットと見紛うばかりの画像。添えられた文章素晴らしいのだが、それ抜きでもオーラ充分だな。究極の反自然主義と言うべきか？うつろい変化しつづける自然が見せてくれた刹那の美を、人の技が永遠と化した・・・と、まで言っても言い過ぎではないと思う。星野道夫さん自身はもちろんナチュラリストだったとおもう（いや、まだ本書しか読んでないからね・・思うだけな＾＾；）が、彼の情念と練り上げた技術が、ありえざる幻想世界を創り上げてしまった。そう言ってしまうのは偉大な写真家への最大級の賛辞になるか、はたまた冒涜なのか？ただの自然賛歌と言うには美と暗黒が際立ちすぎている。見ていると心がざわめく。「魅入られる」と、言うのはこうゆうことか。と得心がゆく。森に還る日

Feb 7, 2006

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由布院の小さな奇跡

朝の連ドラが好きである。毎朝、アホのように見てから出勤。もちろんＢＳのほう。変態の癖に小市民な朝を過ごしているサド那智でした。さて、いまの連ドラ「風のあすか」は由布院が主要な舞台の一つである。そんな訳で興味を持って読んだのが本書「由布院の小さな奇跡」木谷文広　新潮新書小さな町の小さな闘争、小さな勝利・・・そして敗北の予兆と小さな希望を描いた快作です。基本ラインは別府温泉の付け足しのような存在だった由布院温泉がいかに自立した観光地として生き残ってきたか、と言う苦闘の歴史を追ったもの。人を中心に描いたのは正解だったと思う。有名（行ってみたい温泉地で常にトップを争っている）になったがゆえに由布院独自の良さが消えかかっていると言うのも皮肉な感じで良い。よくまとまった新書的な佳作と思う。個人的に興味深かったのが、記述の片隅に見え隠れするＰＲプロフェッショナルの影。気のせいかも知れないが、街を思う真摯な思いが類似の行動を取らせているのかもしれないが、いまや一国の運命すら左右しかねないＰＲ企業の定石戦略行動に近い動きが垣間見えた事。（当プログでも彼等の冷徹非情な宣伝戦を描いた本は紹介したな）つまるところ、町興しは奇麗事だけではないって事だ。「独自の試み」「地産地消」「自然保護」「住民参加型」「オンリーワン」いずれも本当に大切な事である。これらなくしては地域興し・町興しの意味が無くなってしまう。が、これらの美しい理想を実現し維持する為には、影で、美しくも素晴らしくもない現実と戦うハードボイルドなスタッフがいる・・・のだと思う。名も知れぬ彼にこそ賛辞を送りたく思うのだ。ともあれ、ビジネス書としても地域問題の提言書としても朝ドラ関連書としても秀逸な本作。読んでみそ＾＾

Jan 8, 2006

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シグルイ　５巻

ＮＡＮＡの最新刊が出た・・・と、書店の平積みを横目でみながらも恥ずかしさが先にたって未だに買えてない。可憐な男の子（推定３４才）サド那智でーーす！そんな那智が別の意味で購入を一瞬ためらうのが「シグルイ」であります。徹底した筋肉美へのこだわり。噴出す鮮血と臓物への偏愛。残酷で美しいビジュアルとそれを上回る異様な物語。ＰＴＡの教育ママがみたら卒倒しかねない怪作それが「シグルイ」購入の瞬間に「これを買ってるオレは普通じゃないよなぁ」と考えさせる作品ってのはこれくらいかな。初巻発売のときにも確か紹介した。ぜったい２巻で打ち切りだろうと思っていたらいつのまにやら５巻目が出てるよ。凄いな・・・いや、この作品に一定のポジションを与えてるコミック界の懐の深さは感動的ですらある。いつ良識や常識に攻撃されて打ち切りの憂き目にあうかもしれない異常作品「シグルイ」生がいちばん美味しいですよ。読め！

Dec 16, 2005

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開戦の詔勅

師走と言って、忙しいのは知っていた。でも、今年は異常だぁ・・・とグロッキーな那智です。お久しぶりです＾＾今日は１２月８日。開戦記念日ですね＾＾天佑を保有し萬世一系の皇祚を踐たる大日本帝国天皇は昭に忠誠勇武なる汝有衆に示す。朕茲に米国及英国に対して戦を宣す。朕が陸海将兵は全力を奮て交戦に従事し、朕が百僚有司は励精職務を奉行し、朕が衆庶は各々其の本分を尽し、億兆一心国家の総力を挙げて征戦の目的を達成するに遺算なからむことを期せよ。抑々東亜の安定を確保し、以て世界の平和に寄与するは丕顕なる皇祖考丕承なる皇考の作述せる遠猷にして、朕が挙々措かざる所、而して列国との交誼を篤くし、万邦共栄の楽を偕にするは、之亦帝国が常に国交の要義と為す所なり。今や不幸にして米英両国と釁端を開くに至る、洵に巳むを得ざるものあり。豈朕が志ならむや。中華民国政府、曩に帝国の真意を解せず、濫に事を構へて東亜の平和を攪乱し、遂に帝国をして干戈を執るに至らしめ、茲に四年有余を経たり。幸に国民政府更新するあり、帝国は之と善隣の誼を結び相提携するに至れるも、重慶に残存する政権は、米英の庇蔭を恃みて兄弟尚未だ牆に相鬩くを悛めず。米英両国は、残存政権を支援して東亜の禍乱を助長し、平和の美名に匿れて東洋制覇の非望を逞うせむとす。剰へ与国を誘ひ、帝国の周辺に於て武備を増強して我に挑戦し、更に帝国の平和的通商に有らゆる妨害を与へ、遂に経済断交を敢てし、帝国の生存に重大なる脅威を加ふ。朕は政府をして事態を平和の裡に回復せしめんとし、隠忍久しきに彌りたるも、彼は毫も交譲の精神なく、徒に時局の解決を遷延せしめて、此の間却つて益々経済上軍事上の脅威を増大し、以て我を屈従せしめむとす。斯の如くにして推移せむか、東亜安定に関する帝国積年の努力は、悉く水泡に帰し、帝国の存立亦正に危殆に瀕せり。事既に此に至る。帝国は今や自存自衛の為、蹶然起つて一切の障礙を破砕するの外なきなり。皇祖皇宗の神霊上に在り。朕は汝有衆の忠誠勇武に信倚し、祖宗の遺業を恢弘し、速に禍根を芟除して東亜永遠の平和を確立し、以て帝国の光栄を保全せむことを期す。えー、これは開戦の詔勅って奴ですね。「今回の戦争はこうゆう理由ではじめたよ」と、今で言うところの政府公式見解だな。つらつら読みつつ、自分に引き付けて考えてみる。果たして、この大義の為にオレは死ねるか？と。なにはともあれ。開戦記念日と敗戦記念日くらいは記憶しておこう。

Dec 8, 2005

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かつての我等はともあれ気宇壮大であった

世界がアメリカの夢に押し潰されつつあるこの時代。小サディストの夢を入れる余地はこの地球に残されているのだろうか？夢の器を探し彷徨うサド那智です。「陰謀と幻想の大アジア」海野弘　平凡社かつての日本人はともかくも気宇壮大であったのだ。そう思わせる一冊です。耳慣れた｢騎馬民族説」や「大東亜共栄圏」耳慣れない「ウラル・アルタイ語族」や「回教コネクション」など、戦前に語られた先史時代にまで遡る日本民族の壮大な偽史の系譜をわかりやすく纏めております。ナチスどもがアーリア民族の神話を説いた時代。白色民族のマニフェストディスティニー（明白なる運命）が当然とされた時代。我々の祖父等も巨大な妄想を広げ対抗していたのだな！と感心させられる。本書に語られた無茶押しの理屈こそが東洋の小帝国が生きるよすがだったのです。そう思うと、妄想すら愛らしい。我等が祖父達の見た美しい幻想に比べれば、昨今のアジア経済圏構想とかのなんとみすぼらしい事か。欲得ずくで醜いとすら言える。「一回目は壮挙、二度目は茶番。」と、誰かが言ったとか言わないとか。そのように言われないように世界を酔わせるホラを吹きたいものですね。兵どもが夢の跡・・・。

Nov 15, 2005

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中国人の美女＾＾

近所に散髪屋がある。私の御用達。マスターのつまんないギャグを月に一回くらいは聞かないと調子が狂うくらいだ。さて、彼の業界も競争が厳しいらしい。ここ数年オシャレな感じの美容室がいくつもオープン。スタッフもオヤジマスターなどではなく２０代の兄さん姉さんだ。そりゃああっちが流行るわな。危機感を感じたオヤジマスターが愚痴愚痴してたので半年くらい前に言ってやってのさ。「オッサン、ここ色気が無いわ。テクは充分なのは知ってるからオネーチャン雇いな、美人を！」そしたら本当にやっとったらしい・・・チャイニーズ美人。大連（おぉ！日露戦役で有名な！！）出身のスゲエ美女なんだ。理髪店協会の紹介とかなんとか言ってたが、そんなこたあどうでも良い。とりあえず、中国語会話をなんとかせねば！と本屋の実用書を漁った結果がコレ！「日本語から引く　知っておきたい中国語」小学館ひたすらに単語が分野別に、カタカナ発音付きで並んでいるのである。とりあえず興味のある分野の単語から覚えるのに良い。学生時代の外国語と違ってとにかく実践あるのみなのだ。

Nov 9, 2005

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ドキュメント　戦争広告代理店

「ドキュメント　戦争広告代理店」　高木徹　講談社文庫読め。とにかく、読んでおけと言いたい1冊である。かく言う私も偉そうな事は言えない。文庫化されるまで本書の存在すら知らなかったのだから。内容を要約すると・・・。情報操作の巧拙がボスニア紛争の勝敗を分けた。世界の紛争の影で暗躍する米国ＰＲ企業の辣腕ビジネスマンの実態を描くルポルタージュの傑作。なにやらキャッチーな文章であるが、こんなものでは本書の凄みはわからない。「事実を、正しいタイミングで、必要な人々に、伝える。」この積み重ねが堂々たる国家を追い詰め、国連からの追放という国際社会からの抹殺にまで至らしめたと言うことが恐ろしい。嘘をつくでも陰謀も巡らすでもない。あくまで合法的に事実を伝える。それだけで・・・だ。本書の主人公達は特に凄い事はしない。淡々とファックスを送り、記者会見の段取りをする。クライアントに有利な事実をＰＲするだけなのだ。細かく、丁寧に、身長に、だが徹底的に、計画的に、効率的に、容赦なく・・・・。彼等の積み重ねた情報の一滴一滴が世論を、マスコミを、議会を、政府高官を、アメリカ大統領を、国連を、全世界を！恐ろしい事に・・・「知らぬ間に！！」揺り動かしたしまう。ボスニア共和国は善玉になり、極悪国家セルビア共和国は戦争犯罪国家となり・・・ついには国際連合から追放処分とされるまでになった（湾岸戦争の主役イラクですら国連に議席はあるぞ！？）くどいようだが「知らぬ間に」である。特ダネを狙う戦場ジャーナリストも（彼等自身は自由意志で飛んだつもりでも）ＰＲ企業の戦略にそ乗せられていたのだ。本書を読みながら私は悪寒に襲われた（風邪も引いてはいたが）そして、魅入られた。本書の主役ジム・ハーフの背中が語ってるようだよ。シブく「仕事ですから・・・」と。驚愕のルポであり、上質のハードボイルド。読む価値充分だ。いや、読め＾＾

Oct 30, 2005

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「日本から救世主が来た」

「日本から救世主が来た　出井康博　新潮社」日米開戦の直前。米国内で地下工作に猛進している男達がいた。黒人の叛乱。それは超大国アメリカのアキレス腱。反差別の大義を説き、黒人達から「救世主」とあがめられた男。彼の必死の反米地下工作は、真珠湾直後の黒人大暴動に結実する。ＦＢＩのフーバーを心底怖れさせた男の遺産は確かにアメリカのパンドラの箱を開け放ったのだ。そんな内容の本書です。ほとんど世に知られてない歴史。真正の秘史といえるのではないでしょうか？個人的にはプロジェクトＸで取り上げて欲しかったなぁ（その時歴史は動いた！かな？）読むと判ると思うけど本当に地上の星が似合うんだ。ついに歴史を動かす事は出来なかった。所詮は蟷螂の斧であったのであろう。だが、異国で一人闘う姿は美しいと思う。入手は難しいかもしれない本です。文庫になったとも聞いてない。

Oct 18, 2005

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インド思想史第二版

「インド思想史第二版　中村元　岩波全書」インドの山奥でぇ♪修行ぉしてぇ♪と、能天気に唄われてきたインド。でも、みんな知らないよねインド。私もです。で、古本屋で見かけた本書をなぜ買ったのか・・・理由は良く分からん。心惹かれるものがあったのだろうね。ＳＭやってる手前、カースト制度には昔から興味があった。奴隷階級って心惹かれるでしょう？まあ、読み終えたわけだ。「インドすげえな。」これが感想。徹底的に追及された世界の真実の姿。数字を使わない高等数学の世界といえばよいのだろうか？異様である。紀元前の時代にここまでの抽象的思考を駆使できた知識人階級が成立しているということに戦慄を覚えます。良く耳にする古典ギリシャの哲学者達の議論が子供に思えます。この地で生まれた仏教が他の世界宗教とは異質の輝きをもつ理由がわかりますよ。現世の成り立ちを容赦なく追求する・・・神々で算数をするように追及しつくした果てに「空」の宗教たる仏教が生まれたのだと。ここまで空理空論を扱うのが上手い（褒めてるのだぞ）バラモン階級の連中ならプログラムやネットビジネスのビジネスモデルなんかを創案するのにむいてるやろな。現実的な組織行動はどうかと思うが・・・プランを作るのが上手そうな気がする。２１世紀にネットの世界を制するのはインド人のバラモンかもしれんなあ。などと妄想したりしました。ちょっとインド学んでみるかな＾＾

Oct 17, 2005

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ダークサイド・オブ・ロック

「ダークサイド・オブ・ロック」洋泉社あいかわらず洋泉社は私の心臓をワシ掴みしてくれる。ナイスな本だ。内容は表題そのものだ。現代音楽のメインストリームと言ってもよいと思う「ロック」の暗黒面に注目した作品です。取り上げてるバンドや事件は洋楽がほとんどだ。噂に聞いてた事件の詳報が乗ってたり、そもそも初耳の事件を取り上げたりしてくれていて興味深い。教義的にみても歌舞音曲の類に否定的なキリスト教文化圏たる欧米である。もともとロックバンドなるものに否定的な空気があるのかな？そんな文化的土壌とヘヴィメタルだのデスメタルだのの異教趣味・悪魔趣味的な異装で重低音＋絶叫＋熱狂のライブはどうしても反発しあうのだろうね。社会との軋轢が大きいほど叛逆は過激になるだろうし、それにたいするバッシングも大きくなる。無宗教な私がみてもオジーオズボーンの形相にＲ１５指定したくなるし、マリマンのアルバムジャケットの中には引いてしまうものもあった。敬虔なクリスチャンの叔父さん叔母さん達が嫌うのもわからんでもないね。そんなんなかで以外にもまともなのがマリマンこと「マリリン・マンソン」本書のなかで「政治的に正しいマリリン・マンソン」を読んで欲しい。そう、普通なのだ。少なくとも無宗教国家日本の住民からみれば常識の部類にはいる意見。そうか・・・マリマンは普通の人だったんだ・・・などと勘違いしてしまいそうだ。私が思うに彼は本能的感覚的なアブノーマル・反社会的な傾向と知性とロジックで導き出した理知的論理的世界観のあいだで引き裂かれてるんだろう。それは苦しいだろうね。なにも考えないで自分に熱狂してる連中が憎いんじゃないかな？などと思ってしまったよ。

Oct 12, 2005

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元気なNPOの育て方

「元気なNPOの育て方」戸田智弘　生活新書ＮＰＯである。皆さんにイメージしやすく言うと・・・老人デイサービスとか介護なんかをボランティア中心にやってる団体。だが、それだけじゃあねえな。本書を読むとわかるのですが、実に様々な団体が個性的な事業をおこなっているぞ。環境再生・村興し・福祉・ＦＭ放送・縁側＾＾・研究会などなど。それぞれシビアに情熱的に事業を推進してるぞ。テマヒマかかってお金儲けには繋がらないが、でも必要とされてる色々なサービスを提供してくれている。本書の前半はそんな小さいけれど独立自尊の気概にあふれた「元気」なＮＰＯの愉快な紹介記事で埋まってる。読んでいるとこうゆうミニ事業をジックリ育て上げるのをを生涯の仕事にしても良いなと思えてくるのさ。１パーセントの利益を巡って永遠の闘争を続けて、疲れるなら同じ労力をこちらの方面に注いだ方が充実感あるのではなかろうかな？などとフッと思ったりもする。特に本書の第二部（本作の白眉であります）を読むと意欲が沸々と湧き上がる。事業を起こし維持してゆくには相当シビアな経営感覚がいるようだ。つまるところ銭金の数字に強くなくてはならない。遊びではない・・・そうゆう事だな。本書のなかにも書いてある「腹をくくった人間がいるか？」というのが組織の興廃の条件だそうな。繰り返すが「遊びではないのだ」ということだ。遊びならＳＭ調教のほうが楽しいぞ＾＾なんと言うかＮＰＯとかボランティアとかに微妙に距離感を持っていて、しかも企業社会でバリバリ仕事をしてる人たちに読んで欲しい本です。そんな人が今の生き方や仕事に意義を見失ったときに別の本気で取り組める生き方があるのだと教えてくれそうな著作ですよ。仕事人間は・・・本気で取り組むと仕事デキルよぉ（まあ、あたりまえだが）環境保護関係でいい企画ないかなあ＾＾ちょっと生きる方向性を考えてしまう那智でありました。

Oct 7, 2005

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ナポレオンの母

「ナポレオンの母　レティッツィアの生涯」アラン・ドゥコー　時事通信社ナポレオンについては今さら何も書かなくてもよいね？馬上の世界精神（つまり・・・神？）とまである偉人に言わせた超級の英雄だ。ネットでちょこっと検索すれば彼の人生の軌跡は掴めます。本書はその英雄の母の評伝である。「神は、あなたが毒をあおいで死ぬ事も、あなたにふさわしくない休息のうちに死ぬ事も許さないでしょう、ただ剣を手に死ぬ事のほかは・・・・。そう、行きなさい、あなたの運命のままに行きなさい。あなたはこんなつまらない島で死ぬようには生まれついていないのです」母が子に贈った言葉です。息子が生涯にただいちど、母に問いかけた・・・それへの答えです。烈女と言い、孟母と言う。だが貧乏貴族の次男からフランス皇帝に駆け上がってゆく息子に苦言を、自重を、自省をもとめ続けたのは母である。レティッツィアこそが最も息子に普通の幸せを掴んで欲しいと願っていた。どのような気持ちであったろう？ついに死地に赴かんとする息子に激励の言葉を贈るのは。だが、このような言葉を母親からもらって奮い立たない男がいるだろうか？母の言葉を握り締めて、ナポレオンは運命のワーテルローへ旅立った。全世界を敵にまわすも畏れることなく、堂々と。百万人が自分を否定しても最愛の母が認めてくれるなら立派に闘って見せようと。かのごとき偉大な母の生涯が詳細に述べられている一冊です。世の息子を持つ母親諸君にオススメしたい。息子の人生に平穏を望む気持ちはわかるのですが・・・剛毅であれ！と背中を押してくれる強き母でもあってほしいのです。ちなみにナポレオンの最初の妻ジョゼフィーヌもなかなかの傑物です。まあ、偉大な母親とは反りが合わなかったみたいですが＾＾；この嫁姑問題を中心にとりあげたコスプレ映画ハリウッドあたりで作らないかな？・・・余分な話ですがナポレオンの母はマゾだと思うぞ＾＾

Sep 28, 2005

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ダンボールハウス

「ダンボールハウス」　長嶋千聡　ポプラ社本書は・・・まあ、奇書という部類に入ると思われる。すくなくとも他に類例を見ない書物である。偉大な戦略家クラウゼヴィッツ（戦争論と言う兵学の理論書を書いた人物。世界を震撼させたドイツ兵学の太祖）がこのように言ったと聞いた。「私は生涯に一冊。その道を志した人が、たとえ１００年後であっても必ず読まねばならない。そんな書を書き残したい」と、言ったとか言わないとか。雄図であると言える。本書「ダンボールハウス」も同様であろう。たとえ１００年先であろうと我々の時代の路上生活者の文化を研究するものなら必ず目を通さねばならない書である。時間が流れれば流れるほど価値を増す書籍であると確信してます。内容はダンボールハウスの構造を建築学的アプローチで解析すると言うもの。イラスト付きで類型化もしてあり実に解りやすい。イラストに添えられた調査ファイル？も充実（建材や建築費、使用人数、建築の人工、工期などなど興味深い）しており、書き捨てウケ狙いのサブカル書とは一線を画している。立派に史料価値があると思うのだ。個人的には特記事項のホノボノ感が大好きである。たぶんあまり部数は刷られてないと思う。見かけたら即ゲットしよう。ダンボール製＾＾の表紙が目印だ。しかしポプラ社・・・見直したぞ。よくもここまで売れそうに無い作品を出版した。ビバ！ポプラ社！！愛してるぜ。

Sep 16, 2005

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生活の世界歴史６　中世の森の中で

「生活の世界歴史　６　中世の森の中で」堀米庸三　河出書房新社本書は欧州中世の時代を生活者レベルで見た歴史書である。現代と繋がっているようで、決定的に隔絶した精神と価値観を持った人々がおりなす日常生活を活写して大変興味深い良書であります。特に秀逸なのが「攻撃と防御の構造」です。中世が城の歴史なのは有名です。貴族の城砦に、町を丸ごと要塞化して市城。石造りの城壁は欧州中世のシンボルといえます。ですが、市ってましたか？町の城壁の中でも防御がめぐらされていたことを。領主は市民を。市民は隣人を。貴族は互いを。お互いに恐れ警戒し、防護をめぐらしていたのだ。町を守る城塞のなかではお互いを恐れ家屋を要塞化していた。自我を重んじ、自立を自明とする欧州文明の価値観の基礎はこのようなところにあったのかと得心いたしました。常在戦場の心構え・・・と言いますが、まさにそのものであったわけです。頼むものは己の個人的戦闘力のみ。努力を評価するのではなく、生き残ったと言う結果だけが重要。

Sep 12, 2005

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知りすぎた、私

「知りすぎた、私」草間政一　東邦出版本書は熟年の冒険物語である。コツコツと常識的に生き業績も上げ、世間からも評価されてきた男が・・・。「神」に召喚され、非日常と超常識の渦巻く混沌から世界を救う「使命」を授けられ、悪戦苦闘する。激戦の末、勝利を収めようとしたその時に思わぬアクシデントが男を襲う。運命やいかに？そんな内容です。まさにＲＰＧ風冒険物語ではありませんか。「神」はアントニオ猪木。「世界」は新日本プロレス。ちなみにこの冒険物語は神が勇者を裏切り、辺境に追放することで終幕する。父帝に疎まれて辺境を流離うヤマトタケルでのようではありませんか！あるいは兄将軍に追われ、北辺に屍をさらした源義経か・・・。まあ、草間元社長は美少年ではありませんが＾＾草間社長の失敗は、あくまで外部の人間だった事。人はだれでも他人から図星を指されれば不愉快になる。プロレス村という共同体は世間から虐げられた期間が長かっただけに特に外界の野次には敏感なのです。ですが・・・同じ村人が言う事なら？自分以上にプロレスを熱狂的に愛している人からの言葉であったなら、胸襟を開き聞く事だろう。嘘でいいから「私、プロレスの熱狂的なファンです」そういってみればもっと愛せたものを。著者は理解不能な猪木の裏切り・・・追放となったにもかかわらずプロレスは愛してるようだ。それだけは嬉しく思うのである。

Sep 6, 2005

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オセアニア辞典

お気に入りに古本屋でずっと気になっていた本があった。それが「オセアニア辞典」オセアニア・・・南洋多島海地域の総称である。かつては大日本帝国の領土もあった（国際連盟の委任統治領である）縁の深い地域。先の大戦で米国との黙示録的な死闘の舞台となった因縁の島々である。わかりやすく言うとグアムやサイパン、オーストラリアなどというポピュラーな観光地のことだ。私個人でいうと知識の空白地帯。歴史マニアの私にはめずらしく、この地域に関しての知識は限りなくゼロ。太平洋戦争の舞台であたこと。島々の戦略的価値。観光地＾＾；以上！である。興味はあったが食指は動かない・・・古本屋でも興味はあったが他の本を先に買ってしまっていた。で、ついに購入した「オセアニア辞典」読んだ。ハマッタね。オセアニアに。この島々は流刑地であり避難所。近代文明に違和感を感じる人々が最後にたどりついた約束の地。最後の地が南洋の楽園でったことに私は酔いたくなった。オーストラリアに有袋類が生き残ったように、過酷な闘争の日々に耐えられなくなった敗北者たちがこの地に訪れ死んでゆく。むせかえるような熱帯の花々に抱かれて朧気に都市の夢をみつつ死んでゆく。麗しの流刑地。フランスに行ってしまった畏友の姿がだぶるのです。オセアニアの流刑者たちに。

Aug 26, 2005

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実録！人殺し観察者

洋泉社の暴走は何処まで続く？「マーダー・ウォッチャー」直訳で、人殺し観察者！内容はそのまんま＾＾；古今東西の連続殺人・シリアルキラー・猟奇事件・内戦虐殺などなどで一冊本を作ってしまった。路線変更か？洋泉社？？（洋泉社は山口組本など風変わりなムック本が得意な出版社）恐ろしいことに季刊らしい・・・出るんだ？！２冊目・・・。奥付きには編集部からのお知らせって「協力者、取材者、タレコミ募集！」とブチヌキしてるくらいだからマジで出すんだな＾＾；あたりまえだが全国の書店で絶賛？発売中なのだが私がコレを発見したのは小学校横の書店。置くなよこんな本を・・・ニュータイプ（アニメ誌な）やなんかの横に。でも、分野的にサブカルだろうから配置は正しいよなぁ。恐ろしいのう。レビューとして正直に書くなら、ムック本としての作りは花丸です。さすがは洋泉社です。熟練の技だね。内容も私自身知らない出来事が多いと言う事を実感。特に海外系で起きた事件の記事は初耳のが多かった。個人的には１８禁指定です。精神的にタフな人だけ読んでやってくださいね＾＾

Aug 5, 2005

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靖国問題

「靖国問題　高橋哲哉　ちくま新書」夏が来たね。当代の首相になってからは靖国神社公式参拝ネタで報道番組が盛り上がる季節だ。昨今では外交・経済に影響を与えてるので他人事ではなかったりもする。歴史マニアで軍事オタクな那智であるから、この問題に対するスタンスは当然もっている。だが、書かない。あまりに微妙な問題で、ある意味正解が無いからだ。本書は良書である。事実を論拠に緻密な哲学的手法で靖国問題を捌いている。そして読みやすい（けして楽に読めるわけではない）宗教的・歴史的・政治的・感情的・・・複雑骨折したようなこの問題の矛盾点を仕分けている。哲学的思考法の勝利でありましょう。すくなくともこの問題関係の本で多い左右各陣営のプロパガンダ本では無い。高い視点から眺め、詳細に論ずる。このような良書を底本にして議論が盛り上がるなら有益な結論が出るのではないかと思うのである。

Jul 25, 2005

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中世の森の中で

「生活の世界史６　中世の森の中で　堀米庸三編　河出書房新社」古本屋で見つけた本である。歴史年表にのってるような大事件を扱うでなく、中世欧州の普通の生活・民俗から堪能しようと言う一冊である。混沌と暴力に支配された中世をそのままに差し出していますね。封建社会のゴチャゴチャ感に興味ある人には最適かな。ファンタジー小説には無いリアル中世がこのなかにある。古本屋へＧＯ！だ。

Jul 20, 2005

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ナチスとの我が闘争

「ナチスとの我が闘争」セバスチャン・ハフナー　東洋書林迫真のドキュメントである。世に悪名高いナチス・ドイツ（ユダヤ人絶滅なんかを実行したぞ）と知性ある市民の絶望的な闘争の日々を記録・・・などと書くと街頭で独裁反対の大演説！とかきたいされるかもしれませんが、そうゆう類の闘争ではない。もっと地味な、日々の日常のなかで闘われた闘争のドキュメント。正直、この手のもののなかで、作者の知性が際立って高い。小市民の立場で見、一級知識人の目で分析してくれている。なにゆえに最高レベルの文化を誇るドイツ人が最悪の蛮行た民族絶滅に至ったのか？なにゆえアドルフ・ヒトラーと言う悪魔を受け入れるに至ったのか？諦観と透徹に満ちた文を読んでゆくと感覚的に得心がゆく。一次大戦からナチス勃興まで・・・年表で見知った事件や出来事がどのように当時のドイツ人の精神に生活に影響を与えたのか？徐々に社会を蝕んでゆく不寛容な精神を土壌にして毒々しい華を咲かせるヒトラー＝ナチス第三帝国。エキサイティングな良書です。ワイマール期のドイツ共和国史に興味があるなんていうマニアックな人は必見。

Jul 8, 2005

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シグルイ　４

「シグルイ　４巻　山口貴由（原作南條範夫）秋田書店」知らぬ間に４巻が出ていました。残酷美剣豪漫画の最右翼（って言うか唯一ですね）シグルイ！あいかわらず筋肉と血液（今回は歯も＾＾）にまみれたぶっ飛んだ内容ですね。私、大好きです。これ、実写で映画にせんかな？ただの残酷映画では終わらないよ。残酷美とサムライと日本の美学をミックスしただれにも真似できない良品になる可能性が高いと思うのだけど。

Jun 30, 2005

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５分後の世界

「五分後の世界」「五分後の世界２　ヒュウガウイルス」村上龍である。どうやら幻冬社あたりから文庫が出てるらしいぞ。さて、最近楽天ブックランキングでずっとランクインしている「半島をでよ」かなり面白いらしいな。出たばかりのころラジオで北野誠が絶賛しているのを聞いた覚えがある。じっさい書店での平積みも長期になっているし、楽天ブックランキングでも１位とか２位に定着している。そうとう面白いのだろう。まだ読んでないけどな＾＾こなに話題になると読みたくなくなるぞ。拗ね者な那智である。その作者、村上龍かなりまえに書いた作品が今回紹介する「５分後の世界」である。現世とは５分だけズレているパラレルワールドな日本が舞台。その日本では世界大戦は終わっていない。本土は占領され、人口は激減しても５分後の大日本帝国は屈服しなかった。地下に潜り（比喩でなく、物理的に潜った）最強の戦闘国家となり聖戦を継続したのだ。なんか凄いでしょう？「愛と幻想のファシズム」を書いた龍先生だけのことはあるぶっ飛んだ設定。良いですよ。村上龍的に”こうであって欲しかった大日本帝国”を描いた作品と思います。現実の歴史が戦後が・・・５分後の世界の１０分の１ほども美しいものであったなら、私はこの国を心から愛せたと思う。だが、愛したいのだが愛せない現実の日本。かくあって欲しかった理想の帝国。それが５分後の世界。物欲と無責任に溢れた現実の終戦・戦後。その対極の極点を小説に描くことで、最近流行の保守派陣営の思想的浅薄さ（ゴーマニズムとか新しい教科書とか）と、最近は退潮ながら未だ根強い戦後良識派陣営（朝日新聞とか日教組ね）の思考停止状態とをともに炙り出した戦後文学孤高の傑作と私は評価してます。このような作品が時折でてくれるなら文学というものに存在価値があると思う。そう思わせてくれた作品です。「半島をでよ」を読まれた後でよいですから、ちょこっと本屋さんで探して「５分後の世界」読んでみてやってくださいね。

Jun 22, 2005

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英雄アルキビアデスの物語

「英雄アルキビアデスの物語　ローズマリーサトグリフ　原書房」古代ギリシャの英雄譚である。アルキビアデスは実在の人物であるが彼の生き様は英雄譚といいたくなるくらいの波乱万丈（冗談のような＾＾；）の人生です。フィクションと言う訳でなく現実のアルキビアデスの生き様がファンタジーとアドベンチャーに溢れているのですよ＾＾サラッとエッセンスだけ述べましょう。彼の師父は哲学者ソクラテスである。彼は天才的な戦術家である。彼は最盛期のアテナイ海上帝国のカリスマ政治家であった。彼は古代ギリシャを代表する都市国家アテナイを決定的な破滅に追いやった。彼はスパルタ（アテナイのライバル都市国家）の王妃を寝取った。彼は絶世の美形であった。彼は正史に典型的デマゴーグとして汚名を残した。彼は２１世紀に「英雄」と呼ばれるほど人々を魅了した。まあ、愉快で八方破れな男だったのでしょう。ニーチェの言う超人から悲劇性を取り去ったら彼のごとき人物になるかな？以前から興味があった人物だったのですが古代ギリシャと言えば哲学者がどうしても全面にでてしまうので政治家か軍人はなかなか紹介されない。パリーポッターの影響か？この手のファンタジーっぽい海外作品が紹介されやすくなったので個人的には嬉しい。でも、アルキビアデスは子ども向きのヒーローではないな。善悪を超越したアダルトヒーローだな＾＾；人並み外れた才気のおもむくままに祖国と諸国家の運命を弄び、優雅に人心を振り回した半神的怪物を知って欲しいと思う。できれば、本格的な評伝を読みたいのう。だれか書かないかな？

Jun 17, 2005

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医龍

「医龍」である。作者の名前は忘れた。スペリオールと言う青年コミック誌に連載のはずだから小学館の発行のはずだ。白い巨塔ってあっただろ？あれは実写だったが、本作はコミックの表現特性をフルに活用した白い巨塔だな。実に面白い。悪役が魅力的な映画はヒットすると言う。その伝で言うなら本作はヒットすべくしてヒットしたといえる。大学病院に巣食う怪物どもの魅力的なこと・・・医者にしておくにはもったいないほどです。徹底したデイフォルメによって逆転したリアリズムを獲得するにいたっている、妖気を帯びた人物造形に成功しています。物語りも私の好みに合っています。大学病院の医局という「死」と闘う戦場で、善悪を超えて理想の為に（あるいは野望のため、権力欲のため）悪魔の瞳を覗き込む男女の群像劇。良いね。恥ずかしながら私は最近まで本作をしりませんでした（スペリオールにはムーンライトメイルと言う贔屓があるのにね＾＾；）たぶん今さら紹介することもないくらい有名作品なのでしょう。読まれて無い方はぜひどうぞ＾＾

Jun 11, 2005

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カルチェ・ラタン

「カルチェ・ラタン　佐藤賢一　集英社」さて、佐藤賢一である。いまさら言うまでもないほど有名作家である（と、思う）日本には珍しい（唯一？）欧州歴史小説の本格派である。乱世を太く逞しく生きる快男児（こうゆう表現がピッタリくる主人公なんですよ）を書かせたら天下一品の作家です。生き方に自信がなくなってきたら私はこの人の作品のお世話になってます＾＾さて、カルチェ・ラタン。宗教改革直前の思想的混乱期（ちなみに世情も治安も大混乱＾＾）のフランスはパリの大学街カルチェラタンが舞台です。天才学僧ミッシェルと新米夜警長ドニのデコボココンビが王都パリの闇を斬る！というアングルの物語。まあ、犯科帳物の西洋版なのですが、これが面白い。欧州の大学の成り立ちや宗教界の思想的混乱を背景に次々と事件は展開する！ミッシェルかっこいーなぁ＾＾個人的にはオッサンに成長したドニが大活躍の物語も読みたい気がする。あと、これは余談になりますが・・・この作者はＳＭ趣味がないかな？赤目とか傭兵ピエールとか読むと間違いなさそうなんだがなぁ。

Jun 6, 2005

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中国経済　真の実力　

「中国経済　真の実力　森谷正規　文春新書」最近色々と我が国と揉め事の絶えない隣の大国の経済面を平易に分析してくれた良書です。ちょくちょく見かける中国脅威本や中国駄目本とは一線を画している内容です。半可通のチャチな議論でなく冷静すぎるほど冷静な視線で観察し、データーと数字で現在の把握と未来の予測をしている。中国の強みと弱みを仕分けするただ貶すでなく、怯えるでなく、媚びるでない。一流の学者の分析とはこうゆうものかと感心させられます。新書版とは思えないほど濃い内容が、実に平易に述べられており、しかも飽きさせない。これほど質の高い書籍が１０００円以下で買えるというのは別の意味でデフレーションではなかろうか？書物を愛するものとしてこの時代の日本に生きている事を幸せに思うのであった。

May 31, 2005

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天切り松闇がたり

「天切り松闇がたり４巻　浅田次郎　集英社」いまさら私が紹介する必要も無い有名作家浅田次郎さんの最新作ですね。３巻までは大正浪漫でありましが今回は副題の昭和侠盗伝のとおりに戦前の昭和が舞台です。母親がいってましたが戦前はそれなりに豊かだったようです。この作品で描かれてるままにね。戦前うまれの母の姉や兄には着飾った写真がたくさん残ってたもの・・・と。やはりあの敗戦は大きかったようです＾＾；で、おなじみの目細一家揃い踏みですが・・・安吉親分シブイぜ！年輪を経て男が輝いてるよ（カガヨイと読むように＾＾）涙の魔術師（Ｂyサド那智）浅田次郎の手腕も冴え渡っています。泣きたい人、感動したい人、お奨めの作品ですよ。ちなみに、浅田次郎さんの作品では「日論の遺産」ってのがお気に入りだったりする。

May 28, 2005

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新スカーレット・ストーム　中岡潤一郎　銀河出版

仮想戦記ものである。ただし「萌え」であるが・・・。「紺碧の艦隊」に始まった仮想戦記モノは、「八八艦隊物語」という美しく硬質な結晶体を世に送り出し、「スカーレットストーム」と言う大輪の華を咲かせたというべきでしょう。ライトノベルの手法を大胆に取り入れながら（つまるところキャラクターで勝負してる）も、仮想戦記というジャンルのお約束はキチッと押さえ、しかも良質のＳＦでもある。素晴らしい。いかにもウケ狙いな設定に騙されてはいけません。これは良いものです！男子の出生率が急落した別世界の１９３０年代。この原因不明の異常事態に世界の政治・軍事・経済・文化に大きな影響を与えつつあった。列強はそれぞれに対策を立ていた。そして我等が大日本帝国海軍は激減する男性軍人を補う為に女性兵士で構成された「第二海軍」を結成したのであった。未曾有の大戦争に投入された少女たちの群像劇。彼女等の運命やいかに！ってのが本書の設定である。ちなみに本書の前に「スカーレットストーム」なる正編がある（本書は新スカーレットストーム）あわせて読んでやってくださいね。

May 24, 2005

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江戸の盗賊　知られざる”闇の記録”に迫る

「江戸の盗賊　知られざる”闇の記録”に迫る　丹野顕　青春出版社」長年江戸時代を馬鹿にしてきた。勇壮な戦国、絢爛たる安土桃山。と、剛毅な明治に挟まれた灰色の江戸時代。私にとってはそんなイメージが先行していて触ってもいなかった。だが、江戸時代は面白かった！酷吏、義賊、侠客、名臣、剣客、名君、暗君、政商、義民、天才、凡才、その他その他。くんずほぐれつのバトルロイヤルを狭い日本で繰り広げている。それも案外と皆近しいかんけいだったりするから面白い＾＾そんな愉快な江戸時代を伝えてくれる好書が「江戸の盗賊」です。名前だけは知っていた怪盗の素顔や盗賊の宿敵たる火盗改などなど。盛りだくさんな内容だ。個人的には長谷川平蔵（鬼平犯科帳の鬼平ね）生き様は好きだなあ。鼠小僧のクールな生き方も良い。こうゆう単品ネタの良書はもっと出てほしいのう。

May 20, 2005

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サンカ研究

「サンカ研究　田中勝也　新泉社」サンカ・・・知ってる人は知ってるが、知らない人は知らないって言う単語。私は最近知って興味をもった。サンカ・・・日本のジプシーと言う人もいる。定住農耕が主流のわが国生きる流浪の民。昭和のはじめまで存在していたのは確からしいが、いまはほぼ消滅した伝説の存在です。いろいろロマンティックな噂がある。「日本の先住民族の末裔である」「ジプシーと同族である」「１日４０里（１６０キロ？？）歩ける」「独自の言葉や文字がある」「じつは全国的な秘密結社になっている」などなどだ。こんな神秘に包まれた民の実像に地道に迫ったのが本書である。地道ゆえに派手な浪漫はないが、それだけに納得させられる。

May 18, 2005

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ナポレオン　英雄の野望と苦悩

「ナポレオン　英雄の野望と苦悩　エミールルートヴィッヒ　講談社学術文庫」（上）（下）二巻である。伝記ものによくあるような英雄の業績の歴史的意義の説明や羅列ではない。稀代の英雄皇帝の心理的側面にスポットライトを当てているところが今にしてみると新しい。ただの思い込みでなく英雄ナポレオン自身の言葉・書簡を中心に彼の真意や価値観に迫っている。劇的な彼の生涯における魂の軌跡をたどる良書です。また、翻訳者の力量なのでしょうか？躍動するような文章であきさせません。ドイツ浪漫主義とでも言うのでしょうか？このまま舞台の台詞にしたくなるような気合と勢いにみちた文ですね。講談社学術文庫は良い。じつに興味深い（だが売れそうに無い）本を出してくれる。もっと頑張って欲しいものだ＾＾

May 12, 2005

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我が魂を聖地に埋めよ　ディー・ブラウン　草思社

この本は文庫化されないのだろうか？こんなに素晴らしい内容なのに。ネイティブ・アメリカン（インディアンのこと）の闘争史である。心優しく誇り高い戦士部族が、騙され、貶められ、虐殺されれゆく悲劇の歴史である。だが、美しい。彼等の闘争は終わったわけではないのだ。今に至るもアメリカ政府に自分たちの正当な権利と領土の回復を要求している（つまり北米全土からのアメリカ合衆国国民の追放！）そう、我等こそが北米大陸の真の主権者であると！！雄々しくも宣言してりるのだ。そして世界最強の国家は彼等の言い分に返す言葉がないらしい。彼等の言い分はこの本に書いてある。読んで欲しい。歴史から抹殺された民族の魂の慟哭を。

Apr 24, 2005

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マネー・ボール　奇跡のチームをつくった男

「資金力３倍とライバルと同じ土俵で勝負して勝てますか？」そして「一回だけでなく五分五分の闘いを何年も続けてゆけますか？」この命題に挑み、勝ち続けている男がいる。本書は不可能を乗り越え奇跡を起こした男ビリー・ビーン（オークランドアスレチックスＧＭ）の勝利と栄光の物語である・・・ってだけでも、なかなか面白そうでしょう。もちろんこの面の楽しみもタップリである。ビジネス書としても読まれそうな良書です。が、私はそんな事でこの本に感動したのではない。この本はビリービーンと言う野球に傷つけられ野球から見捨てられた男が、それでも野球から離れられずに野球に復讐し、そして野球を愛する物語である。「そしてわたしは、二度と金によって人生を左右されまいと決めたんだ」物語の最後のほうで出てくるビリーの言葉である。大きく回り道をした男が見出した真実の言葉であった。

Apr 23, 2005

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ヤミの乱破１　細野不二彦　講談社

コミックである。作者の細野氏は昔はラブコメ系な作品でヒットを連発。アニメ化されたりもしていたが・・・那智的には最近のハード路線が好き。近作で有名なのは「ギャラリーフェイク」でしょうか。さて、本作のこと。大日本帝国の残党とソビエト赤化戦士（改造人間＾＾；）が戦後日本の闇で激烈な暗闘を繰り広げている。と言う背景の中でストーリーは展開。主人公は帝国残党ね。坂口安吾の堕落論の一節をモチーフに物語りは紡がれてゆく。ハードボイルドな展開。存在感のある絵。まだ一巻しかでていないが傑作の予感がします。那智的には保坂正康さんの著作を参考にされてるような感じがして好きですね。大人が楽しめる漫画です。

Apr 12, 2005

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怪帝ナポレオン３世”第二帝政全史”鹿島茂著　講談社

真面目な本である。偉大なるナポレオン・・・の甥っ子のお話である。世界史上でもあんまり大きな扱いでない（ちなみに叔父さんナポレオンは人生そのものが世界史的な大事件である）お人である。最近の那智は正真正銘の英雄天才よりもこうゆう微妙な人がきになって仕方ないのです。本書の体裁はナポレオン３世の一代記。３世本人も過去に言われているほど馬鹿でも悪人でもないのだよ。けっこう理想家で頑張ったんだ！と作者の３世にたいする愛情あふれています＾＾ビクトル・ユゴーやマルクスみたいな後世に巨大な影響力をもった天才を敵に廻してしまったのが彼の不幸というべきかな。茶番と色魔の・・・無茶苦茶書かれてるものなあ。色魔で陰謀家。理想主義者な俗物。保守的な改革者。いやあ叔父さんナポレオンに負けない愉快・・・いやいや複雑な正に”怪帝”ですね。叔父さんの影に怯えているようでマイペースなのも◎！セダンで捕虜みになるとこなど可愛いじゃあないですか。たいして色男でもないくせにモテモテだった理由がわかるような気がするのう。ちなみに３世の時代は日本で言う幕末動乱期。最後の将軍慶喜の洋装軍服はナポレオン３世からの贈り物だったりする。縁がある人物なんですよ。試験の役には絶対立たない歴史物ですが・・・読んで損はないよ。

Apr 10, 2005

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狩りをするサル

おはよう。土曜の朝である。４月のくせに桜が咲いてない；；さて、本である。「狩りをするサル」グレイグＢスタンフォード　青土社哲学的考察の”基礎”を与えてくれる本である。内容を一言で言うと・・・狩猟行為と獲得した肉の分配行動がサルと人間を分けた。と、言うもの。これだけだと、よくあるサル学物の啓蒙書のようである。この本の興味深い内容はその後半部分に集中している（前半も面白いぞ。サルネタを未見の人は必見）その内容とは・・・「支配・統治・取引」と言うような政治的行動の起源を狩猟と肉の分配にあるのではないか？狩猟行動と肉食をする霊長類（類人猿）の生態を観察して検証する。と言うものです。人間のもっとも厭らしい、が最も人間らしい行動の起源が・・実はヒト以前にあるのではないか？と言う問題提起ですね。ジェンダー問題や階層分化が大変古い・・・って言うか人間以前、サル時代からの問題ではないのか？というのですよ。実はそんな高尚な考えで読んだ本ではない。古本屋で売ってたから適当に買ったのですが・・・久々に「人間って何だろう」とか「キリストさんよ、サルから救え猿から」とか。考えたね。こうゆう物事の基礎の基礎から考えさせてくれる本との出会いは貴重です。浮世離れした思索に身をゆだねるきっかけを与えてくれる。久しぶりだねえ「ヒトとは？」なんて考えたのは。思春期の青少年にはお奨めしないが、現実と格闘し、心と頭の固くなりかけた仕事人達にはお奨めしたい。

Apr 2, 2005

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武術の構造

眠い！眠いぞ！！休みなのに叩き起こされたぁ；；まあ、よかろう。今朝は久々に読んだ本の紹介をしよう。「武術の構造・・もしくは太極拳を実際に使うために・・」山田英司　流星社。です。うむ、良い。この本は良い。伝統武術（中国武術や合気道、空手あるいは古武術）と格闘技（総合格闘技やボクシング、キックボクシング）の違いを実に判りやすく解説。個々の些細な違いを書いてるのではなく、本質的な方向性の違いを「実際の動きの違いを具体的な動きの違いを上げて」説明してる。本質を具体的に説明するのは案外難しいものです。本質を語ると抽象的な議論（精神論）になり。具体的に語ると瑣末な技術論に終始してしまう事が多いからね。著者さんは実戦派の編集長としてムエタイ（なんと３７才でラジャの２位と対決）なんかに挑戦した業界の名物編集者さん。その稀有な資質が最大限に生かされた書物といえると思う。アダプターテクニック（本書のなかで語られてる技術の一つ）を装備した中国武術や古武道の達人が巨大筋肉ダルマどもを圧倒する（かつてのグレイシー柔術のように）時代がくるかも？と期待してしまう一冊ですよ。総合マニアなら読んでおいた方が良い一冊です。違う目で格闘技の試合がみれるようになりますよ。正直、太極拳やってみたいなあ・・・とかなり真面目に考えています。

Mar 17, 2005

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ドイツの運命（ミヒャエル）

「ゲッペルス君よこのレベルではプロの作家は無理だぜ＾＾」先日、取り上げた本の読後感である。ナチの大幹部が若い頃に書いた小説ということで気合全開で読んでみたのだが・・・つまらん！この程度の作品で世に出ようなどと・・・ヨーゼフゲッペルスは世間を舐めてたんだね・・・これで「売れないのはユダヤ人のせいだっ」て切れられても困る＾＾；世界に多大な迷惑はかけたが・・・政治家に転身して正解だよ。才能を充分に生かすって意味ではね。より良い世界の未来のためには売れない三流小説家として世に受け入れられた方がよかったけど。ゲッペルス君のそのお友達の暴挙の影響でいまだに世界は騒然としとるものなあ・・・。（１９：３４）

Feb 28, 2005

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ある人類の敵＾＾

私は機嫌が良い。仕事帰りに寄った古本屋で思わぬ掘り出し物を発見したから。「ドイツの運命」池田浩士　柏書房・・・と、書いただけでは何が掘り出し物かわからないと思う。「ドイツ・ナチズム文学集成」の一冊で、収められてるのがヨーゼフ・ゲッペルス著「ミヒャエル」というのだから・・・第三帝国マニアにはたまらない一冊です。ちなみにゲッペルスというのはナチス・ドイツの啓蒙・宣伝大臣を務めた人物で伝説的なアジテーターです。彼の舌が赤いベルリン（共産党の牙城だったドイツの首都）をナチズムで染め上げた。度重なる反ユダヤキャンペーンはホロスコートと言う狂気を生み出した。当時最高の教養と文化を誇っていたドイツ人を絶滅戦争の狂気に追い込んだ「総力戦演説」はアジ演説のお手本としていまだに語り草となっています。そんな暗黒英雄の若かりし頃の夢は作家になること。ミヒャエルはそんな夢見る頃のゲッペルスの作品です。極論を言えばこのミヒャエルが世間に受け入れられなかったことが史上最悪の世界大戦を引き起こしたと言える。一人の男が「売れない作家」と「人類の敵」という、あったかもしれない別の人生への分岐点にいた時の作品。そう思うと深い感慨を持たずにはいられません。まだ読んでいないのですが＾＾；カテゴリーの読後感って今回はウソだな。（２１：３９）

Feb 24, 2005

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「満月とかくれんぼ」を読んで＾＾

「満月とかくれんぼ　宮沢せな著　文芸社」読みました。これは詩集。私の読む本としてはかなり異質である（主戦場は小説とか歴史書、ルポの類ですから）が、詩と言うのも良いものだなぁと思わせてくれる詩集でした。表題にもなってる「満月とかくれんぼ」と言う詩は子供の豊かな感受性を謳ったもの。微笑ましくもあたたかい。個人的にゾっとしたのは「宵越しに」という詩。女の悦びと恨みがじんわり伝わってきてちょっと怖い。悪事の限りを尽くしてきた身には・・・ぶるぶる＾＾；男性諸氏はこうゆう詩を読んで行いを正すべきだな＾＾著者の宮沢さんのＨＰはこちらhttp://plaza.rakuten.co.jp/sena12miya10/（１８：４９）

Feb 20, 2005

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叛アメリカ史

「叛アメリカ史：隔離区からの風の証言」船戸与一が豊浦志郎の名前で書いたルポルタージュです。船戸ファン必見！船戸原理主義の聖典ともいえる作品です。アメリカ合衆国に代表される西欧（日本含む）帝国主義物質文明の価値観に蹂躙され続けた土俗的民衆の心が自己の魂の尊厳だけを武器に反撃を開始する！いやすでに始まっている！！「汎アメリカ史と叛アメリカ史の対決」に身をとうじだ人々のルポ。と、言う内容ですが・・・とても１９７７年に書かれた内容とは思えないです。ビンラディンの出現を予告していると言うか、いわゆる対テロ戦争なるものがほんとうに永い闘いになることを予言しているというか・・・。歴史に対して白紙の人より、ある程度世界史の流れを把握してる人に読んで欲しいですね。歴史認識を揺さぶられること間違いないです。船戸与一非公式網頁（叛アメリカ史の序文あります）http://ideas.paunix.org/funado/index.htm（０９：０４）「硬派と宿命」豊浦志郎（船戸与一）ブロンズ社復刻希望！叛アメリカ史と同じような船戸さんのルポなのだけど古本市場でもたまーにしか見なくてしかも高い！できれば復刻して欲しいのう。（１１：４０）さて、お出かけです。ムーチを振り振り子豚の稽古ぉ♪（１４：３０）

Feb 12, 2005

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武術の構造

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「満月とかくれんぼ」を読んで＾＾

叛アメリカ史

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江戸の盗賊　知られざる”闇の記録”に迫る

ナポレオン　英雄の野望と苦悩

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