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テーマ:日々自然観察(10123)
カテゴリ:文化遺産
確かでないので今確認を取っているのですが、私が気付いただけでも3ヶ所程この地域のペトログリフの様式とはちょっと違うペトログリフがあったのです。そのペトログリフは芸術的にも異様に出来が良くて、考古学的にも珍重される、現代人が喜びそうな内容でした。 その出来の良いペトログリフの様式は、普通はこの渓谷より遥か西の方で確認されているもので、この地域はその分布領域に入っていないことになっています。しかも、線があまりにもくっきりして、線とデザート・バニーシュの境目の風化具合が周辺のものとかなり違うんです。 現代人は、ペンキなどで落書きしたり、削って文字を書いたり、銃で弾丸を撃ち込んだり、石を運べる大きさなら持ち帰って、大きすぎる場合は電動ノコギリで切り取って闇古物商に流したりと、ペトログリフに様々な災いをもたらします。また困ったことに先住民に憧れ、その上ペトログリフの魅力に傾倒し過ぎて自分で“ペトログリフ”を制作してしてしまう人もいます。もっともその人が自分の裏庭でペトログリフを制作している分は害が無いのですが、中には本物のペトログラフがある地域に「作品」を描き足したり、いかにもペトログリフがありそうな場所(しかも公共の場)を勝手に自分の芸術活動の場と勘違いして現代ペトログラフを制作してしまうから大変です。 私は考古学者でないので断定出来ないのですが、今回見たなんか違和感があるペトログラフ群は、もしかしてそんな人が付け足したものではないかと疑問が沸いて来ました。 Part 1で紹介した通り、ペトログラフは基本的に石の表面を傷つける手法で制作されています。公共の場で現代ペトログラフを勝手に作ると言うことは、公共や自然または文化資源の破壊であり、現代先住民にとっては神聖な “ご先祖”様の文化と精神を冒涜する行為であり、学術的な見地では科学的調査と分析を惑わせ台無しにすることになります。 しかもアメリカ先住民の居住地を選ぶ基準はかなり現代と違っていて、彼らの遺跡の多くは人里離れた大自然の中に点在してるため、監視の目が届かず、こうした災いから逃れることがかなり難しい状態です。 先住民遺産「ペトログリフ」 Part 1 先住民遺産「ペトログリフ」 Part 2 [続く] 【写真上】自然の中に点在する先住民歴史的文化遺産。 【写真下】ペトログリフの直ぐ近くには弾丸が打ち込まれた跡がありました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Jan 28, 2006 09:05:52 PM
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