3月31日、夜の面談も終えて暢気に飲みに出かけようと思っていた私のところに普段あまり会話しない事業部長が近づいて来た。なんか嫌な予感・・・。私の読み通り部長は、「明日から3日間、伊豆で新人研修に参加して欲しい。週末の面談とかは他の人に代わってもらって。」、「え、明日から・・。」。私は、4月1日野球の開幕戦に行こうと思っていた。週末面談だって・・・他の人に代わってもらえなんてて・・。私は、有無を言うまもなく拉致された。仕方なしにバスに揺られて伊豆の奥地は連れられた私は、携帯電話の電波も限りなく圏外状態の研修所に到着していた。こんなの本社のメンバーでしてくれよ・・。話によると、新設部門にいる私の仕事を経験した本社スタッフが誰もいないので現場の人間誰か連れて行け・・となったらしい。それにしても、何で俺??そんな事で私は、新入社員100名と研修所暮らしな日々だった。新人で私がいる部門に配属になるのは、100人中3人ぐらいで大概の新人は自分にはあまり関係ない仕事なので研修終わらないかな・・と顔に出ていた。私も彼らに同感だった。急遽研修に拉致された唯一よかったのは、自分が担当する時間帯以外のんびり温泉に入っていられる事ぐらいだった。私が連れられた研修所には、他の会社の新人や大学のサークルも合宿に来ていて18面あるテニスコートやゴルフ場はいつも人に溢れていた。実際、研修の中で説明できる内容は業界の歴史や現状、一般論ばかりで、具体的な泥臭い現場の事例は正式配属になったメンバーにしか話せない内容ばかりなのである。「偽名で電話をかけたり。同姓同名の間違い電話をひたすら土日する。」等の話は、新人が最初にする具体的な仕事だがせめて研修期間中ぐらい夢を見ていて欲しい・・。現実を知って益々やる気になってくれるような有望な新人が私の部門にも配属される事を期待している。引き続き研修の残る彼らを後に私は新宿のオフィスに戻ってきた。新卒でいきなり私の部門に配属になるメンバーは、運がいいのか悪いのか・・果たしてどちらなんだろう・・。
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幸喜3319
表の世界と裏の世界の狭間を日常にするヘッドハンターという人種の日々起こる出来事をあなたにも、ほんの少しお知らせします。
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