カテゴリ:イタリア(ITALY)
ポンペイと言えば、大プリニウスと小プリニウスがとても有名です。
2人は叔父と甥の関係です。 大プリニウスはローマ帝国の高級官僚で学者であり、帝国艦隊司令長官をしたり、「博物誌」という百科事典を著しました。小プリニウスは皇帝ハドリアヌスや歴史家タキトゥスなどと交わした「書簡集」で有名です。ヴェスビオ火山噴火とポンペイの災害について手紙を残しました。 紀元79年8月24日、ポンペイのヴェスビオ山が大噴火した時、大、小プリニウスはナポリの北にあるミセウム(ミセノ)という港町にいました。帝国艦隊司令長官の大プリニウスは、友人や被災者を救出するため船を出し、ポンペイ近くのスタビアに行きましたが、呼吸困難になり亡くなりました。 小プリニウスはミセウムに残っていましたが、ヴェスビオ火山やポンペイの災害について、手紙に書いて歴史家タキトゥスに送りました。 小プリニウスの手紙には、ヴェスビオ火山が爆発して、巨大なキノコ状噴煙を上げた事が書かれており、これにより、このタイプの噴火はプリニウスにより「プリニー式噴火」と名付けられました。 手元にある本に、大、小プリニウス事が書いてあるので紹介します。 ーーーーーーーーーーーーーーーー ↓「歴史の目撃者/編者:ジョン・ケアリー/訳者:仙名紀/監修者:猿谷要/朝日新聞社/1997年2月5日 第1刷発行」 「ヴェスヴィオ火山の噴火 79年8月24日 小プリニウス」 ↓p31~「ヴェスヴィオ火山の噴火 79年8月24日 小プリニウス」 このときの噴火によって、ポンペイやヘルクラネウム(現エルコノーラ)の街が埋没した。 ↑ 小プリニウスの手紙による、ヴェスビオ火山噴火の記載。 「(ヴェスビオ火山の)噴煙の形は、カサマツ(アンブレラ・パイン)の木によく似ていました。まず、幹が長く伸びていき、上部でいくつかに枝分かれします。おそらく、最初の爆発の勢いで高く押し上げられたあと、爆発が弱まって下からの圧力が軽減したためでしょう。あるいは、噴煙自身の重みで横に広がり、下のほうが散ってしまったのかもしれません。土や灰の量の加減によって、白っぽい部分もあれば、黒味がかっているところもありました。 祖父(大プリニウス)は持ち前の学者らしい鋭い洞察力で、すぐに近くまで行って調査すべきだと判断しました。船の準備を命じ、私(小プリニウス)もいっしょに来たければ来てもいいと言ってくれましたが、私は家で勉強を続けたいと言って断りました。祖父から、書くようにと言われていたものがあったからです」(p31~32) この記載により、このタイプの噴火はプリニウスの名前から「プリニー式噴火」と名付けられた。 ーーーーーーーーーーーー ↓「ポンペイ 今日と2000年前の姿/アルベルト・C・カルピチェーチ/ボネキ出版社(イル・ツーリズモ)フィレンツェ」 ↑p4「最初の惨事は紀元62年に突如としてポンペイを襲いました。恐るべき大地震はポンペイの町を一瞬にして瓦礫の山と化したのです。しかし、生き残った市民の不屈の闘志と生命力は、半壊した街の再建へと逸早くとりかからせ、産業及び商業も速やかにその活動を再開しました。 そのベスビオが紀元79年8月24日正午を少し過ぎた頃、突然目を覚まし、大爆発をおこしたのです。 ミセノ(ミゼウム)の住人、若き(小)プリニオはこの恐るべき光景をまざまざと克明に記述しています。それには彼の叔父にあたる老(大)プリニオが、科学的情熱にかられてこの恐るべき現象を観察せんものと、舟で駆けつけ、友人ポンポニアノを救い出し、励ましながら息だえたという悲劇的な最期も語られています」 ↓ P3 「ポンペイだけに留まらず、エルコラーノからスタビアに及ぶ地域一帯の全生命を奪った、紀元79年のヴェスビオ山大噴火の復元図。 ↑ 紀元79年8月24日、ヴェスビオ火山が噴火した。 大、小プリニウスはミゼウム(ミゼノ)で、ヴェスビオ火山の噴火を見た。小プリニウスは家に残り、大プリニウスは船で友人がいるスタビアまで移動し、救出活動をした。ところが火山灰による気炎で亡くなってしまった。 地図の赤い線は、大プリニウスがミゼウム(ミゼノ)からスタビアまで移動したことを表す。 ーーーーーーーーーーーーーーーーー ↓ 「プリニウス Ⅰ/ヤマザキマリ/とり・みき/新潮社」 ↓ 表紙:ヴェスビオ火山の噴火。帯:大プリニウス。 ↑ 大プリニウスの紹介「博物学者にして、艦隊の司令長官。古代ローマ一の知識人にして、風呂好きの変人。その男の名は、プリニウス」 ↑ 1・ヴェスヴィウス (ヴェスビオ山) ーーーーーーーー ↓ 「プリニウス ⅠV/ヤマザキマリ/とり・みき/新潮社」 ↑ 表紙:ヴェスビオ山の大地震の様子。 ↑ 「げに恐ろしきは大地震か稲妻か。それとも欲望の果てに憎み殺し合う人間か!? 『火山よ、目覚めよ!』プリニウスの咆哮が、ポンペイの青空に虚しく響きわたる」 ↑ 22「ポンペイ」。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2022.03.13 15:50:18
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