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ケルトの夢

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2012年03月01日
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(わ~久々の更新になってしまいました…!)

   


『リトル・ダンサー』『めぐりあう時間たち』のスティーヴン・ダルドリー監督


911で父を亡くした少年を中心にした、喪失と再生の物語。
なんの気なしに見たのですが、素晴らしかったです。


発達障害的な傾向があって、人付き合いが苦手な少年(トーマス・ホーン)にとって、父(トム・ハンクス)は最高の理解者であり、友人でした。

その父を、偶然あの日にTWCに居合わせたことで失ってしまう。
その日からの物語なわけです。

遺族として心に傷を負った母(サンドラ・ブロック)と息子の仲まで、ギクシャクしてしまいます。

1年経って、やっと父の部屋に入った少年は、一つの鍵を見つけ、封筒に書かれた名前をもとにニューヨーク中を訪ね歩き始めます。
まるで父の穴を埋めるかのように。

重層構造の物語が、静かにクライマックスに高まり収束するさまが見事で、すてきでした。



少年の調査に加わることになる、喋らない「間借り人」の同行ぶりが良いのです。
(本作でオスカー候補になったマックス・フォン・シドーの表情が秀逸)
彼は心の傷から、話すことが出来なくなり、会話はメモと、イエスノーは左右の手で行う。
傷ついた少年を手助けしたいけれど、ムリはしない。
マイペースで自己中で、少年が困ったり苛立ったりするけれど、良いコンビになっていきます。
みんな自分のことを語るけれど、何も語りたがらない「間借り人」に、彼はまくしたてるように語り始める。
少年が最後に心の重荷を下ろすことの出来た相手は、鍵の調査で出会った見知らぬ他人であることも、象徴的でした。


父と子の矛盾語ゲームやテコンドー、最初に訪ねた「ブラック」であるアビー(ヴァイオラ・デイヴィス)とのやり取り、
「普通にしようと思ったけど出来なかった」という少年への、母の受け答え…
印象的でした。

私は素晴らしいと思うし、好きな作品だけど、賛否両論みたいです。
まっ二つに評価の分かれる映画って、私的にはいい作品が多い(笑)

公式にある「感動巨編」という宣伝はチグハグな感じ。止めて欲しいです。









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最終更新日  2012年03月01日 13時17分10秒
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