[幸せ] ブログ村キーワード
今年5月
一匹の子猫が誕生しました
手のひらに包み込めそうなほど小さな命
その子が生まれたのは
暖かなお家の中ではありません
安心できるベッドも
フカフカした毛布もない
硬くて冷たいベランダ
まだ目も見えない、耳も聞こえない
生まれたての子猫たちは
小さな体から振り絞るように声をあげ
抱きしめてくれる誰かを
呼び続けました
おちびの命を繋いだのは
「猫の部屋」の司令塔Aさん
この世の風景も見ないままに亡くなってしまった
もう片方の子猫の分まで
残されたおちびが元気に大きくなりますように…
まだ開いていない、その瞳に
たくさんの幸せを映し出すことができますように…
そう祈りながら
しっかりとおちびを抱きとめました
初乳も飲んでいないおちびに
二時間おきにミルクを与え
何度も病院へ通う日々が続きました
久しぶりの子育てで
疲れてしまった時もあるけれど…
頑張って生きようとするおちびを
Aさんは、大切に見守り続けました
弱々しかった小さな体は
どんどん大きくなっていきました
ずっと閉じていた目も開き
小さな可愛い耳は
音を感じて動くようになりました
キラキラと澄んだ瞳が最初に見たのは
笑いかけているAさんの顔
そして、最初に聞こえてきたのは
そっと話しかけてくるAさんの声
この世に生まれて
おちびが最初に目にしたもの、耳にしたものは
とても優しい人の温もり…
私は、それがとても嬉しいです
二時間おきの授乳は
四時間おき、五時間おきと
日を追うごとに長くなっていきました
ミルクを飲む量もどんどん増えていき
体が成長するスピードと
少しずついろんなことを覚えていく
心の成長のスピードに驚かされる日々でした
Aさんが「猫の部屋」にやって来る日には
いつも一緒だったおちび
大きな仲間たちに囲まれ、無邪気に遊んでいる姿は
誰をも笑顔にしてくれました
元気いっぱいのおちびは
どこにいてもAさんの姿を見つけると
少しヨタヨタしながらも
一生懸命に走っていきました
足にじゃれつき、お腹に登りついて
いつもくっついていた姿
自分を産んでくれたお母さんの代わりに
命を救い、大切に育て
慈しんでくれた人のそばで
おちびは大きくなりました
そして…
先週の土曜日
大好きな司令塔Aさんの手から
おちびは巣立ちました
実は、この日が来ることは
Aさんがおちびの命を預かった日から
決まっていました
Aさんが守ってきた小さな命
一緒に過ごす時間が長くなればなるほど
離れがたくなる気持ち…
ミルクから離乳食の期間を終え
大人猫たちと同じように、ご飯を食べるようになり
どんどん大きくなっていくおちび
その姿に目を細めながらも
少し前からAさんは、とても寂しそうでした
おちびにとって、何がいちばんいいのか
どうすれば幸せなのか
どんな時でもAさんは
自分の気持ちだけを優先させることなく
考えていたのは、たったひとつ
それは、何よりも大切なこと…
おちびの未来が幸せであること…
この二ヶ月間、そんなAさんとおちびを
見つめ続けた里親さんは
その気持ちをしっかり理解していました
そして、すべての覚悟を決めて
ずっと待っていてくれました
おちびがやって来るのを心待ちにしていたのは
里親さんだけではありません
お家には、三匹の仲間たち
年上のお姉ちゃんとお兄ちゃん
そして、同い年の女の子
何となく似ている白黒ハチワレ、ターちゃん
少し前に、このお家にやってきました
初めて会った時
元気いっぱいのおちびは
ターちゃんに飛びかかっていったそうです
ちょっぴり怖がりさんなのは
いちばん上のお姉ちゃん、ネネちゃん
おちびとの初対面
ネネちゃん、驚いてちょっぴり威嚇
負けじとおちびも威嚇
ネネちゃんは、怖がって逃げてしまったそうです
きっと少しずつ時間が経てば
ネネちゃんとも仲良しになれるでしょう
そして、おちびのお兄ちゃんになったのは…
私、タキシードの宝物
もうすぐ三歳を迎える愛息子、ココ
Aさんが、おちびの幸せを願い
未来を託したのは
私の家族、私の仲間たちを救ってくれた恩人
武朝さんご家族だったのです
こうして、おちびは
ターちゃんと一緒に
ネネちゃん、ココの妹になりました
新しい名前は、チーちゃん
4匹の名前を家族になった順番に
一文字ずつならべると…
ネ・コ・タ・チ
奥さんと子供さんたちが考えてくださったそうです
1匹ずつの命はこんなに尊くて
みんな一生懸命に生きようとしています
そして、その命を救い
幸せな未来を歩ませたいと願う人がいます
しかし、どんなに頑張っても
救いきれない命がある
目の前にある、悲しい現実…
だからこそ人は
その現実から目をそらしていては
いけないのではないでしょうか
今、自分の手の中にある命が
どうあるべきなのかを
まずは自分なりに考えてほしい…
何が最善の方法なのかを考えながら
1匹1匹がしっかりと生きていけるように
覚悟を決めて臨んでほしい…
そして、そこから
どうすれば現実を変えることができるのか
自分は何ができるのかを考えて
行動することができれば…
きっと、この現実は
いつか必ず変わるはずです
「中之島公園猫対策協議会HP」 web@nakanoshima-cats.com
「中之島公園の猫たち」 nekomat@nifmail.jp
おちびの巣立つ日が決まったあと、Aさんはとても寂しそうでした。
「きっと幸せになれる…」「武朝さんならだいじょうぶ…」
そう何度も繰り返して気丈に振る舞っていたAさんの気持ちが
秘書たちには痛いほどわかったそうです。
司令塔Aさんとおちびの二ヶ月間に
温かい励ましと応援をいただき、本当にありがとうございました
これからは武朝さんご家族の末っ子、チーちゃんとして
幸せな未来を歩いていきます
和歌山から子猫の里親さん募集中
くすさんの保護猫小夏ちゃんにも良いご縁が訪れたそうです
小夏ちゃん、くすさん、おめでとうございます
皆さん、ご協力ありがとうございました
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