読むと、スカッとする本
多忙な日々が過ぎて、少し時間ができたので、久しぶりに仕事に関係しない本を図書館で借りて読みました。大好きな作家・中村うさぎのエッセイです。読むと、スカッとします。中村うさぎは、最近、TVによく出ているマツコ・デラックスを輝かせた人としても有名ですよね。そのマツコ・デラックスのことば「人生、迷子」を引き合いに出しているのですが、このことばにはどんぴしゃりと、私もはまりました。説明が必要かと思うので、その個所を少し引用します。「明日、自分の人生に何が起きるのか、予想もつかない。明日の自分が今日の私と同じ人間かどうかも、正直、自信がない。価値観が引っくり返るような出来事があって、すっかり世界観が変わってしまえば、今日の私とは別人になっているかもしれないのだ。」「四十半ばの私は確かに物書きであるが、ちっとも安定していないからである。経済的にも安定していないのはもちろんだが、それより何より、物書き業界における自分の居場所が見つからない。いや、見つからないと言うより、居場所はあるのに、その居場所にリアリティが感じられない、といった状況なのだ。これまた、厄介な迷子になっちまったものである。」「もしも、この問題に答えが見つかっても、五十代の私はまた新たな迷子になってるんだろうなぁ……やっぱり私のテーマは「生涯、迷子」なのかもね。今週48歳になります。自分は何者なのか(と気恥ずかしくも)を、最近、時間に少し余裕ができたものだから、そんなことを考えていたときに、このエッセイに当たりました。「人生、迷子」「生涯、迷子」。そう考えられると、もやもやした気持ちが少し落ち着きそうです。女はかくもままならぬ価格:1,470円(税込、送料別)(注)本書は、女の業(欲)をテーマにしたもので、人間論、人生論を正面から語った本ではありません。でも、私は、中村うさぎのエッセイにはすべて、人間観、人生観を感じてしまいます。