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カテゴリ:
「宮尾本 平家物語」 宮尾登美子著
全4巻
現在上2巻、青龍之巻、白虎之巻まで読了。

前回日本に帰った時に、母が嵌っていて、読後の2巻をもらった。
目が痛いとか、肩が痛いとか言って、苦しみながら読んでいた母をたしなめてもいたものが、今、目も肩も背中もエライことになりながら痛読中。

平家物語ってこういう話だったのか~
宮尾登美子ってやっぱりすごい。。
という感想。


平家物語といえば、中学、高校の古典でさわりを学ぶし、吉川英治の「新・平家物語」もパラ読みしたことはあるのだが、若いときは合戦シーンばかり好んで読んでいて、宮尾本上2巻を占める前半の平安末期のけだる~~~~い退廃的雰囲気が、なかなかに新鮮。
女性的といったら語弊があって、多分にして「女性誌」的。「~~法皇と~~~女御って×××なんだって!」「ええ~うそ~~!」みたいな。結構笑える。

2巻「御代替り」という章に、高倉上皇が腎虚という、房事過多のために体が衰弱する病にかかる、という件がある。これは、現代だったら児童ポルノ法でお縄は必死な色好みの乳母というのに、幼いころから手を出されてしまった挙句のこと。
こういう病気があるのか! と思ってびっくりした。
万世一系も楽じゃないよな~ と思った。
こんな恥ずかしいことが、1000年近くも脈々と語り継がれているのって、どうよ? という気もする。


貴族たちの使う言葉は、現代風に分かりやすく書かれているとはいえ、やっぱりとても典雅で惹かれる。
同じく2巻「冷泉殿の告白」に、「~~さま?冷泉お目もじ仕りましたかしら?」という台詞があるのだが、今この言葉が自己的流行。

お目もじ
仕り
ましたかしら?

うわ~すてき~~
と思って、ぜひぜひ自分でも使ってみたいと思っているのだが、いや~ないだろうなあ、お目もじも仕りも。


生涯の中で一番本を読んだ。という記憶があるのが、中学生のころで、これは冊数ではなくて、あの頃はどんなものでもなんでも読んでみた。名作といわれるものを、とにかく家にあるものから初めてなんでも読んだ。
ところが高校生くらいになると、今度は自分の趣味や好悪がはっきりしてきて、中学生のときよりは難しいものは読めるようになったといえども、選んで読むようになってしまった。それが大学から社会人になってからもしばらく続くのだが、宮尾登美子の作品なども、私にとっては「読めない」類の小説だった。
それが30代も後半になって、自分の好みが弱くなってきたというか、心が広くなってきたというか、また少し読める体勢が整ってきたように感じる。

とはいえ、手をだせていない作品もたくさんあるのだが。
宮尾登美子の作品が「読める」ようになったというのは、私にとっては、自分もちゃんと年が取れているという気分にさせられる出来事でもあったのだ。


お母さん、次の2巻を早く送ってね。





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Last updated  2009年06月25日 18時03分07秒
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