くりごと

お彼岸でもあるし気になっていた供養塔にあれ以来行ってない気の重さもあり

今日お花を買って掃除がてらお参りに行って来た。

供養塔とは例の六十六部供養塔の事である。



春というには風の冷たすぎる午後だったけど陽射しだけ以前よりも

少し力が篭りはじめているような気がする明るさが現れ出している。



以前私が水を供えた時のコップは何処へか持ち去られたのか捨てられたのか

辺りを見回しても何所にも見付からなかった。

先々週前を通った夫から聞いていたので今日は行きがけに湯呑み茶碗を買って行った。



花を供える穴が供養塔の基部の右側と左側にうがってあり

その間には線香を置く場所なのか船形に窪みが彫ってある。

まず花活けの穴の中を持参した割り箸で中に溜まった泥や枯葉を取り除いてみたけれど

あまり深い穴ではなく花の丈をうんと詰めないと立ちそうにないと思った。

ペットボトルから水を注ぎいれてみて驚いたのだけど

花活けの穴の中の真ん中付近に横穴があり、

先に説明した舟形の部分に水が流れ出てしまう構造になっているのだ。

新しくうがかれた穴ではなくこの供養塔基部が造られた当時からあった穴のように見える。

これでは花を活けるどころの水は溜まらないので困ってしまった。

結局船形の横広の溝様の部分に水を沢山溜めてそこに花を立てかけるように活けて来た。

湯呑みにもたっぷりと水を注いで。

（この水はペットボトルの水で富士山の水と書いてあったからきっと美味しかろう♪）



周りの雑草を抜いて掃除しようかと一瞬思ったのだけど止める事にした。

三方を壁に囲まれた小さな空間は西を向いて風が来ない暖かい陽だまりになっている。

そして石段の両脇に植えられた龍の髭の後ろや供養塔の後ろには

そんな春近い陽射しを浴びてささやかな雑草が花をつけようとしてたからである。

殆どの人から省みられなくなって何年が過ぎたのか解らないけれど

276年も前に建てられた塔の周りで四季は忘れずに繰り返し時を経て

ひっそりとその周りの小さなハコベの白い花やタンポポの黄色い明るい花や綿毛に

おそらく心静かに慰められてきたのではないかと私は解釈したのだ。

だから少し葉が伸びだしたタンポポを抜けなかったし

つぼみがついたハコベを引っこ抜く事が出来なかった。

（ハコベに花がついたら小鳥が食べに来るかもしれないし・・・）



私なりのやり方での供養塔前のゴミの集積場を何とかするという決心は変わらないのだけれど

私の行動ははなはだ遅く時間がどんどん過ぎてゆくのがとても申し訳ない気がする。

でも急ぐと自分自身で圧力を感じて勝手に自滅し易い性格であるから

276年以上も待っておられた供養塔にはもう少し我慢していただく事になると思う。



今日のようにお参りして一人相撲を取る姿勢の自分を考えてみると

ただの自己満足に過ぎないという事はよく見えていて理解している。

供養塔が何かしてくれと私に頼んだ訳でもそれによって何か私が得をする訳でもない。

でも放っておけないのよ！という自分の内から来る声に従って行動するだけなのだ。

それもこれもただの自己満足である。

人知れず良い人ぶりたいだけなのかもしれないけれど。

そうなの？良い人ぶりたいの？偉いねって言って貰いたいの？

違う、そんなのじゃなくて放っておけないだけなんだ・・・・という気持ちの直ぐ横から

ええかっこしいなだけの自己満足じゃないの？という囁きが聞こえてきそうで少し怖い。

何が怖いかって自分の気持ちの事だ。

目立ちたいとか良い人ぶりたいのじゃないのだけれど

一体これにどんな意味があるのか決めないといけないのだろうか？

自分自身が気分良くなりたいから？　それはただの偽善者だろうか？

自己満足の偽善者と書くと物凄くイヤァな人だよな私って。

供養塔にお参りするだけでも人は褒めてくれたり偉いなどと言ってくれたりする。

でも本当は誰にも見られないでやりたいのだ放っておけなかっただけなんだから！

あ、こんな場所に書くからそれが売名行為みたく偉そうな自分を作ってるのかな。

だんだん混乱状態になってきたかな、やめよ。

三人文殊さん、なんぜんたろうさん、助けて（＾＾；