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くりごと

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2007年09月07日
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カテゴリ:散策・紀行など


岡山駅を土讃線の南風13号宿毛行きに乗り13時52分に発車した。
四国を南北に横断する3両編成のディーゼル車で線路は単線である。
岡山を出ると今までが高架線路の新幹線だったので地面が急にとても近くなった。

線路脇すぐにある畦道や用水路には手でわし掴みに出来そうな近さでゴイサギなどが突っ立っていた。
ここでも田の稲は見事に実り稲穂の垂れた田んぼでは案山子などを置いて雀を追い払う工夫がされている。
空に舞うカラスを見た時に記憶の中のカラスと違うものを感じたのだが、よく見るとどうも地元で普通よく見るカラスよりもずっと小柄なのに気がついた。
嘴もずっと細いところから、おそらくハシボソカラスなのだと思う。
関西ではまだ都会のようにハシブトガラスに勢力を渡してはいないのだろうか。
それとも住む地域が田畑と街中との違いで棲み分けられているのかもしれない。
とにかく小柄ですらっとしていて身軽に見えるカラスだと思った。

関西方面に入ってからずっと感じていたのは土の色の違いである。
東京は関東ローム層だからなのか土の色が黒っぽく焦げ茶色っぽい。
比べて関西に入ってからは火山によって形成された土地とは違うのか、土の色がずっと白茶けた色に思えた。
この日は残暑が厳しい時期だったのでどちらの土も乾いて埃っぽかったのだけど、関西の土の方が更に暑さを感じさせる色に見えた。



岡山より香川県多度津までの路線を瀬戸大橋線と言うらしく、土讃線とは多度津より始まると書いてある。(南風号は多度津は停車しなかったが、)
それはさておき大橋手前最後の駅が児島駅である。
駅の先にある小山の向こうに既に瀬戸大橋の上の部分が見えている。
この辺りで夫の文庫本を取り上げカメラを強制的に出させて急かし瀬戸大橋上からの写真が撮れるか試して貰う事にした。

瀬戸大橋は: 瀬戸内海を跨いで本州(岡山県倉敷市)と四国(香川県坂出市)を結ぶ本州四国連絡橋の一つで、着工から9年6ヶ月を経て1988年4月10日に開通した。人工衛星写真でも確認できるほど大きい・・・と書いてあった。

今回の旅の楽しみの一つがこの橋を渡る事でもあるので私にとっての興奮の極地第一回目であった。


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ガラス窓越しに走る列車内から橋桁という障害物に邪魔されながら綺麗な写真を撮るなんて無理だ、夫は嘆いていた。


シャッターを押す度に橋桁が目前に来るしディーゼル車は揺れるしで満足の行く物が撮れなかったのは事実である。
実際はもっと天気も良く景色は色鮮やかだったのである・・・残念!

しかし期待していた以上に瀬戸内海の景色は楽しめた。
橋下の水は思ったよりもずっと激しく流れていて驚いたし、こんもりと緑の帽子を被ったような児島が数え切れない位点在するのも実際に見て嬉しかった。

こんなに沢山の島があり海流が複雑に時間を変えて流れていたら、昔から操船の技術が上がるのは当たり前なのかもしれない。
塩飽辺りの水夫達が腕を見込まれて大きな船に雇われ日本中を行き来した往時が偲ばれる。


瀬戸大橋の四国側はまず巨大なコンビナートから始まった。
乾いて白茶けた土とコンビナートと緑の山や児島に瀬戸の海の色。
不思議なコントラストを描いて、いよいよ四国初上陸の期待に膨らむ私の胸を刺激してくれた。
向こう側に見えてきた四国はまるで大陸の如く大きく広く、後ろに連なる大きな山々の西日に煙ったような姿は何所までも深く続いて行くようで圧倒された。



丸亀駅からはちょっと離れて白亜の丸亀城が高い石垣の上に見えた。
高さ60mという日本一高い石垣と400年の歴史ある天守閣をのこしている元京極家が藩主を勤めた土地である。


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この写真を撮るのも非常に苦労した、というのもお城に気付いてカメラを用意した時には駅で見えず、その後も電柱や建物の陰になりなかなかちゃんと見えるスポットが無かったのだ。



時々水を溜めた池が見える田園地帯を走り四国に入ってから極端に増えた御殿造り風の入母屋造り(入母屋造りの屋根の先端が少し上向きに反っていて御殿造りのように見える)の家々に見とれていた。

屋根は黒い瓦で葺かれていて、重なり合う波のような屋根が豪華で雅な雰囲気を出している。
家屋はL字などに曲がらず直線の建物で、その重厚な屋根が乗ると正に富裕の象徴の如くに見える。

そして特徴的なのは入母屋の屋根にある白い漆喰壁の破風部分の丁度三角形の底辺になる位置に鮮やかな青い板が張られて白で模様が入っている家が沢山あった事だ。
同じような屋根は高知県にも徳島県でも結構見たけれど、この青い飾り板がついた破風は通って来た香川県のこの地域でしか見られなかった。
これがこの地方独特の建て方なのか詳しい事は調べようがないのが悔しい。
どなたかご存知なら是非教えていただきたい。



善通寺駅には「弘法大師誕生の地」の看板があった。
もうここは四国なのだ、お大師様と同行二人のお遍路さん達の辿る土地なのだ。



次の琴平駅からは山側の中腹に大きな屋根の金比羅さんが見えた。
一度はここへ立ち寄ろうかとも考えたけど膝に自信が無い為諦めた場所、見える限り首を伸ばして反対側の窓から眺めて見たが石段までは確認出来ず残念に思った。



ここを出るといよいよ四国山地に分け入るように線路が伸びている。
さっき遠くに眺めた深く大きな山々に抱かれるように期待を投げかけた時、南風号は長い猪ノ鼻トンネルに突然入り車内の電灯が急に明るく感じられた。



-続く-







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最終更新日  2007年09月07日 17時37分55秒
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