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カテゴリ:文化・伝統
さて初釜のお料理ですが、これは茶事を初釜の祝い膳として同時に行ったそうで、初釜と茶事という懐石の食事は本来は別のものだそうです。 母はお弟子さん達が色々な経験が一度に出来るだろうと同時に行う事にしているのだと言っていました。 一番初めに出すのがこのお盆。 向こう付けに鯛の酢の物、手前に海老芋に和からしを落とした味噌汁仕立て、これは初釜に付き物です。 それと一文字物相ご飯。 次にしんじょの椀物、下には紅白に大根と人参の薄切りと小さいお餅も入っています。 焼き物皿は、付け焼きにした鰤、笹の葉を敷いて。 それから出した物は単なる手伝いの私には順番があまり良く解っていないので、続けて載せてしまおうっと・・・ 二股になった松葉に刺した黒豆と、一結びした柳の枝に刺した鶉の卵とキュウリとなると、田作りに数の子を乗せた羽子板皿。 甘く煮た菊花きんかんと、松葉に乗せた鶴の形の蒲鉾。 扇形塗盆に人数分(土曜日は5人、日曜日は7人)を乗せたもの。 羽ばたく鶴の形の皿に、稲穂をカラッと揚げた香ばしい一品。 絵馬の塗盆に煮凝り、アサリの煮付け、芋茎を添えたきんぴら。 それぞれのお料理と一緒にお燗した日本酒も添えられていました。 あられ湯と柿なますと香の物。 八寸には伊勢海老と百合根、揚げ稲穂を添えて。 床には柳の枝を飾るのが初釜の決まりです。 右端の方は足を痛めていたので椅子に座っていたのです。 御料理屋さんや仕出し屋さんに頼んだ場合より遥かに素朴にはなりますが、家でやる初釜ではまず工夫する事が一番大切なのかもしれません。 庭から葉蘭や笹の葉を摘んで洗ったり、柳の小枝を結んでものを刺したり、銀杏松葉を作ったりが私の手伝える範囲のお仕事です あとは次から次へと戻って来る器の洗い物係ね 茶事が終わってからお客の方々は一旦待合へ去り、その間に床の間の掛け軸は茶花に変わります。 飾ってあるのは三番叟に使われる鈴と玩具のぶりぶりを模した土器の飾り。 高麗卓の初釜飾りとお祝い用に朱塗りの炉縁を使っているそうです。 待合から藁草履を履いて一同は寄付きへ出て、室内からの銅鑼の大中小の音の合図を待ちます。 音の大きさを聞き分ける間待ちます。 合図があってから一人ずつ蹲(つくばい)で手や口を漱いで清めます。 そして順番ににじり口より入室して、これより漸く初釜の茶会となり、お濃茶とお薄をいただきます。 その後何やら籤引きのようなお楽しみがあって、それぞれに景品が出るのですが、母はこういった事が大好きな為、一年中あれこれ考えて集めて貯めているようです 私は茶道を習っておりませんが、日本の文化を創り上げる一翼を担って来たこの世界は大好きです。 香港から戻る度、ただぼんやりとお茶室に座っていたり庭を眺めていたりするだけで、心からホッとして落ち着けたものでした。 西洋化されている生活の中で、やはり日本人の血は濃く流れているのだと嬉しく感じています。 炉開きや初釜などお茶事の準備や後片付けの忙しさに巻き込まれながら、老いて来た母が心打ち込む事がある幸せを感じています。 何もなかったら母の事ですから、娘に「更に」激しく煩くて堪らなかったと思いますもの それでも年々体が動かなくなって来て、以前は一人で殆ど全部やっていた母も、良いお弟子さん達に援けられて今年も初釜を終える事が出来ました。 傍観している立場の私でも彼女達の手助けや気働きにとてもありがたいと感謝しています。 親からずっと受けて来た影響は色々とありますが、私はまた私であって母や姉とは別人格です 同じ道を歩く事は出来ませんが、一歩引いた地点から楽しませて貰おうかと考えています お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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