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2005/06/28
カテゴリ：現代詩ー愛
ちいさな男の子が
叱られている 公園 ぶらんこ なぜ できないの ぶらんこ ぐらい できなくて どうすんのさ ちいさな男の子 追い詰められて 公園で 母に 追い詰められて いる なぜ できないの ふと 公園のぶらんこには 男の子より もうすこしおおきな 女の子が 活発に 乗っている ぶらんこ 追い詰められて 公園の 隅に 追い詰められて フェンスの脇で 母が 声を張り上げている ぼくは 泣きべそを掻いている 公園で ぼくは こころに 深い 傷を負った ぼくは 自信を失い 死にたくなった ぶらんこ できない 男じゃ ない 母は 相変わらず ぼくを 責め立てる ぼくの所為じゃないんだ こころが 叫ぶ ぼくの 所為じゃ ないんだ 母は ぼくを 責め立てる 責める 責める 母の気持ちは 良かれと思っているかもしれない もっと 成長して 欲しい もっと 強くなって 欲しい 良かれと 思って いるんだろう 責める 責める 責め立てる ああ ぼくは ひとりに なりたい ひとりに させて 欲しいんだ ぶらんこ できない ぶらんこ こわい できない こわい でも ぼくの 所為じゃ ないんだ できない こわい ひとりに させて お願いだから ひとりで 考えたいんだ ぼくは ぶらんこ できない できないのは たぶん きっと もっとなにか あるんだ できない だからダメなんじゃなく ぼくは 望まれて 生まれて 来たんでしょう？ おかあさん！ ぼくは きっと 望まれて 生まれて 来たんだよ おかあさん！ ぼくは 少女のように 刺繍をするのかもしれない 少女のように ぼくは 感じやすく 少女のように 花を愛することが できるかもしれないじゃないか おかあさん！ ぼくは そんなあなたを 受け容れます おかあさん！ でも 公園で ぼくは 死にたくなった おかあさん！ ぼくは 男の子だけれど おかあさんの思うようには ならないんだ ぼくの所為じゃないんだ おかあさん ぼくは 死にたくなったんだ ぼくは 望まれて 生まれてきたんだよね おかあさん！ ぼくは 愛されているんだよね そうだよね おかあさん！ そうだよね おかあさん おかあさん おかあさん 望まれて ぼくは 生まれて 来たんだよね 公園の 隅で ちいさな男の子は 追い詰められて そのちいさな ちいさな こころを 大きくえぐりとられて 胸を抱え はーはーと 息を した 大きくえぐりとられ 苦しかった 眉間に傷のような 皺がより 死を 思った ぼくの所為じゃないんだ ぼくは 望まれて 生まれて 来たんだよね そうだよね おかあさん ちいさな 男の子が ちいさな声で 訴えている おかあさん 興奮して 聴こえないのかもしれない おかあさん 興奮して 聴こえないのかもしれない 望まれて 生まれて 来たんだよ ぼくは お気に入りの記事を「いいね！」で応援しよう
Last updated
2005/06/28 05:53:00 AM
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