ネオテニーワールド

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• がんばれよ

  天気が悪いから環境が悪いからあなたが悪いからなどと自分ではどうしようもできないことの所為にしていないか自分が悪いわけじゃないほんとうにそうかただ責任の転嫁をしているだけなんじゃないだろうか天気が悪いじゃどうすればいいんだ環境が悪いじゃどうすればいいんだあなたが悪いじゃどうすればいいんだぼくにとって都合が悪いけれど天気にとってはどうなんだろうそれは自然なありのままの姿とりわけぼくに悪意を持っているわけじゃないんだむしろぼくが悪意を懐いているだから天気の所為にする天気が悪いと同様に環境にとってはどうなんだろう環境もぼくに悪意を懐いているわけじゃないんだむしろぼくが悪意を懐いているだから環境の所為にする環境が悪いと所為にする同様にあなたにとってはどうなんだろうあなたもぼくに悪意を懐いているわけじゃないんだむしろぼくが悪意を懐いているだからあなたの所為にするあなたが悪いと所為にするそうじゃないんだぼくは絶対じゃないんだ絶対正しいだからあなたが間違っているそう思っていないかあなたが聴いてくれないって文句言う前にあなたの思いを真剣に聴いたのかぼくよあなたのことをどれだけ思いやったのかぼくよあなたを支えようとしたことがあったかぼくよ真剣に本心から支えようってあなたのことを思ったことがあったかぼくよあなたが悪いそう言いたいそれは誰でもできるんだなんの犠牲を払うこともなくなんの考えもなくできるんだあなたの所為にすることなんて簡単な卑賤なことなんだあなたの所為にしちゃダメだぼくよぼくはちゃんとあなたを受け入れそうしてちゃんとあなたのことを知ろうとしたのか聴こうとしたのかちゃんと愛情を捧げようとしたのかちゃんとちゃんとねきっと絶対うまくいくはずだよちゃんとちゃんとしていればねぼくよぼくは正しいかもしれないいや正しいよきっとねきっと正しいはずなんだそれを否定することなんてないんだでもねあなたの所為にした瞬間からぼくは大きな罪を負うんだ正しいことならばなぜちゃんと伝えないんだなぜ伝えないかいや聴く耳を持っていないんだそう思いがちだけどそう思った瞬間にぼくは傲慢なやつになる傲慢なんだぼくはその瞬間からねさてあなたもきっと正しいんだそうでしょうだからその正しさをぼくは心底から納得しなきゃいけない納得するためにぼくはあなたのこと聴かなきゃいけないんだなにがなんでも聴かなきゃいけないんだそうだろう聴けよぼくよまずはあなたのことをちゃんと理解しろよあなたをちゃんと理解してあなたの正しさをしっかりと受け取れよぼくよそうやってみないかぼくよそうやってぼくは意識を変えるんだぼくは別のぼくになるんだそうやってぼくはさらに愛を実行するんだそうじゃないかぼくよ愛すべきぼくよがんばれよぼくよめげるなぼくよがんばれよほんとうにがんばれよ

  2005/05/20

• そのことに気づけ！

  あれはなんだったんだろう興奮して早朝から目がさえテンションが高まったままひっきりなしにしゃべりつづけ馬鹿なことと思われるのも厭わずしゃべりつづけあれはなんだったんだろうこんなにムチャクチャ燃えたことなかったんだ仕事に燃えたことなかったんだ偉そうなひとに食ってかかるほど燃えたことなかったんだ非効率性に腹が立ったことなかったんだでもそれで良かったんだろうかぼくは傲慢だったんじゃないだろうかあれはなんだったんだろうかいざ実行レベルになってきたら思惑のひずみがぼろぼろ出てきている権力あるひとは更に強固だひずみを理解しないむしろ自分が正しいという視点から一歩も引こうとしない話を聴かない聴こうとしないむしろ強引に自分でやっちゃう自分でやっちゃってそうして勝手なことするなというなんて我がままぼくは間違っているかもしれないそれを忘れたくないまるでぼくを見ているようだ傲慢だそしてぼくはモチベーションを失いそしてぼくは恨みを持ち始めるますます解体へ向かうバラバラになる閉ざされるこころが閉ざされるいろいろな思惑が錯綜する謀略が練られる声が出なくなり蚊のようなおどおどが支配する蚊のような鳴き声で不安が跋扈するそうやって解体へ向かうぼくはほんとうに正しいんだろうか常に忘れないように謙虚にいようそれがたぶん最良の導きなんだろうぼくはほんとうにこれでいいのかほんとうにこれでいいのかエゴじゃないのかぼくの思いや行いエゴじゃないだろうねほんとうに周りのひとびとを気遣っているかほんとうにそれがたぶんぼくに課せられたほんとうに大事なことなんだろうあれはなんだったんだろうそう思うことにしたぼくはぼくを限りなく透明にするんだぼくじゃなくぼくの身近にいるあなたがほんとうに求めているものそのことに気づけ！ぼくよ！あなたがほんとうに求めているのはなんなんだそのことに気づけ！ぼくよ！

  2005/05/19

• 目が内側に

  目が内側に向かっているから自分のことはよくわかるかもしれないけれど周りについてはもしかすれば盲目かもしれないんだ目が内側に向かっているから周りの所為にはしないけれど周りに原因があることだってあるんだときどき目を向けてみればきっと違う風景があるかもしれないきっともっと発見することがあるかもしれないときどき周りに目を向けてみればああなあーんだっていうこともあるかもしれないんだ目を内側に向けていても自分の所為だなんて思い込むな自分の内側でなにが起こっちゃったのか冷静になって見てみればああなあーんだっていうこともあるかもしれないんだときどき目を外してみたらいいんだ自分を見つめるその目を外してみたらいいんだ動かしてみる内側に固定された目をぐるりと反転させてみるんだそうして外しちゃえ外した目を外側につけてみるんだそこから自分はどう見えるか見てみるといいああなあーんだっていうこともあるかもしれないんだ

  2005/05/16

• 外すんじゃねえよ

  たとえ真実のことばであってもいやむしろ真実のことばだからこそ受け取られないときってあるんだ受け取られないときそれはどういうことなのか質問されたことはめったにない学ぶ姿勢で過ごしているって少ないんだたぶんややこしくなるのが面倒で関わらないでおこうと思っているんだろうかそれでなんの面白みがあるんだろう関わらないでおこうという人生なんの面白みがあるんだろうぼくは逸る気持ちを抑えきれずその喜びを吐露したいんだ共感してもらいたくて吐露したいんだそれを受け取れないあなたはあなた自身のことで精一杯なんだ腹が立ってきたんだぼくがあんまり浮かれているものだから意地悪したくなったんだそれで意味のない穴掘りあなたは命じたんだぼくに意味のない穴掘り作業を命じたんだぼくが引き金を引いたかもしれないけれどあなたがあなた自身のことしか考えられずぼくの喜びを受け取れなかったことの影響は戦争になったんだぼくとあなた戦争したおまえなんかいなくなれおまえなんかいなくていいんだなんだとおれを外すのか外すんじゃねえよ仲間はずれにするのかようふざけんじゃねよおれをいれて話せよ聴けよそしてもっと見ろよ外すんじゃねえよふざけんなよ外すなよ関わるよおれはしつこくしつこく関わるよあんたが聴くまであんたが受け取るまでしつこくしつこく関わるよおれは関わるよおれは外すんじゃねえよ

  2005/05/15

• ああわくわく

  ああわくわくわくわくわくわくわくわくこんなにおもしろいんだお役に立てているっていうことこんなにおもしろいんだ目覚めが早くなった早くなって起きてきょうの予定を考えるまでもなくあれをしようこれをこうしようあの人に合おうこの人と合おうすぐに出発しようスーツ着てネクタイ締めてビシッと決めてすぐに出発するんだ楽しみだああわくわくああわくわくこんなにもおもしろいなんてもっと早く気づけばよかったああわくわくわくわく

  2005/05/14

• いちばんだいじなこと

  いちばんだいじなことは明るくにこやかにしているっていうことなんだいちばんだいじなことむりせずに明るくにこやかだということなんだいつもどんなかおしているのか自分じゃわからない自分じゃわからないけどいまのそのかおずいぶんいかめしいよそれじゃまわりを傷つけていることだってあるかもしれないっていうこと気がついていないだろう傷つけているかもしれないよそのかおがねずいぶんいかめしいよそしてなぜか目をそらす失礼かもしれないよ目を合わせないつまりは無視をしているどんなにまわりを傷つけているのか計り知れないよいちばんだいじなことは明るくにこやかにしているっていうことなんだ

  2005/05/13

• やってくれちゃったじゃないの

  やってくれちゃったじゃないのぼくはうれしいよあなたがぼくを信じてそうしてやってくれちゃったじゃないのはじめあなたは訳わからず逃げていたんだそれはわかるよねあなたは訳わからずそうして逃げ出していたんだそりゃ怖いからね逃げ出したくなるのも無理ないと思うさけどね逃げ腰のあなたってあんまり魅力的じゃないんだよねだからさ理屈なんか考えなくていい考えなくていいからやりますって言ってみろよそれだけさいのちかけてやってみせますって言ってみろよとぼくはあなたにお願いしたんだやってくれちゃったじゃないのぼくはうれしいよあなたがぼくを信じてそうしてやってくれちゃったじゃないのゴチャゴチャ言わないで言い切ってくれたじゃないのそうだよその勇気が必要だったんだやってくれちゃったじゃないの

  2005/05/11

• ぼくの続きを行う

  ありがとうぼくはこの肉体にまた戻ることができたようだ肉体に特別な痛みはなさそうだ身体を触ってみるうん大丈夫だぼくという記憶もある続きを行うことができるさあきょうもぼくの続きを行うことができるんだありがとうぼくはこの肉体にまた戻ることができたようだ幸せだ肉体を得たことできっと幸せなんだぼくは喜んでいるきょうも続きを行うことができるんだあなたに出会えたこのご縁の続きを行うことができるんだぼくは幸せだありがとうこの感謝の気持ちがぼくのすべてなんだ目覚めたこと目覚めて肉体を授かったこと授かった肉体がまだ丈夫なこと痛くないことそうしてぼくという続きを行うことができるということあなたとのご縁があるということ仕事があるということぼくのなかに情熱が燃えている変化自在流転するいのちぼくという殻を破る打ち破る燃えているんだぼくは革命戦士いのちあらためるたたかいのリーダーなんだ燃えているきょうも続きを行おうあなたとあなたとそしてあなたとありがとうぼくはこの肉体にまた戻ることができたようだ幸せだ

  2005/05/10

• おでんの仕込みに

  自己意識が芽生えて人類は堕落し始めたんだ同時に救済が行われたぼくは2階でおでんを仕込んでいる1階と2階を何度も何度も行ったり来たりだんだん手すりも黒ずんできた何度も何度も行ったり来たりおでんの仕込みのことしか考えていない行ったり来たり崩れそうになったネタは廃棄してつゆはできるだけ透明感を保ちつつ行ったり来たりおでんの仕込をしているんだぼくは余計なことは考えないおでんに集中しているんだ階段の手すりは木でできている馴染んできた何度も何度も行ったり来たりぼくの手に馴染んできた黒ずんできた階段の手すりそこを掴むとぼくは2階へ上がるんだおでんの仕込みに集中しまた階下のあなたに発信し階下からの呼びかけに呼応してぼくはまた手すりを使って階下に下りるあなたの仕込んだおでんのなかで更にぼくが選択し2階へ運ぶ階段の手すりを使って1階から2階へおでんを運ぶ繰り返し繰り返し1階と2階を行ったり来たり手すりはずいぶん黒ずんできたそういう人生もあるかもしれない父や母の時代にはそういう人生だったかもしれないぼくはなんとなく感づいたんだ自己意識が芽生えて人類は堕落し始めたんだ父はいつもにこやかに頑丈なほどにこやかに日々の生活を送っているだろうまた母はいつもわくわくと期待に溢れて日々の生活を送っているだろう救済はいらないんだ黒ずんだてすりがそこにあるから救済が必要なのは堕落したからだ余計なことは考えず行ったり来たりおでんの仕込みに集中している

  2005/05/09

• 裸足で駆け出せばいいじゃないか

  すべて段取りよく手際よく進んでいくだろうぼくは仲間に声をかけ彼らはその場所にもう向かっている彼らが寄り道さえしなければうまくやれるはずなんだと想像したぼくは広い校庭のしかもそのずっと先の校舎の2階で先程から四苦八苦玄関先で靴がない右足の靴はあったけれど左足の靴がどうしてもないんだ女物の左足の靴がある履いてみるどうもでかすぎる履き潰されたカジュアルシューズもある履いてみたすっきりしないそれにしても誰がぼくの左足の靴を履いていったのだろうぼくの左足の靴と先程の女物の右足の靴ではどう考えてもバランスが悪いぼくに同じ気持ちを味わえっていうことなんだろうかｘｘｘがまた失敗をやらかしたぞそんなうわさが耳に入る誰もが失敗を喜んでいるｘｘｘがまた失敗をやらかしたぞと喜んでいるああ下劣な世界だしかし肝心のぼくはまだ出発できないでいる校舎の2階から真昼間の眩しい校庭が見える玄関でぼくは左足に合う靴を捜しているぼくの仲間はもうすでに準備体制に入っているんだろうぼくだけが玄関で四苦八苦しているｘｘｘがまた失敗をやらかしたぞぼくも喜んでいた下劣なヤツだすべて段取りよく手際よく進んでいくだろうと思っていたんだ下劣なヤツだ靴を選んでいるこれなら盗んでも文句言われないだろうなんて考えながら選んでいるんだぼくはなぜ裸足で駆け出していく勇気を持たないんだろう靴なんか履くな片っ方しかないんなら捨ててしまえよ飛び出せその2階から思い切って飛び出せよ玄関で悪知恵を働かしおまえは一生を台無しにするつもりか捨てちまえよ裸足で駆け抜けることができるじゃないか四苦八苦なんかしてるなよ四苦八苦なんか捨てちまえ他人の失敗を喜ぶなそんなものになんの価値もないじゃないかなんの価値もないじゃないか悪知恵を働かすなむしろ堂々と裸足で駆け出せばいいじゃないかおまえよむしろ堂々とおまえよほんらいのぼくよ裸足で駆け出せばいいじゃないか

  2005/05/08

• 更に深層部へ

  携帯から父の話が途切れなく続いている膨大な観念の塊みたいな話が途切れなく続いているぼくの内なる思考に観念の塊が流れ込んでいる父の話なんだということがわからなくなってきていた膨大な観念の塊が思考に流れ込んできている母や妹も来てくれている場が安定していない会社のロビーだったはずなのに仕事の提案をしているうちいきなりそこは大学の図書館に変わった学習している人々観念の塊がぼくの脳髄に滲みこんできてそれは父の話す声だったと後から気づく父の姿は見えなかった母や妹が来てくれている携帯から父の話が途切れなく続いている観念の塊がぼくの脳髄に滲みこんできている父の姿が見えた女物の着物を着て煙草を右手で吹かしながら女中とともに旅館の中を紛れて消えたぼくの脳髄に滲みこんだ観念が更に深層部へ入り込もうとしている寡黙な父が饒舌になってぼくの脳髄に流れ込んでいるんだぼくの脳髄に更に深層部へ

  2005/05/07

• ちゃんと関わる

  ぼくはいきることしぬことに拘るちゃんといきるちゃんとしぬってどういうことなのか拘る思うんだけどぼくはじぶんのことだけ考えていたいきているっていえないんじゃないかないきているってどういうことなんだろう考えてみたいきているってつまりひととちゃんと関わっているっていうことじゃないかなちゃんとひとと関わっているっていうことそういう状態のこというんじゃないかなケンカしているか仲良くしているかちゃんと関わっているよねちゃんとちゃんと関わっているよねしぬっていうこと関わりが断たれるっていうことなんじゃないだろうかぼくはいずれはしぬんだ怖いけれどしぬんだいつかは壊れる急に壊れることもあるそんなとき誰かがぼくを失って悲しむぼくは悲しまない当人は悲しまないんだしぬ直前までが怖いんだだから普段考えないようにして過ごすでもぼくは考えるしぬっていうこと考える怖いけれど考える怖いからじゃどうしたらいいか考えるそうするとしぬこと受け容れようと思ってくるそう思ってくるんだしぬこと受け容れるんだったらじゃいつごろがいいのか決めてみるそこにむかっていちにちいちにち過ごすことになるそこにむかっていちいちいちにち過ごすはめになるぼくは気づくはたと気づくんだいきることに気づくんだいきるってそういうことなんだと気づくんだだからぼくはいきているっていえる関わりたいんだいつもいつもいちにちいちにち誰かとどこでも関わりたいんだちゃんと関わりたいんだいつもいつもちゃんと関わりたいんだ

  2005/05/06

• 走る逃げる

  追いかけてくる子供たちがぼくを連れ戻そうとぼくは走るこの生まれた場所から遠く離れるためぼくは走るぼくは走るが速く走られない筋肉が思うように動かないのろまなんだ子供たちに追いつかれそうになるああ追いつかれそうになるぼくは路上の石を拾った拾って投げた子供たちに投げつけた子供たちは避けようともしない石は当たらない投げても投げつけても石は当たらないぼくはまた走るのろまなぼくだ走っても走っても追いつかれそうになるこの生まれた場所から遠く離れるために走る走る駅に向かってこの町の人々を信じることができないんだあの追いかけてくる子供たちもお使いなんだお使いとして追いかけてくるあとでご褒美が待っているタクシーも拾えないタクシーの運転手ももしかするとお使いを頼まれた可能性があるからだだから駅に向かって走っている列車の時刻は正確だその正確さのなかにぼくは逃げ込みたいんだ列車は出発の時刻がくれば無表情に出発するそのシステムに悪意が関わる可能性は少ないそもそもぼくは生まれた家を飛び出したんだ一目散に飛び出したんだガラス戸に体当たりして最後のドアも蹴破って命がけで逃げ出したんだ生まれたときに存在していた古い家をぼくは18歳だった高校時代の悪友がぼくを連れ戻そうと同窓会を開くんだ悪意があってぼくをぼくの生まれた家に連れ戻そうとしているんだ破壊された家にその家に纏わる伝説は謎に包まれているなぜ好奇心が湧かなかったんだろうなぜ恐れているんだろうぼくは帰ろうとしていたんだそうして途中の乗換駅でぼくはおかしくなったんだ帰ろう帰りたいそう思っていたんだけれど途中の乗換駅で幾層にも階段が上り下り迷路のように乗換駅をあちらこちら帰ろう帰りたいそう思っていたんだけれど高校時代の悪友が現れてぼくに悪意を持っているぼくは父や母のいない破壊されたぼくの生まれた家にいる悪意を持った悪友が占拠しているみたいなんだ同窓会を開こうとして占拠しているみたいなんだ父はいない母もいない占拠しているみたいなんだぼくはそこから逃げる必死になって逃げるんだぼくの居る場所なんかじゃないんだここはぼくの居る場所なんかじゃないんだとにかくぼくは生まれた場所から逃げる逃げる決して帰ることはないだろう逃げる逃げる

  2005/05/05

• 惹かれないわけがないじゃないか

  さりげなく別れたあなたからメッセージが届いた会いたい興味があるんだ会いたいいろいろ話を聴きたいんだああぼくは応えようすぐにでも会いたいぼくはあなたを知りたいんだあなたはぼくのどんなところに惹きつけられたのかぼくは知りたいんだあなたはぼくからなにを受け取ろうとしているのか知りたいんだ会いたい会うことによってぼくはぼくを知ることになる会うことによってぼくはあなたに惹かれるんだ惹かれるんだ最初に声をかけてくれたんだぼくにとって最高のプレゼントぼくはあなたに惹かれないわけがないじゃないか

  2005/05/04

• 唐突かもしれないけれど

  唐突かもしれないけれどそれはやってくるだから備えておくんだ唐突かもしれないけれど唐突にやってくるのがそれなんだまるでパソコンにほんの少し水がかかりあっというまにショートして一切の起動力を失ってしまうようにそれは唐突にやってくるものなんだ備えておこういましたいこといまでなければできなくなるんだ備えておこうあっというまにショートしてしまうかもしれないから母に電話したおかあさん元気？母の声を聴く聴き取るんだ母の声はいつもぼくを安心させてくれるんだ母の声それがいつもぼくを安心させてくれるんだなぜだかわからないなぜだかわからないけれどぼくを安心させてくれるんだ母はぼくが電話すれば自動人形のようにしゃべりだすその声を聴く内容よりもその声がぼくを安心させるんだ母がぼくをどう思っているのか計り知れないピンクのベールでぼくを包み込んでいるああぼくは母に支えられ母はぼくに支えられているんだろうかピンクのベールでぼくは包み込まれているんだ唐突かもしれないけれどそれはやってくる備えておくんだいつでも来いよいつ来てもいいぜぼくは母に電話したおかあさん元気？

  2005/05/03

• 気分を変えて

  気分を変える気分を変えるからぼくは新しく生まれる気分を変えてチェンジして新たな出会いに期待する気分を変える気分を変えるんだ気分を変えるからぼくは生まれてはじめてあなたに出会える過去は幻想過去は失われた消去されたデータのようにもう二度と取り返しはつかないんだ取り返すことはできないんだしかし創り出すことはできるいまから創り出せばいいんだ創り出すことは可能なんだ脳を働かす脳に記憶されたデータは完全に再現することはかなりたいへんだしかし創り出すことは簡単だ手間を惜しむな過去を惜しむな脳も変化している機械と違うんだだから正確に過去を再現することは不可能といってもいいんだ変化した脳が新たに創り出すんだ過去を捨てる基本的にそういうことなんだ過去は失われる脳にはそういう機能があるんだ過去を惜しむな新たに創り出せばいいじゃないか概念や関係性は残っているじゃあないかあきらめろ壊れたものはもう取り戻せないんだあきらめろいやむしろいいチャンスじゃあないか不要なものを捨てることができたんだからいいチャンスじゃないかさてここで手間を惜しむな脳を使うんだ創造するんだそれが人生だよ新たに創り上げるんだそれが人生だよ過去を惜しむな手間を惜しむな脳は変化し続けているんだただあなたやぼくの存在の関係性が変化に伴って存在し続けているだけなんだだから思い切って存在を投げ出せばいいんだ気分を変えてそう気分を変えて存在を投げ出せばいいんだ

  2005/05/02

• あなたのすべての湧き上がる感情を

  まず感情が動き出しことばを発したい衝動がぼくを駆り立てるまず感情が起こっているそのことに気づくそれは喜びや怒り悲しみや憂鬱ことばを発したい衝動がぼくを駆り立てる駆り立てるあなたに向かってぼくを駆り立てるんだそれを行動という行動には様々なレベルや形態があるぼくがあなたを見たそのことがあるいは行動になっているのかもしれないたった一言でもいい声を出せばそれは行動かもしれないまず感情が動き出しことばを発したい衝動がぼくを駆り立てる荒野ではないんだ行動の目的はあなたに会うためなんだそうあなたに会いたいんだ会うということぼくにとって特別な意味があるんだ会うということことばを発したいぼくの衝動が原因だその奥に感情がある喜びも悲しみもある怒りや憂鬱もあるぼくのすべての湧き上がる感情！受け取ってくれるあなたを求めているぼくのすべての湧き上がる感情！あなたに受け取って欲しいんだぼくは代わりにあなたのすべての湧き上がる感情を受け容れよう！受け容れよう！ぼくはあなたのすべての湧き上がる感情を受け容れよう！受け容れよう！ぼくはあなたのすべての湧き上がる感情を

  2005/05/01

• 調整

  スケジュールは調整するものなんだあたりまえだと口先で言わないで欲しい調整が人生そのものだと思わないか調整アジャストメント調整されなければそこに意思はない意図されたもののみが実現する意図されなかったものは実は幻影かもしれない高速道路を走っていて不可思議な感覚に達したトンネルに入っていくとスピードメーターが140キロになっている80キロとなんら変わらない感覚なんだけれどメーターはフルスピードを示しているぼく自身に一生懸命さはないんだけれどむしろリラックスしている他車をグングン抜き去っているぼく自身に一生懸命さはないんだけれどぼくがヤバイのか先程まで実は夢と現実の区別がつかなかったんだトランス状態に入っていたようなんだ寝ていたわけじゃないへんなんだ目の前を走っている黒っぽいワゴンが突然眼前に迫ってきた急ブレーキで避けようとしたが間に合わない衝突するだめだと思ったが幻想だった黒っぽいワゴンはずいぶん先にいっているそれにしてもリアリィティのある映像だった寝ていたわけじゃないんだなんだかぼくの感覚が制御しきれなくなったような想像が細部までリアルに描けちゃったりかと思うと頑張らなくてもスピードが出たりぼくの感覚が拡大しているのかな調整が必要スケジュールをいじくりまわして調整が必要なんだトンネルに入ったらぼくの感覚は拡大してしまう危険を察知する感覚が拡大して実際に起こったような体感をぼくにもたらすようになるスピードを出すという感覚が増強されて難なくスピードが出てしまっているブレーキを踏んだそれらの実感によってぼくはブレーキを踏んだ調整したんだアジャストメントしたんだぼくの人生のように高速道路の運転がぼくそのものになったんだぼくそのものの走り方快適だスピードは難なく出せる危険も体感済み車間距離はたっぷりととるスピードは難なく出せる余裕があるトランス状態で体感できることがわかった危険そうしてぼくは安全に運転する人生のように意図されたもののみが実現する意図されなかったものは実は幻影かもしれないその幻影も研ぎ澄まされた感覚によってリアリィティが出てくる詩の世界はそういうことだと思う意図することによって実現するそういう世界なんだと思うスケジュールを調整するそのことによってのみぼくの人生は意図されるそのことが重要なんだスケジュールが詰まっているか詰まっていないかたいへんかたいへんじゃないか忙しいか忙しくないかなんてどれもたいしたことじゃないんだたいしたことなんかじゃないんだこれっぽっちもたいしたことなんかじゃないんだ調整がすべての始まりぼくの人生の始まり調整アジャストメント意図されたもののみが実現するんだ

  2005/04/30

• 幕末の風が吹いている

  腹黒いんじゃないのだから切腹できないんだよと龍馬は言った腹黒いんじゃないのあんた汚いんじゃないのあんただから切腹できないんだよと龍馬は言った切腹できるかいつも問われているんだいつもいつも切腹できるんかいないつでも短刀を懐に入れているんだ切腹してやるぜよいつでもなと龍馬は言ったはらわた出してもへとも思わないはらわた出してもぼくはへとも思わない思わないいつでも切腹してやるぜよ龍馬は言ったぼくのなかの龍馬切腹してやるぜよいつでもな腹黒いんじゃないのあんた

  2005/04/29

• ザマーミロ

  とっても重要なことに気づいたどんなにその時々で愛情たっぷり物分り良くても貫かなければすぐにバレルすると裏切られた気がしてくるもう信用しないもう信用しないしもう二度とあなたに腹を割った話なんかしないあなたは気がついていないかもしれないがあなたは近寄りがたくなる近寄りがたくなればなるほどあなたに真実は伝わらないんだ伝わらない真実が伝わらないどうやったって伝わらないんだ腹立たしい腹立たしいけど伝わらないあなたはますます自己に撞着するあなたはおかしい見ていておかしいちょっとズレている相手にならぬ相手にならぬがあなたに権力が残されている権力？ほんとうか権力か？あなたは孤独だあなたはあなた自身正しいそう思っている思わざるを得ない生きる意味がなくなるからだ腹立たしい腹立たしいけどやりばがないこの腹立たしさのやりばがないんだそれで働くことになるあなたは勘違いするそうか俺のやり方が良かったんだ権力者にはわからないきっときっとわからない俺のやり方が良かったんだそう思いこんでいる限りわからない権力者には永遠にザマーミロ絶対の地平でぼくはザマーミロと舌を出す出すんだ舌を権力者の馬鹿さかげんにねザマーミロ

  2005/04/28

• すきになってきたぞ

  すきになってきたぞいよいよぼくはあなたのことがすきになってきたぞこれはすてきだなあなたを怖がっていたけれどすきになってきたぞいよいよぼくは本領を発揮できそうだぼくは本領を発揮できそうだすきになってきたぞあなたのことがとてもいいやつに思えてきたぞすきになってきたぞいよいよぼくはちゃんとしてくるちゃんとしてくるぞすきになってきたぞあなたのことがわかったんだそうなんだあなたがわかったんだすきになってきたぞいいやつなんだあなたはそう思えてきたんだそう思えてくるとぼくは本領を発揮できるんだぼくの本領を発揮できるんだすきになってきたぞとうとうぼくはあなたのことがすきになってきたぞ

  2005/04/27

• 即興なんだから

  なんでだようなんでもっと真剣にぼくとあなたの窓を開けないんだようなんでだようなんでなんだようもっともっと開けようよ開け放とうよなんでなんだようなんでもっと見ようとしないんだよう見ようとしないんだよういまを変えたくないいまのこの情況を変えたくないなにがどうあれ変えたくない変えたくないなにがどうあれいまがキモチイイキモチイイから変えたくないんだなんでだようなんでもっと真剣にぼくとあなたの窓を開けようとしないんだよう開けてみろや開けてみれば発見があるかもしれないじゃないかぼくとあなたでしかこの窓は開かないんだよう開かないんだよう即興なんだぼくがあなたにあなたがぼくにこうやって関わっていこうとしているのは即興なんだ演奏をやめるなよ頼むから演奏をやめるなよぼくがあなたにあなたがぼくにこうやって関わっていこうとしているのは台本のない即興なんだから投げ出すなよ投げ出すなよこれがぼくとあなたの意味のある行為なんだから即興なんだから

  2005/04/26

• そういう回路

  ことばを発しない発することができないってどういうことなんだろう無言で無表情なんだどういうことなんだろう信用できないよね無言で無表情なんだから信用できないよねことばに詰まるそれはことばがないからだことばがないということは意識すらしていなかった意識する回路を持たなかったということなんだろうか考えても考えても出てくるわけなんかないんだ考えても考えてもないんだものもともとそういう回路がないんだもの無言で無表情そんなあなたをぼくはどうしてあげることができるのだろう回路を持つか持たないかそれを他人の所為にするわけにはいかないんだ無言で無表情ぼくはそうなっていたことがあったあなたにぐっと証拠を見せつけられたんだそれまでぼくはぼくなりにこれでいいこれで正しいなんの疑問も持たなかったんだあなたにぐっと証拠を見せつけられるまではどんなに口先で綺麗事並べても並べ立てても一生懸命な姿はすぐに伝わる一生懸命でない姿はすぐわかる眠くなる意識が遠退いている親身じゃない一緒になっていかないすぐにわかるんだ職業の所為にするな性格の所為にするな忙しさの所為にするなすぐにわかるんだ騙されない騙そうとしたってすぐにわかるんだだからぼくはもうやめた綺麗事はもうやめたんだぼくはなにをすればいいのか綺麗事はもうやめたんだいまこの場で自殺しても誰も気づかない誰も気にしないそんなぼくに与えられた使命はたったひとりでもいい他人のあなたを褒めてあげたい他人のあなたを励ましてあげたいたったひとりでもぼくはそれだけで結構生きていくことができる自殺しても誰も気にしないなんにもならないたったひとりでも褒めてあげよう励ましてあげようそれだけでぼくは充分生きることができるんだことばを発することってそういうことなんじゃないだろうか褒めたい励ましたいそういうことなんじゃないだろうかまずはそういうことなんじゃないだろうか無表情で無関心無言で無表情他人事嘗てぼくがそうであったようにいまあなたがそうなっていることばを持たないあなたをあなたのどこをどう褒めどう励ましたらいいんだろうかあなたの無表情がとってもお似合いですわとでも言ったらいいんだろうかあなたの無言がとっても荘厳ですわとでも言ったらいいんだろうか生きる喜びについてあなたは嘗てのぼくとおなじように真剣に考え真剣に気づいていないんじゃないだろうか生きる喜びについてもっと真面目に生きろほんとうに真面目に生きろ自分の気持ち良さだけでもう数十年も生きてきてしまった膨大な時間が費やされ膨大な愛が失われ膨大な喜びが失われそうして気づかずに自殺なんかするなよ

  2005/04/23

• あと数年だな

  あと数年だなポツリと言った象のようにやさしい皺が目の周りにたくさんできていたあと数年だなぼくの隣であなたはほっとしたんだろうかあと数年だなたくさんの思いがあるんだろうなそのことばの重みを感じたあと数年だな生んだ育てた子供が成長してそうして自立するんだあと数年だな子が大きくなっていく大きくなって離れていくまでそれまでのあと数年だな我慢して我慢して抑えて抑えてあと数年だな親として重責なんだどんなバッシングにも耐えてきたあと数年だなそうすればぼくは爆発するぞ爆発する活火山に変貌して溜まりに溜まったマグマ噴出するんだ爆発するぞ爆発するぞあと数年であと数年なんだぼくは言いたいことを言い大人しくなんかしていないぼくは言いたいことを言いそうしてそうして爆発するぞいままでの溜まりに溜まったこのマグマただじゃ済まないからなただじゃ済まさないからね爆発するぞ爆発するぞあと数年でぼくは爆発するぞそんなあなたのいままでの何十年が積み重なってぼくに乗り移ったあなたのパッションがぼくに乗り移ったんだ振り返るとあなたはまた象のように大人しく目の周りにやさしい皺をたくさんつけてぼくに笑いかけていたいやありがとうすっきりしたよ

  2005/04/20

• 親子だから

  親子だから気を使うんだほんとうにこの子のためになると思っているからレール敷いたわたしは間違っていないけれどまたレールを敷く嵌めになっていないか気を使うこの子がわたしに気を使って決定するんじゃないかそれが心配なんだ親のために意思決定しないように自覚を促す気を使うんだ親としてはわたしは間違ってはいないんだしかしあなたは変わるレール敷いたときからあなたはどれほど変化してそうしてどれほど大人になったのかあなたは変化しているはずだからもうレールはいらないのかもしれないレールはもういらないのかもしれないでもまたレール敷こうとしている親として免れないんだ他人じゃないんだから免れないんだレール敷くあなたのためにわたしがレール敷くわたしは決して間違ってはいないレール敷くだからわたしは決定しないあなたがほんとうに決定するまでわたしは決めないジッとして待とうあなたがあなた自身であなたの目であなたの足で手探りで盲目のまま四苦八苦して考え抜いて考え抜いて悩んで悩んでそうして失敗してもきっときっと許せるようになるくらいわたしがあなたを信じているんだからそうなるんだからきっとそうなるんだからわたしは待とうあなたが決定するまでわたしは待とう待っている

  2005/04/19

• 他人

  他人ってどういうことなんだろう他人の反対って自分？それでは身内ってなに？他人と自分と身内切り離されているのが他人乗り移ろうかと思わなければなにを感じなにを考えているのかわからない切り離さないと病になっちゃうのが自分だからといって切り離すことは容易じゃない瞬間接着剤で張り合わせた板のように剥がすに剥がせない無理やり剥がそうとすればこれもまた病になるかもしれない切り離すことができないのが身内身の内側に在るということ自分と一体でありながらこれまた自分じゃない他人と自分と身内もしかするとぼくは他人に対してもがいているのじゃなく自分の内側で身内ともがいているのだろうか他人は神の目だ他人によってもしかするとぼくは救われる他人と自分と身内自分が他人に乗り移るすると他人が自分になるいままでの自分が他人に見える自分と他人が入れ替わるしかし身内まで届かない入れ替わった他人の内側の身内まで届かないんだ身内ぼくから身内を取り除いたら自分のすべてがわかるわけではないんだぼくの内側に身内が在ってそうしてぼくはほんとうにぼくなんだろうかと時々思うそんなわけで他人に乗り移っただけで簡単に他人がわかるわけでもない他人と自分と身内他人ってどういうことなんだろうよそのひと躓いて怪我をして崖から転落して傷だらけになっても他人ぼくじゃないしぼくの身内でもない他人の痛みぼくの痛みじゃないしぼくの身内の痛みでもない神の目だもがいているもがいているぼくがぼくの身内がぼくの内側の身内がぼくと身内がぼくとぼくの内側の身内がもがいているもがいているもがいているもがいている神の目だ他人ぼくを切り離して他人ぼくとぼくの内側の身内を切り離して他人ぼくと身内を切り離して他人神の目だときどきぼくは他人になる死がいともたやすく手に入る

  2005/04/18

• 突然変異

  ぼくの生体が突然変異を来たしたんだ馴染みのクリーニング屋のご主人はぼくが入っていっても一度もぼくの目を見ることもなくカウンターを見たままレジを見たままそのまま作業が淡々と機械の様に処理されてぼくが話しかけても笑いもせずなにも交わされずそうしてあなたとは口なんかもう利きたくないんだと言わんばかりぼくがいつこのご主人に悪いことしたんだろう思いつかないぼくの生体が突然変異を来たしたんだなんだかイライラする鏡を見たぼくの目には冷たい氷が張っているぼくの唇は声を出すと奇妙に歪んで蔑んでいるぼくが声を発すると可聴範囲を超えた鋭い音がするみたいだ会う人会う人ぼくを避けようとするんだあるいは会う人会う人ぼくを憎しみの対象にするんだぼくの生体が突然変異を来たしたんだこの世に存在する理由がぼくには無くなってしまったんだろうか人々が発することばをぼくは受けつけないまるでアレルギー症状のように受けつけないんだ感動することがなくなった涙が出ない驚きがないうれしさもないそして共感がないただイライラしてやり過ごす息が臭いんだそう言い訳して人々に会うことをやめ話すことをやめ見ることをやめたぼくの生体が突然変異を来たしたんだ全身に発疹ができ痒くなり熱く火照りだしたんだイライラする風景がぼくに敵意を懐いている冷たい霙がぼくの頬を突き刺す冷たい雨がぼくの足元をグショグショに濡らす悪意を懐いて子供たちがぼくに石を投げつけるレストランで食事をしようと席についてもウエイトレスは永久にやって来ない電車に乗ろうとすればもう最終は行ってしまったタクシーに乗車拒否されふと財布の中を覗いたらお札がもう1枚しか残っていないぼくの生体が突然変異を来たしたんだそう思うことにしょうぼくには愛された記憶があるその記憶がぼくを留めさせるんだ桜の花のいのちのおもみ見られることのない山里の神社の境内に数百年来枝を広げてきた桜の木ぼくにはじめて出合ってあなたは満開の花の下にぼくを迎え入れ愛してくれたまた馴染みのあのお店のご主人はぼくを見るとうれしそうに話しかけてくれたあるとき道に迷っていたら見知らぬあなたに声をかけられた決定的な場面であなたはぼくをフォローしてくれたぼくは愛されていたんだ愛されて愛されてそうしてぼくは成長してきたんだぼくの生体が突然変異を来たしたんだそう思うことにしょう世の中きっといいことだらけなんだきっといつかまたきっとぼくは愛されるんだそう思うことにしよう

  2005/04/17

• ぼくは太鼓

  打てば響く太鼓なんだぼくは打てば響くはずなんだぼくは打たずに放っておくなよ太鼓なんだぼくは打てば響くその響き聴こえるこころの奥底から聴こえるドンドンドンドン鳴っているぼくのこころの奥底から鳴っているぼくは謙虚じゃないぼくは大人しくないぼくは黙っていられないぼくは宣言しちまった絶対に成功して見せるぞそう宣言しちまった隣人の制止も聞かず宣言しちまったんだ絶対に成功して見せてやるそう言ったんだぼくは言い切ってしまうとなんだかもやもやがすっかりと晴れてすっきりとしちゃった太鼓の皮が張り詰めているビンビンに張り詰めてきた響くぞいまに響いてそうしてそうしてみんなの前で音を鳴らすんだドンドンドンドン鳴らすんだあなたに向かってぼくは宣言したんだあなたに向かってあなたは力強く頷いておおいにやりなさいその調子その調子いいぞいいぞおおいにやりなさいそうおっしゃってぼくの気持ちを見透かした見透かしてくれたんだ打てば響く太鼓なんだぼくはいまは張り詰めてあなたの愛情がぼくの全身に滲み渡っていくみたいだビンビンに張り詰めたぼくの全身の皮に太鼓が響きだす太鼓がドンドンドンドン響きだすんだ打てば響く太鼓なんだ打てよ太鼓なんだ打てよ今すぐに打てよ打てよぼくの身体をぼくに向かって打てよ打ちつけてくれよぼくは太鼓なんだから打てば響く太鼓なんだから

  2005/04/16

• ペーパーとペーパーが

  あなたが刷り込まれている一枚のペーパーとぼくが刷り込まれている別のペーパーが触れ合うのって奇跡に近いよあなたの刷り込まれている一枚のペーパーをぼくが知ることができるほんの一瞬の間ぼくのペーパーとあなたのペーパーがほんの少し重なり合ってそこが入り口たとえそれが恋じゃなくてもそこが入り口あなたが刷り込まれているペーパーとぼくが刷り込まれているペーパーが触れ合う一瞬たとえそれが恋じゃなくてもぼくはそこから入ってあなたのペーパーの上でぼくは登場人物になるんだあなたが刷り込まれている一枚のペーパーのその上でぼくは登場するんだぼくの影響をあなたは被り確実にあなたはぼくを無視できない同様にぼくのペーパーの上にあなたが登場しあなたの影響をぼくはあなたの想像を遥かに超えて被っているんだ遥かに超えて被っているんだ

  2005/04/13

• 愛しい

  壊れるまったくもってぼくのなかに壊れる訳があって壊れるんだ他人の所為になんかできないんだ壊れるいまも壊れ続けているだからぼくは平気平気さいつ動かなくなっても突然壊れる動かない！でも平気さ壊れても平気さぼくは壊れ続けているから責任は回避しないそうぼくは壊れ続けているから責任は回避しないそういうぼくに文句言う他人はいないそういうぼくになにかを言うことなんてできないんだつまりはぼくは責任は回避しないということ壊れるいつかきっとこのままじゃ壊れる壊れ続ける壊れ続けているんだぼくはぼくの肉体という生体はきっと動かなくなる静止するどんなに地球が回り続けていてもどんなに街が発展しようとも壊れるぼくは轢死した猫のように腹を割られ真っ赤な内臓物を路上に散乱させカラスにつつかれもうにんげんの形すら失い肉屋の店頭に飾るほどの清潔感もなくただズタボロになって土にも同化できずアスファルトの真ん中で時々車に轢かれたりしている誰も片付けてはくれないそんな風にしてぼくは壊れる壊れ続けているんだだから年に一回ただの数日真っ黒な枝にしっとりとした艶めかしいピンクの花びらをこれでもかこれでもかと咲き誇る桜に愛を感じたしっとりと抱かれたぼくは生まれたての赤ん坊になって満開の桜のピンクの母体に抱かれて生まれた感動を強い衝動を持って叫んだんだああぼくはこの生がたまらなくああぼくはこの生が壊れ続けても壊れ続けても愛しいいま桜の木の下で壊れてもこのいまがあるから責任を取れるこのぼくの生きている責任をああ愛しい桜の木の下でズタボロになって壊れてもぼくは愛しいこのいまの生が愛しい壊れ続けるこのぼくの肉体が愛しい

  2005/04/12

• シャワーが

  数十年ぶりにとある山村に迷い込みぼくは経過した時間を取り戻したみたいだ中学校の校庭があるんだろう迷い込んだ道の右側に崖が続きその上から満開の桜が母の腕の中のように覆いかぶさりしっとりとしたその素肌を晒している晒しているぼくは経過した時間を取り戻したみたいだ母の腕の中で温かく包まれ桃色に染まった空気をぼくは吸い込むああシャワーだ生きることそれはシャワーだ浴びること腕の中で浴びても浴びても臨界点に達しないシャワーだ満開の桜の木の下でぼくはエロスを感じたそして同時に死を思ったぼくが幼児のまま柔らかな素肌を晒して冷たくなって置き去りにされている誰も通りかかることのない山村だからぼくはそのまま冷たくなって肉体が動かなくなる壊れたおもちゃの人形のように満開の桜の木の下で置き去りにされているプラスチックの口元の両サイドに笑うために作られた縦の亀裂があるその口元に風で散った桜の花びらがひとひら落ちたそしてまたひとひらまたひとひら落ちたもう取り戻すことのできない時間が圧倒的に押し寄せてきたんだ満開の桜の木の下でエロスを感じ死を思って押し寄せてきたんだ圧倒的に押し寄せてきたんだシャワーがぼくに

  2005/04/11

• 桜の木の下で壊れていた

  満開の桜の木の下でぼくは愛されているから桜の木から愛のシャワーが降り注ぐんだ降り注ぐんだ花を愛でるあなたのこころがぼくにわかったんだあちこちに桜が満開になってぼくを癒してくれている桜の花が壊れかかったぼくのボディに愛のシャワーを降り注ぐ降り注ぐ壊れるぼくのボディに愛のシャワーが降り注ぐおもちゃなんだぼくのボディは壊れかかったおもちゃなんだ無心になって遊びます壊れかかっていようがいまいが無心になって遊び続けますぼくのボディを使い倒すまで無心になって遊びます桜が満開になって1年という時間が失われまた来年桜が咲いてそうしてまた1年失ってボディが壊れてぼくのボディが壊れるまで1年失いまた1年失い桜の満開のエロスがタナトスと交流したましいの交歓があってエロスは桜の開花とともにそのパワーを増加し増強しタナトスが憤怒し死の断片が桜の花びらとなって風に煽られはらはらと香りを放ちぼくの冷たくなった頬に落ちるひとひらひとひらぼくの頬に積もりぼくは花びらに埋もれていく死体になったぼくのボディは捨て去られた人形のように廃棄処理場の片隅で桜の木の下で満開の桜のエロスの香るその木の下でぼくは壊れた人形のボディになって桜の花びらの下に埋もれているまた1年が失われ子供はぼくを捨て次の人形に手を出した桜の木の下でぼくは愛のシャワーを浴びていまはボディが壊れてしまったぼくは壊れてしまいました壊れてしまいました桜が満開になってシャワーを降り注ぐその下でぼくは壊れていた

  2005/04/09

• フォーエバーヤング（リズミカルに）

  なぜ老人のような顔をしているんだろう不思議に思っていたんだあなたはぼくよりかなり若いのになぜ老人のような顔をしているんだろうあなたに尋ねてみたんだいつもどんなことを思って過ごしているのそう尋ねてみたんだあなたは答えに詰まったいきなり詰まってしまったまた別のこと尋ねたあなたは何のために生きているのそう尋ねたするとすぐにあなたは答えた子供のために生きているといい迷惑だよそんな声があなたのお子様から聞こえてきそうだいい迷惑だよあなたがあなた自身について混乱していれば混乱のカオスの海から入道雲が湧き出してきてあなたに舌を出すよアッカンベーとなぜ老人のような顔をしているんだろう不思議に思っていたんだあなたの肉体が精神を通り過ぎて老化してしまうのは精神が肉体を繋ぎ止めないからなんだ精神が繋ぎ止めないとあなたは老けていくアッカンベーと老けていく老けていく夕日が海に沈み暗黒が海と空を融合するあなたは老けていく精神が繋ぎ止めるんだ肉体の老化をいつもどんなことを思っているの空白空白若くあろうヤングヤングフォーエバーヤングどうしたいこうしたいああしたいやっちまいたいやったるでいつかやったるでーああしたいこうしたいしたいしたいああわくわくする毎日毎日わくわくわくわくぼくはぼくのために生きている誰のためでもなんでもないんだぼくは生きるんだ楽しいんだ楽しくて楽しくてぼくは一日たりとも疎かにせず楽しくて楽しくてそういうぼくがぼくはすてきだなって思うから楽しくて楽しくて生きているんだ生きているんだ楽しくて楽しくてフォーエバーヤング楽しくて楽しくて楽しくて楽しくてフォーエバーヤングなぜ老人のような顔をしているんだろう不思議に思っていたんだ

  2005/04/08

• ぼくは見た

  ぼくは見たそれを見続けた白い腹下腹部に残る黒い陰毛ぼくは見た動かないそのまま放置されている見た見続けたぼくは見ているこの見ているぼくは心臓が血液を送り出し送り出し続けまだ生体だまだ生体だがいつそれになるのかいずれはそれになるぼくは見た見続けた昨日怒っていた自噴していたあなたが自噴に耐えられず生体であることに耐えられずそれになったあなたの怒りは鎮まることもなくどこにいったのか収まりきらぬあなたの怒りはぼくが受け継ぐことになるかも知れずそれを見た見続けていた白い腹下腹部に残る黒い陰毛ぼくは見た動かないそのまま放置されているぼくの心臓は動き血液をどくどくと送り出しぼくの心臓は動いているついさっきまで気づかなかったけれどもぼくは生体だそしていつそれになるのか白い腹下腹部に残る黒い陰毛動かないそのまま放置されている青い鳥を追うのはやめた白い腹下腹部に残る黒い陰毛動かないそのまま放置されている青い鳥を追うのはやめた生体が生体を求め生体が生体を維持するぼくは生体なんだから心臓は動いているぼくは見たそれを

  2005/04/07

• 囚われていないか

  いまはどうなのかそれだけを見て感じて欲しいそれは切実にそうなんだ昨日までの見方や感じ方囚われていないかもっと素朴に見て感じて欲しいんだあなたは見ていない感じていない見ないし感じなくなっている囚われている奴隷のように過去の記憶に囚われている囚われたらそれは頑丈でちょっとやそっとでは壊すことができないあなたは正しくやってきているし正しいはずなんだしかしそれは過去のそれもただの一瞬の真実でしかなかったかもしれないじゃないかそれをいまだに信じ続けなくちゃいけないどうしてもいけないそういうあなたは囚われているんだ奴隷のように思い込むな引き込まれそうになるかもしれないけれど思い込むな危険だ落ちるよ囚われて奴隷になるよもっとアンテナ張ってもっといまを受信して欲しい突然腹立てて席を立ち行ってしまった打ち消してしまいたいほど腹立てていなくなってしまった思いが通らないからといって相手がいけないんだそう思っていないかいけない相手にあなたは限界を感じていないかあきらめていないかあなたは完璧にできているわけじゃないあなたはあまりにも完璧だ完璧であろうとする完璧であろうとするからあなたの容器は狭苦しいなおかつあなたは強引だ通そうとすればするほどあなたは傷を深めていく傷口が開いたまま血だらけになりながらそれでも完璧なんだ囚われるなでなければいのちを絶つことになるまずいまを生きろよ素直に生まれたての赤ん坊になっていまを見ろよいまを感じろよいまに生きることであなたもぼくも交流できるんだ交流している限りなんとかなるんだ交流している限りなんとかねできるんだ交流を止めるなそれはあなたの手で止めるな囚われるな過去に過去の記憶に経験に囚われて奴隷になるな思い込みは交流を止めあなたを孤独地獄へ突き落とすさあこの際忘れちまおう過去をきょうお会いするあなたはきょうのあなたできょう会いに行くぼくはきょうのぼくでだからお互いに好奇心いっぱいでだから会うのが楽しみでさてなにが起こるのやらきょうの最大関心事それはあなたとの出会いぼくの最大の関心事

  2005/04/05

• 肉体を失っても

  肉体を失ってからもぼくは仕事した同僚のことが気にかかる彼のためにテキストを読むだけの時間があった彼は自分で読むより読んでもらうことを望んだ仕事にならないんだ彼は気にかかる肉体を失ったからといって自由になるわけじゃないんだつまりは存在を繋ぎとめるためにぼくには気にかかることが必要なんだぼくは肉体を失った失ったけれど喫茶店にいって時間を潰す狭い喫茶店二階建てバスのようになっていて会計はわざわざ二階へいかなければならないんだ支払いを済まそうとお金を渡すのだがお店の人はもっと狭い厨房から出られずつり銭も小さな箱の中を手探りで探し出ししばらくしてから渡された肉体を失ってぼくはこんな狭い喫茶店で同僚のこと気にかけながらやっとのことでつり銭を受け取る瑣末なこと肉体を失ってそれでも気にかかるいや気にかかることがぼくのたましいを形づくっているんだろうか瑣末なことが積み重なってぼくができているのだろうか同僚のことが気にかかる狭い喫茶店店員の不自由な仕事が気にかかる瑣末なことだけでもしかするとぼくのたましいが形づくられているのだろうかイヤだといってもそれはぼくなんだからそれを認めなければいけないよイヤだといっても瑣末なことだからといってもそれはぼくなんだからいけないよ逃げてしまってはいけないよ読み聴かせなければ同僚はできないそんな同僚をぼくは気にかけながらきょうはどこまで読んでもらったのか同僚に聴く肉体があるから現実生活があるからそんな前提はぼくにはなかったんだたましいがそうしているんだたましいだからそうしているんだそう考えざるを得ない二階建てバスのような狭い喫茶店で時間を潰すたましいがそうしているんだたましいだからそうしているんだ店員の不自由な環境をたましいが気にしているんだ肉体を失ってぼくはたましいのままに気にしている瑣末なことを積み上げてきた結果ぼくはぼくになっている同僚のことが気にかかる読み聴かせが必要なんだみんなで彼のためにテキストを読んでいるそういう時間が設けられているぼくはそういう状態を知ってすこし安心する喫茶店の店員は厨房から出られずつり銭すら満足に取り出せず気にかかるぼくは肉体を失っているのにそのことはぼくを引き止めるぼくは自由を手に入れられるはずなんだけれど瑣末なことに惹かれてしまうんだたましいは瑣末なことに宿るつまりはそういうことなんだろうかぼくは肉体を失っているのに

  2005/04/04

• 地中海の

  ぼくは肉体を失って地中海のとある島に住んでいるのかもしれないご近所の住人はぼくのことに気づかず挨拶すら交わしたことがないこの島の街区はよく整備されているが人々に出会う機会はほとんどない唯一スーパーの店頭だけが賑わっている自転車でお年寄りが買い物に来るどういうわけか子供の姿を見たことがない朝早くには老女が街頭で魚を売っているいつも同じ分量だけを調理しいつも同じ時間に同じ場所で売っている時間の感覚を麻痺してしまうぼくは通り過ぎる老女から魚を買ったことはないきょう生まれたぼくという意識は知人や友人や家族を探す肉体が失われてしまったかもしれないぼくに知人や友人や家族は見つけにくいぼくは通り過ぎる地中海のとある島にぼくは住んでいるのかもしれない出会うことがないむしろぼくが見えないのかなぼくは老婆に声をかける耳が遠いのか首を傾げている手を耳の近くに持ってきて聴こうとしているぼくのこと見えるかいおばあさんぼく見えるかい一生懸命に耳を澄ます老婆にぼくは数時間かけてぼくの存在を知らせようとする風が少し起き老婆の頬を撫でた希薄化するまえにもう一度声をかけたおばあさん見えるかい聴こえるかいぼくのこと地中海のとある島でぼくは空気になりそうだ希薄化するまえにもう一度あらゆる力を振り絞ってぼくはおばあさんに声をかけたぼくのこと見えるかいぼくの声聴こえるかい地中海のとある島にぼくは住んでいる

  2005/04/03

• 揺り動かすよ

  何がうれしくて生きているんだろうぼくは生きていることを定義してみれば結局どういうつもりなんだということだつもりも何も漫然と目先のことを追いかけているそれが実態かもしれないうれしいかうれしくないかそれがぼくにとっての一大事だからぼくがいつも思っているのはどこでぼくを必要としているかだれがぼくを必要としているかどういうぼくがうれしいかどういう姿勢がうれしいかどうあったらうれしいかなにをすればうれしいかどうすればうれしいかぼくのうれしさを基準として生きるぼくのうれしさで修正するぼくは捨てることができるうれしくないことは捨てることができる欲張りじゃないんだぼくはあんまり欲張ってもぼくには役に立たないんだぼくはぼくを定義するぼくという強い衝動がぼくだ砂漠地帯じゃないんだぼくがいてそうしてあなたがいるだれもいないわけじゃないんだ強い衝動がぼくでありあなたを衝動が揺り動かすあなたは揺り動かされそうしてぼくを知るあなたは気づかないもう一度強い衝動を求めている気づかないあなたは求めているあなたは平然としていられない強い衝動があなたに起こる忽然として起こるんだだからぼくがあなたを揺り動かしたあなたはどういうつもりだったんだろうぼくは知らないけれどあなたは揺り動かされ現実に目覚め始めたよかったね手遅れにならなくてよかったねほんとうによかったね生まれてから一度も目覚めなかったひともいるただ息して歩いて買い物して礼儀正しくおっとりと歳を取っていくなにも起こらないあなたのなかになにも起こらずあなたは皺の中にうずもれていくんだろうなにも起こらず恋をしたか破綻したか愛したか愛されなかったか仕事したか失敗したか病気になったか生還したかでどうだった？なんか起こった？相変わらず自分が自分がと呟いているんかい相変わらずその自分がどうなっているのかさっぱりわからず呟いているんだろう自分が自分が正しいんだわかっているんだ正しいんだとあなたに強い衝動はないのかあなたは溺れかかっているように見えるもうどうしようもないくらいなんだぼくには感じ取れるんだけどどうやらあなたには全然感じ取れないみたいだぼくは強い衝動だあなたはぼくを赤の他人だと思っているかもしれないけれどぼくはあなたを強い衝動で揺り動かすよ揺り動かすよ

  2005/04/02

• ぼくは手帳を

  ぼくは手帳をいつも持って学校へいった学校ではいろいろなできごとが起こったぼくは感じたことをひとつひとつ丁寧に手帳に書いた感じたことはぼくにとって発見だった感じたことにウソはなかった感じたことがうれしかった感じたことを残したかった感じたことを伝えたかった母に伝えたいきなり帰るなり夕食の支度している母にぼくは伝えたきょうはこんなことがあったんだこんなことにぼくは驚きこんなことにぼくはうれしくなってそうしてそうしてぼくはこんなにこんなにわくわくしてるんだこんなにこんなにわくわくしてるんだ母に伝えた母は聴いてくれた台所に立っていた母は包丁を一旦置いてぼくの目線に目を合わせそうして聴いてくれたんだぼくの話を聴いてくれたんだじっとじっと耳を傾け聴いてくれたんだぼくは一気に喋った喋った母はじっと黙ってまずは聴いてくれたんだ母はけっして遮らなかった母はけっして批判しなかったぼくの感情をぼくの感情の動いた結果をしっかりとしっかりと受け取ってくれたんだぼくはそれだけで安心したそれだけが欲しかった聴いてくれたんだ母はぼくのすべてを

  2005/04/01

• ぼくの売り

  ぼくは妥協しないあなたがほんとうにあなたの核心を見つけるまでぼくは妥協しない妥協しないことがぼくの売りだかなりしつこいしつこいことがぼくの売りだ売りがあってよかった売るものが見つかってよかったぼくがどうやってこの売りを見つけたのかその方法を見せているそもそもあなたに見せているのはあなたもぼくのようにできるはずだと信じているんだ妥協しないしつこいこれは信じているからできることなんだあなたもできるしあなたにはあなたの売りがあるんだあなたの売り物にあなた自身が気づくまでぼくは決してあきらめないよぼくは信じているあなたはきっとできるはずなんだと信じているだから妥協しないだからしつこいこれがぼくの唯一の売り妥協しないしつこいあなたを信じつづけることについては

  2005/03/30

• うすいベールで

  いきなりベージュのステンカラーコートが近づいてきて至近距離顔と顔が危険なくらい近づいてあなたの唇に中年男の唇がやはり迫ってくっついたその間近で目撃したぼくはあなたが平気で笑っているのをずっと気にしているあなたの唇にどのくらい多くの男が中年男のヤニ臭い唇がくっついてきたのかそう思うと無性に不潔感が漂ったしかしあなたは美しく澄んだ顔で笑っているんだあなたには拒絶する理由がないあなたは受け容れるぼくがイヤだといってもあなたは受け容れるだろうあなたはとても凛々しく深夜の路上に立っているあなたはぼくといるがぼくのためにいるわけじゃないぼくはそんなあなたを修正する権限なんてあるわけじぁないそれでもなんて不潔なんだぼくはイヤだなんて不潔なんだしかしぼくが果たしてベージュのステンカラーコートではなかったと言えるだろうか汚い臭い息を吐く唇がぼくではないと言えるだろうかぼくだけがぼくの唇が不潔じゃないと誰が証明してくれるんだろうかぼくもその例外ではないんだきっとぼくだけ違うんだ病に罹っているきっとぼくは清潔なんだと思いこんでいるんだぼくはステンカラーコートかもしれないいきなり近づいてきて臭い息を吐き出しそうして唇を押しつけてくる自己満足の塊りみたいなヤツ不潔だいきなり近づく失礼な行為だまずあなたを称えあなたを敬いあなたの笑顔に癒されるそれが礼儀ぼくはたくさんの男に混じってあなたを称えあなたを敬いあなたの笑顔に癒されるそれに比べればぼくの満足なんて高が知れているんだぼくの満足を捨てよそれは自己満足といういうまでもないが往々にして不幸を呼び寄せるあなたを称えあなたを敬いあなたの笑顔に癒されるぼくはたくさんの男に混じって喜びを共有するんだたくさんの男に称えられたあなたをぼくは気持ちのうすいベールで包んでおきたい気持ちのうすいベールで包んでおきたい

  2005/03/29

• 緊急でなおかつ重要な

  ぼくはほんとうに大丈夫なんだろうか常に気にしたほうがいいぼく自身については真実かもしれないけれど解決策は全然検討違いかもしれないよほんとうに大丈夫なんだろうか再度チェックしたほうがいいぼくはあたまがいいなんて思っていないか他人の意見聴いているかほんとうかほんとうに聴いているかぼくはあたまがいいなんて思っていないかぼく自身のことぼく自身のなかで起こることこのことに正しいも間違いもないんだしかし解決したい問題に注視してみればぼくへの拘りがないほうがいいあたまがいいなんて思っていないかそうしてはじめて他人の意見に耳を傾けるそうしてはじめて問題がハッキリしてくるはずだ問題に問題そのものに注視せよほんとうに緊急性があるのかないのかほんとうに重要性があるのかないのか問題に問題そのものに注視せよ注視せよ大抵は会議は発表の場になっている本来討議の場であるはずなのに会議は発表になっているぼくのあたまがいいだろうにつき合わされそうして同意を求められるしかも有無を言わさず同意を求められる少しでも引っ掛かりがあってもそれを言わせない言えない我慢させちゃうぼくの自己満足のための会議は終わるしらーとなっていてもぼくは気がつかないでまだぼくは信じているぼくはあたまがいいんだと誰かが切り出さなければこれは堂々巡りする堂々巡りだ切り出せズバッと迫力を持って切り出せよちょっとでも変だなと思ったらそれはあなたが真剣に緊急でなおかつ重要な問題に注視し当事者として関わっているからだそれはあたりまえのことなんだしかしどうしてそれができないんだどうしてぼくのあたまがいいだろうに同調なんかするんだよあなたはわかっているんだ気がついているんだしかし切り込む勇気がでないでないじゃなく出さない他人事というんだそれをね他人事でいいんだろうかほんとうにあなたは他人事で済ましていいだろうかぼくのあたまがいい解決策をぶち壊してみろぼくの自己満足をぶちのめしてくれそうして解決策じゃなくほんとうに緊急で重要な問題はなにかぼくは気づかないできたんだついうっかりと罠に嵌るぼくはあたまがいいあたまのいいぼくのこれが解決策だそうしてそれで突っ走る誰も止められない突っ走る突っ走るあなたが止めない限り解決策が走り出し解決策が目的になる問題が置き去りでときどき髑髏のような顔を突き出すときどき髑髏のような顔が現れる問題は少しも共有されない当事者は誰も気づかない髑髏の顔が現れる発見のない会議しょうがない会議問題を見過ごしてしまう会議また髑髏の顔が現れる緊急でなおかつ重要な問題はなにかその真の姿を捕まえろ捕まえろぼくのことなんかじゃなく問題に注視せよそうして気づかせてくれよ問題がなんなのかぼくに気づかせてくれよ誰にとっても緊急でなおかつ重要な問題はどんな姿形をしているのか気づかせてくれよそうしてぼくが気づけばやっと解決策ができるんだやっとできるんだ誰にとっても緊急でなおかつ重要な問題がやっと解決の糸口を探し当てたんだ見つかったんだだからぼくの問題は真剣に誰にとってもその当事者になってハッキリとその姿を現しその姿に向かってぼくは行動を決めることができるほんとうの解決策が生まれしかもぼくひとりの考えじゃなくあなたやそのほか大勢の当事者になったひとびとの見守るなかで行動できるんだ見守るなかでほんとうの解決策が実行されるんだ問題が解決へ向けて実行されるんだ当事者の意識の見守るなかで

  2005/03/28

• しゅっしゅっぽっぽっ

  ぼくは競争に勝ってきたから競争が必要なんだぼくの生きる糧なんだ勝つということがぼくに必要なんだ勝つためには相手を握りつぶす勝つためには相手のこと考えない考えると勝てないから勝つために方法論に徹するぼくのアドレナリンが勝つことを求めるんだ早く早くと求めるんだやっつけろやっちまえと胸板を叩くんだ内側から叩くんだアドレナリンがぼくの胸板を叩くんだ死に向かって暴走するドブねずみのようにぼくの胸板を叩くんだだからぼくは勝つ勝つために相手の心情を犠牲にして相手の傷を抉り出し相手の人格をぶちのめし勝つためにぼくは手段を選ばないだからぼくは勝つ勝ってきたんだぼくの人生に勝利の美酒が欠かせないんだその酒に酔っているだからぼくはぼくの真実を見ることもない見ることもないし見ようともしないまた相手のことも負かしてしまえばもうどうでもいいんだ負けたやつは正しくないぼくは正義の権化だしぼくは正しい正しいから勝ってきたんだそうでないわけがないじゃないかぼくは正しいあなたは間違っている徹底的にこきおろすあなたは間違っているだから負けだぼくは正しいぼくは偉いあなたは間違っているあなたは偉くないそうやってそれはぼくを利用してきたぼくを使ってうまいこと果実を盗んだそうやってそれはぼくを踏み台にしているぼくはいつかゴミになるつまりは負けが続けばぼくはゴミになるんだボクサーのようにパンチドランカーになって人生の後半を不良少年になって過ごすんだ不良少年になってぼくは正しいそう思い続けしかし負ければ終わり飲み屋街で路上に置き去りのゴミ箱を蹴るなんかむしゃくしゃしてくる直らないこれは直らないアドレナリンが胸板を叩くおいもっとなんとかしろよおいもっと俺を喜ばせてくれよおいもっとぼくが火をつけはじめるのはそんなときだ自棄になって火を見たい火がぼくを癒し火がぼくのアドレナリンを満足させるもっと火をつけろもっと燃やせ燃やせ燃やせとうとうぼくは焼き尽くした飲み屋街一帯を焼き尽くしてそれでも火をつけたいぼくはもう壊れた機関車だ燃やせ燃やせもっと燃やせしゅっしゅっぽっぽっしゅっしゅっぽっぽっ壊れた機関車が暴走するしゅっしゅっぽっぽっしゅっしゅっぽっぽっ

  2005/03/26

• 詰め詰めしていると

  詰め詰めしているとちょっとしたことが許されなくなってきてキンチョーしますます詰め詰めになってくるいいことあんまりないお互いにゆとりを持たなくちゃねあそびっていいそこには振動する空間が与えられるからあそびっていい詰め詰めしているとちからのかけ具合さえおかしくなってきておかしいところへますます許されなくなってきてそうして原子炉のように臨界点に達しそうだ詰め詰めしていると失敗を許さなくなるんだそれがぼくやあなたの行動にセーブをかけもう個人的にも立ち行かなくなるんだそうなったらやめるしかない振動を許さないならばやめるしかないそうなるまえに許すことにしようよそうなるまえにできることをしないのとできないのとこれは全く違うんだできないのはできないのであってそれは許してあげようよほんとうにほんとうに許してあげようよだからねそこなんだわかっててしないのと違うんだわかっていないことに腹立てても仕方ないんだ仕方ないわかっていないことすら気づいていないかもしれないじゃないかそこをわかってあげようよわかってあげようよだからね叱るまえに腹立てるまえにあなた自身ぼく自身そこをちゃんと区別できているかい区別できてそうして叱るか許すかつまりは自分自身のこと見えているんだろうかっていうことさ見えているんだろうかぼくの姿あなたの姿ああ一時の興奮を冷ましてみよう論理的じゃないことにきっと気づくさ論理的じゃないんだ詰め詰めしているとちょっとしたことが許されなくなってきてキンチョーしますます詰め詰めになってくるいいことあんまりないお互いにゆとりを持たなくちゃねそうしてむしろお互いに失敗を歓迎したらいいんだ失敗を歓迎するんだよお互いにそうして励ましてやれよお互いにわかっていないことや気づかないことにほんとうは自分自身でわかっていないかもしれないじゃないか励ましてやれよ叱るまえに腹立てるまえに論理的じゃないよ

  2005/03/25

• 天使どうし

  天から降りてきたものだからぼくはなにも知らないただぼくはあなたに会うためにやってきたんだぼくはあなたに会えてとてもうれしいそのうれしい気持ちあなたに伝わっただろうかぼくはなにも知らないしあなたになにかを教えることもできないぼくはあなたに会うためにやってきたんだだからねぼくははだかなんだあなたが安心できるようにぼくはあなたにはだかで会うんだぼくの背中の羽はぼくのたましいの羽なんだはだかでたましいに羽が生えているんだ正直に言うとぼくはぼく自身のことを天使だなんて思っていないんだたぶんあなたもそうなんだろうけれどあなたに天使じゃない証拠があるだろうかあなたのたましいにも羽が生えているどこかで会ったはずなんだきっと宇宙のどこかであなたとぼくは会っていたはずなんだこんなにもわくわくしているなんてなんだか変だあなたがはだかになってぼくと手を繋ぐただそのためにぼくはあなたに会いにきた母体を通じてぼくは生誕し母体を通じて生誕したあなたに会うためにぼくは天から降りてきたなにも知らないなにも教えられないけれどあなたに会いにきたぼくはあなたと手を繋ぎあなたから伝えられたものを受け容れそうしてぼくはまたひとつたましいの容量を増やしたあなたはあなたでぼくと会ったこと手を繋いだことでたましいにぼくを付加したぼくもあなたももうすでに一体になりつつあるんだ手を繋いだことによって一体になってね天使どうしの触れ合いだからねはだかだからね羽があるからねあなたもね

  2005/03/24

• 誰もいないんだ

  暖かな南風が吹いてきて丘の上の草原は穏やかに土筆が生えてきて静かな生命生えてきて海もキラキラ輝いてしかし誰もいないんだぼくという意識がこだまして実は肉体も失ってぼくという意識がこだましてまわりに誰もいないんだぼくはだからことばがない声を出すことができない出すということすらおぼつかないつまりは肉体の記憶失ってロストワールドのようなそれでいて土筆が生えてきて静かな生命生えてきて明るいんだとても明るい世界なんだ明るすぎてぼくに影がないんだ肉体がどういうものなのかもう忘れてしまっているんだぼくという意識だけが明晰に生き残っちまったんだこんなことってあるものなんだぼくだけが生き残ったしかしかたちも影もないんだ暖かな南風が吹いてきて丘の上の草原は穏やかに土筆が生えてきて静かな生命生えてきて海もキラキラ輝いてしかし誰もいないんだぼくという意識以外は

  2005/03/23

• 天使だった

  5歳までぼくは天使だったぽっちゃりとした顔してあどけなく誰に対しても笑った小さな羽もあった5歳までぼくは天使だった学校へいくようになりおとなの勉強をしたおとなの勉強は足並みが大切だった足並みを乱した天使のぼくは悪魔になったいじけたもういいやと思うようになった形相が変わったその頃から羽は退化し肩甲骨だけが突起を残した悪魔のぼくはいじめられたぼくは悪にますます嵌ったそうしてぼくは他人の不幸を願うようになった他人が不幸になればなるほどぼくは充実してきた充実してぼくは悪の権化になった悪の権化としてぼくは日々を過ごすようになったぼくはひとからどう見られているんだろうかどんな人相しているんだろうかぼくはどんなヤツなんだろうかぼくが死ぬときはたぶん世界のひとびとが幸せになるそのときかもしれないなぼくが死ぬそのときは世界中が喜びの歌で満たされるだろうそうだろうそうなんだぼくが死ぬときは悪の権化が死ぬときはだからねぼくは死なない悪の権化は絶対に死なないんだでなけりゃ面白くないよぼくは死なない悪の権化だからねそんなぼくもときどきやりきれないときがあるこんな家業続けていたらやりきれなくなるときだってあるんだ5歳のぼくに戻りたいそう思うときだってあるんだでも5歳のぼくは戻ってもその後数ヶ月の命なんだそれはわかっている大抵悪の権化を目指していくんだしかし戻れるならば戻りたいたとえ数ヶ月の命に換えられるとしてもぼくは悪の家業にほとほと嫌気が差してきたんだたとえ数ヶ月の命に換えられようとも永遠に悪の家業を続けるよりはそりゃーいいさそのほうが5歳までぼくは天使だった

  2005/03/22

• 出番を待っている

  ぼくのなかに天使がいるとしたらかれはぼくをどう思っているんだろうもっと羽をのばせって言うかな妹のことや両親のこと甥たちのこともっと羽をのばせって言っているかもしれないなぼくのなかに天使がいるとしたらぼくはもっと自分を大切に扱わなくちゃいけないなウソはつくなこのことはぼく自身を大切にするための最低限の前提だウソはつくなとりわけ自分を騙すな天使がいるかもしれないんだだから着飾ることなんてないよそのままでいいんだ普段着でそれでいいんだ天使がいるかもしれないよだからさかれに発言の機会を与えてねだからさ天使に出番をつくってあげてね出番を待っているんだよきっとねいつもね

  2005/03/21

• 天使の仕事

  いきなり跳びかかってきてぼくの顔や手や指を舐めたり嗅いだりバタバタと周囲を行ったりきたりそれはもうたいへんな騒ぎでこんなに歓迎されればうれしくなってたのしくなってそんなあなたのなかには天使がいるんだあるいは冷たい北風が止んで暖かな南風がゆっくりと吹き始め太陽がぼくを照らすとき休日の何もしなくていい一日はぼくをとても穏やかな気持ちにしてくれる近くの山に出かけ深呼吸するときぼくは天使の存在を木々や空気に感じるぼくの身近にいつもいるんだ天使はいつもいるんだただそれに気づかないほど忙しかったり恐れていたりつまらない事に囚われていたりしているだけなんだろう天使はいるんだそれはもしかするとぼくの感受する能力のことかもしれない天使は他人を幸せにするそれが勤めなんだだから淡々と仕事をする天使のように仕事をするそこに拘りはない天使のように生きるそこにも拘りはないただそこにいるだけなんだからぼくの感受する能力はどこまでも磨くことができる究極的には世界の人々を感受したいんだいや世界中の木々や空気やその他生あるものすべてを感受したいんだぼくという入れ物が感受できる限界まで天使の仕事天使の生貫きたいんだ最近ぼくはぼくの背中の見えない翼をすっかりと忘れてしまっていたんだぼくにはいざという時のための翼があったんだ天使の仕事をするための翼があったんだ天使の生を貫くための革命的な翼があったんだぼくの背中に

  2005/03/20

• 露わな格好で

  超高層ビルのワンフロアーにぼくは居た日曜日にも関わらず社員がぱらぱら出勤している高い天井の明るい照明の下淡いパステルカラーのディスクと椅子が並んでいるぼくも社員だがぼくは半ズボン姿でいかにもこれから遊びに行く格好だぼくはあなたを山に誘ったそれほど高い山ではないのだが不思議となにか惹きつけられるぼくたちはバスを降り山に向かったなんだかとてもワクワクしてきてぼくたちに時間が足りないような気がしてきたいろいろ感じたり体験したりしたいことの枝道はあるけれどまずは山の頂上へ一緒に登ることにしたぼくはポケットの中から真っ赤で艶やかなそれでいて両手にスッポリと収まってしまうくらい小さな林檎を取り出しあなたに渡したあなたは林檎を受け取るとナイフを速やかに取り出し林檎の皮を剥き出した小さな林檎なので皮を剥くといびつなそれでもっと少しの実となったぼくたちはそれを一口づつ口にしたロッジのような二階建ての細長い建物があったその二階は外に開放されていて屋上になっている一角にスピリチュアルな場所があるインドや東南アジアから運ばれた品々が置いてありそこにいくとすべてはあるがままそのままですべては正しくあるんだという言葉が反響するターバンを巻いた半裸のインド人がぼくの目の前に現れ言葉の源を知る真っ赤に熟した林檎は小さくてそれでぼくたちはあっという間に食べてしまった言葉が反響するすべてはあるがままそのままですべては正しくあるんだロッジ風のその建物の屋上で時を過ごす取り戻せない過去をあなたは取り戻したいダブルバインドのあなたぼくはあなたに縛りつけられあなたはぼくに要求するばかりまた言葉が反響するすべてはあるがままそのままですべては正しくあるんだ夕暮れになってぼくは都会に戻ったぼくは超高層のビルのワンフロアーに居る日曜日にも関わらず数名の社員が出勤してきているパステルカラーのディスクに向かって同僚が仕事をしている彼の本来の姿は笑いながら下町を散策し夕暮れになればぼくを誘って居酒屋へ繰り出すその彼が真面目な顔つきで仕事している言葉が反響してきたすべてはあるがままそのままですべては正しくあるんだ半ズボン姿でぼくはそのフロアーに居るダブルバインドのあなたを山に置いてきてぼくは超高層ビルのオフィスに居る半ズボン姿で露わな格好で

  2005/03/19

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