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和希ちゃん8383のブログ

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2015.10.06
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カテゴリ:映画(か)

今回の一言
分かる人にはすぐ分かっちゃうオチ。

2010 日本
アニメ、ヒューマン

監督
原恵一
Voice
冨澤風斗
宮崎あおい
南明奈
まいける
麻生久美子

ストーリー
大きな過ちを犯して「僕」は死んだ。
そこでは人が沢山いて右に進む者と左に進む者とに分けられる。
しかし「僕」は「おめでとうございます!抽選に当たりました!」と不思議な少年に突然言われる。
その少年が言うには、大きな過ちを犯した者は輪廻のサイクルから外されてしまうのだが、この抽選に当たった者は別の人間としてもう一度現世に戻り、魂の修行を行う事が出来て、自分が何故死んだのか?自覚出来れば修行は成功で、輪廻のサイクルに戻る事が可能なのだという。
その「器」として選ばれたのは、中学3年生の小林真。
小林真は自殺未遂で病院に運ばれ、生死の境を彷徨っていた。
「僕」は小林真の体を借りる事にし、彼に憑依した。
目覚めると、目に飛び込んできたのは病院の天井。
そして泣きながら喜ぶ赤の他人、小林真の家族の姿であった...。





感想
「河童のクゥと夏休み」が最高だったので、同監督のこちらも観てみました。
しかし期待損でした。

分かる人にはすぐ分かるオチです。
かくいう私も「もしや?」とは思いましたが、まさかその疑問がそのままオチだったとは!とラストに驚愕してしまいました。笑

「いやいやそれはないだろう」「何かヒネリがあるだろう」と思うあたりに、近年の「大どんでん返し」にかぶれちゃった感があって、悲しくもあります。泣

そんなヒネリも何もないストーリーを楽しむには、必要な要素があります。
それは目線です。
これは観る立場の話ではなく、作る立場の話です。
作る立場の人が「目線」を意識しなければ、駄作となるんです。

つまりヒッチコック!!
これが正解です!!
I LOVE ヒッチコォ~ック!!笑

彼の作品は常に観客を意識した仕掛けがあり、観る者を簡単に作品の中に誘い込んでくれます。
「裏窓」を(下の方にあるカテゴリ別一覧検索「映画(う)」から見れますのでよろしくどうぞ)例に挙げるならば、骨折して退屈、退屈しのぎに窓から近所の人々の様子を見て楽しむ、そのうちに近所の人々に勝手に感情移入したり想像をするといった具合です。

このプロセスは人として普通で、引っかかるとすれば「他人の生活を覗くなんて」という倫理的なものだけです。
そこは巧みな映像技術や登場人物達のキャラクター、演者達の演技などでそれを「悪い事」と認識させない、ちょっとした「冒険」かの様にしてくれるのです。
この時のグレース・ケリーのキャラクターは素晴らしいかったです。
男も男で「愛してるけど、うんざりだ」という感じが見事でした。
素晴らしいですね!

今作は「僕」が赤の他人「小林真」のフィルターを通して物を見る事で、「裏窓」と同じ現象が起こります。
観る側は「小林真」がこーゆー人物で、「小林真」の周りはこーゆー人物で、と「裏窓」と同じ様に周りを観察する機会を与えられるんです。

しかしなぜ「裏窓」とはこうも違うのか?
同じ現象のはずなのに、作品の中に入る事が出来ない。
それはやはり「目線」に差があるからです。
作品の「僕」が見ているものと観客である我々が観ているものが違うからです。

そもそも「僕」と感情がそぐわないんですよねー。
つまりそれは「オチ」のせいで、さらに「小林真」が思春期の少年であるせいです。

結局この作品には無理があるんですね。
てゆーか無理しかない。
「オチ」のせいで、自らの首をしめてしまってるんですよね。
自由に表現出来ないんです。

ただし作品の意図するところは悪くなく、前向きなストーリーで良かったと思いますし、成長物語として面白かったと思いますが、あまり高評価とは言えませんでした。

しかし「河童のクゥと夏休み」にも見られた様に、現代社会を描いてるところは良かったです。
今回は援助交際や不倫などですが、倫理的には問題があっても、人はミスをする事もあるし、「寂しさ」や「辛さ」をそうやってごまかす事もあるんですね。
いつかそこから立ち直る日まで...。

ちなみに「カラフル」という題名の意味は「人間は色々な色を持っている」という意味だと考えています。
1人一色ではなく、1人で何十色もあるという事かな?と。
しかしいかんせん、「僕」オンリー目線の作品なのでピンとこない部分もあるんですけどね。

my評価3点(10点満点中)





概要
原作は日本人小説家、森絵都の小説「カラフル」。
冨澤風斗は同監督作品の「河童のクゥと夏休み」のクゥ役に続く起用となった。
また主題歌miwaの「僕が僕であるために」は1992年に亡くなった尾崎豊のカバー曲である。
さらにエンディングテーマmiwaの「青空」はTHE BLUE HEARTSのカバー曲である。
第34回日本アカデミー賞優秀アニメーション作品賞、第65回毎日映画コンクールアニメーション映画賞、第14回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門優秀賞など数多くの賞を受賞している。


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Last updated  2015.10.06 12:46:15
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