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2016.10.12
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カテゴリ:映画(さ)

今回の一言
WTCビルとは...。

2015 アメリカ
ドラマ

監督
ロバート・ゼメキス
Cast
ジョセフ=ゴードン・レヴィット
シャルロット・ルボン
クレマン・シボニー
チェーザレ・ドンボーイ
ベン・キングスレー

ストーリー
フィリップ・プティは幼い頃にサーカス団の綱渡りを観てからというもの、ずっと綱渡りに取り憑かれていた。
自宅に生えていた木と木の間にロープを5重幅に張り、それを渡る事から始めた。
やがてロープは4重、3重、2重とその幅を狭めていき、成長と共に綱渡りの技術も磨かれていった。
そして1973年。
23歳の時、彼の人生を変える出来事が起こる。
ある時、街中で大道芸を披露していると少女が飴玉をくれた。
しかし虫歯が疼いたフィリップは歯医者へと駆け込む。
その待合室でたまたま見た雑誌に載っていたのがアメリカはNYに建設中のワールドトレードセンターツインタワービルだった。
それは世界一の高さを誇り、NYのシンボルタワーとして世界中から注目されるビル。
フィリップの人生は決まった。
彼はワールドトレードセンタービルで、誰も成し得た事のない世界一の綱渡りをすると心に誓ったのだった...。





感想
ふーん。
もっと面白いのかと思ってたんですがねぇ。
なんてゆーか、「ふーん」ですなぁ。

こないだ「エベレスト」を観たのです。
人はなぜ命をかけて山に登るのか?
不思議に思ったし、理解したいと思ったし、それでもやはり理解出来なかったし。
それでもものすごく感動したし感じるものがあったし、そして登った事のない人間があーだこーだ言うべきではない!!
登った人にしかわからないとても「神聖な場所」なのだと感じました。

今作もテーマとしては同じです。
誰も出来ないこと、夢やロマンのあること、命を懸けてもやるべきこと。
なぜやるのか?
分からないし、理解しようと思っても出来ない事。
やった事のない人間があーだこーだ言うべきではない事だと思います。

まったく同じ事!!

ところが「エベレスト」では全く感動的な描写などなかったのに開始15分で泣いた私が、今作では一度も泣かなかった...。
なぜでしょうかね?
分からん!

分からんのですが。
とりあえず気に入らなかった事を上げてみましょう。

まずは語り口調。
主人公フィリップ・プティことジョセフ=ゴードン・レヴィット。
彼は冒頭で自由の女神が掲げるたいまつのところに立っています。
なぜ?
そこは立つ意味があるのか?
NYを代表するところならWTCビルが映れば十分ではないのか?と。
実話なんですよ、これ。
例え脚色してたとしてもね。
その「実話である」という「実感」を冒頭からいきなり崩してるわけです。
「自由の女神のたいまつで語る」なんてバカみたいなあり得ない行為によって。
そして完全CG。
これを観た観客は作品に入り込めるのですかね?
少なくとも私は「えぇ?超絶CGな上に、WTC、こんな感じでネタにしてももう良いのかな?」と、9.11の事まで気にしちゃった私です。

次にフィリップ・プティのキャラ。
ワガママ、傲慢、自己中。
恋愛においてさえすごく傲慢で、なんかもうこいつ嫌いだわ!!笑
WTCビルでの綱渡りの前に何十回も同じ説明したり、夜中にいきなり釘打ち始めたり、みんなを叩き起こして何を言うのかと思いきや感謝の言葉を述べる辺りもちょー腹立つわ!!怒
なんてゆーか、全然惹かれない!!笑

そして最大の山場であるWTCビルでの綱渡り。
当たり前だけど超絶CG。
綱渡りのドキドキ感ゼロ。
緊張感がまったく伝わってこない。

そんなわけで全体的に淡々としていて、語り口調がところどころ入るのでさらに淡々とします。
そしてCGなので淡々な上に出来の悪い再現VTRを見てるような気に...。
なんか「アンビリーバボー」とか「仰天ニュース」とかで再現VTR見ながら、実際の映像とかちょろっと流れる方が楽しい気が...。
長ったらしくなく、せいぜい15分程度だろうし。笑

ただ脇役ルディのベン・キングスレーだけは、ちょろっとしか出てないのに素晴らしい存在感があり良かったです。
彼が出るとダラダラ淡々としていた作品が急に色づき、命が吹き込まれる様な感覚になります。
素晴らしい役者さんというのは、本当に何かが違います。

それともう一つ。
とても良かったのは、WTCビルという建物。
WTCビルが、アメリカ人にとってどんな建物だったのか、人々の夢や希望や生活やシンボルとしてとても大きかったというのが伝わります。
決して悲劇的な作品ではないし、9.11を彷彿とさせる映像もないのですが、なぜ9.11で狙われたのがWTCビルだったのか?が分かる気がします。
なんてゆーかただの建物ではない何かがWTCビルにはあります。
9.11でアメリカ人に多大なる精神的ダメージを与えたなとあの事件の真髄を感じる事が出来ます。

そんな感じです。
まぁ風評は高いのですが、個人的にはあまりオススメは出来ません。

my評価2点(10点満点中)





概要
原作はフランス人大道芸人フィリップ・プティのノンフィクション自伝小説「マン・オン・ワイヤー」。
今作にフィリップは綱渡りの指導者として参加、主役フィリップを演じるジョセフ=ゴードン・レヴィットに綱渡りを指導した。
今作はフィリップを一躍有名にしたワールドトレードセンタービルでの無許可の綱渡りを描いた実話作品であり、これは「史上最も美しい芸術犯罪」として彼の自伝だけでなく様々な本などに載せられ、人々に記憶された歴史的な大事件となった。
批評家達のレビューサイト「ロッテン・トマト」では支持率85%と高評価、平均点は10点満点中7.2点。
「スリリングな視覚効果と実話に基づいた人間ドラマのバランスが上手い具合にとれている」とされている。


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Last updated  2016.10.12 08:46:31
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