納豆、テキーラ、Ｒ＆Ｂ

　『V For Vendetta』　(’０６) 

　久々の映画ネタっつーことで、『Ｖ　フォー　ヴェンデッタ』。こりゃ見てて燃えましたね～。ラストもマジで込み上げてきて泣いちまったッス。“男泣き”っすわ。かなりのカタルシスが得られました。

　もう、多感な時期から“Rebel Music”としてのボブ・マーリーや、ギル・スコット・ヘロンやHIPHOPとか好んで聞いていたモンですから、映画とかも、“間違った体制に、Say,ＮＯ！”とか、“打倒！圧政！！”とか、“ひざまづいて生きるくらいなら立ち上がってくたばろーじゃねーか！？”(by JB)的な、そーいったノリのモノに心の琴線がかき鳴らされまくられるワケです。

　オイラ自身｢もう何もかも転覆させたろーかッ！こんニャローめッ！｣ってなほど、カゲキな考え持ってるワケではもちろんないし、普段生活してて｢う～わ、何かイヤな圧力感じるわ～｣ってコトもないですけど(あ、最近のガソリンの値段のフラフラ加減にはちょっとイライラしました)、相手がダレであろーと、自分の立場がどーなろーと、余程に納得できん場合には決して沈黙せず、チクリと皮肉の一つは口にしてしまうよーなヒネクレモノになっちまいました。

　第三次世界大戦後のロンドン。かつての大国アメリカは衰退し、イギリス社会は独裁者の絶大な権力により徹底的に管理され、人々は長年の圧政にも従順になっていた。かつて蔓延する伝染病の恐怖から政府が開発した特効薬で解放され、飼い馴らされているのだ。
　しかしその“恐怖”は人々を管理する為にすべて巧妙に操作されたていたものだとしたら？－すべてのウラを知る謎の覆面男、『Ｖ』が“長い間正義が不在になっていた”最高裁判所を爆破、政府に宣戦布告、周到に人々を煽動していく！

　といった感じの、謎の男・『Ｖ』による、全編“アジテーション・ムービー”！かつて自分を虐げた政府に与した要人を復讐の名のもと、すべて抹殺していく狂気のテロリストが主人公の(原作マンガはさらにエゲツナイらしいです)この映画、エンターテインメント色も十分にありながら、見終わった後イロイロ考えさせられる問題作としても仕上がっています。やっぱり屈折した主人公の“アンチヒーロー物”ってオモロイですよね！

　泣けるポイントとしては、ラストで復讐の鬼だった『Ｖ』が、ナタリー・ポートマン演じる同志・イヴィーのおかげで“人間の心”を取り戻すことができたってトコロです。そしてチャイコフスキーの“1812年”に合わせて弾圧の象徴たる国会議事堂がドッカンドッカン爆破されていくトコロではもう、思わず｢ブラボーッ！｣って号泣しちまいましたよ！

　『Ｖ』も狂気の復讐鬼テロリストなのに知的で詩的な面もあり、イイ場面で吐いた、｢ダンスのない革命は革命に値しない｣のセリフも超カッコいいじゃねーか、オイッ！

　この映画で丸刈りになっても恐ろＣほどのビューチフルっぷりを発揮していたナタリー・ポートマンもスゴいです。『レオン』の小娘も大きくなりました！子役が大成した珍しいパターンですな。