今宵の“カーターさん”
今宵は先日見た映画、『Fade To Black』のお話。“史上最も成功したラッパー”、JAY-Zの、2003年にマジソン・スクエア・ガーデンで行われたMCとしての“引退ライブ”と、ラストアルバム『ブラック・アルバム』の完成までを追ったドキュメンタリー映画です。 2006年にアルバム『Kingdom Come』でラッパーとして復帰したのを知ってて見てるので、チョイ興醒めなフシがある上に、オイラ個人的には、このJAY-Zというラッパーは好きでも嫌いでもないんですが、最重要人物なので、一応観てみました。 この映画を見て思ったことは、やはり「上には上がいる」ってコトでしょうか。トップ・プロデューサーのTimbalandのスタジオにイキナリ出向いて、「(今回の引退アルバム用に)何かいいビートあったら聞かせろ」くらいの勢いでズケズケ言ったり、ファレルが「オマエの引退をバッチリ飾る、スゲェ音ができたぜッ!『スカーフェイス』って映画観ただろ!?まるであれのラストのような・・・、」って熱く語りだしたら、「オマエの話はいいから、早く聞かせろや」って話を遮ったり・・・。「勝ち組」にさらに注文つける「勝ち組」がいる、みたいな。 JAY-Zに取り巻き連中が話しかける時なんかも、言葉を選んで、なるべくご機嫌を損ねないように損ねないよ~に気を使いまくってるのが伺えます。Q-Tipが意見を言うシーンでもかなり慎重に話してるように見えたのはオイラだけでしょうか?暴君に諫言する家臣みたいな感じがしました。 けど観てて意外だったのは、JAY-Zほどの人物でも、歌作りの過程で“煮詰まる”場面があるというコトでした。ガツんと来るいいビートがない、インスピレーションが沸かない、詩が浮かばない・・・。そんな苦悩するシーンがありました(ヤラセでなければ)。それこそポンポンと簡単にラップ出来るんだろーな、それほどの人物なんだろーなぁって勝手に思ってたので、それは本当に意外でした。 その辺の、曲作りに於いては徹底して妥協を許さない態度、真摯な姿勢を常に保つのにもやはりかなりのエネルギーを要するコトであり、そこから出るただならぬ緊張感が周りを萎縮させてしまうのも仕方のないことなのかもしれませんね。 経営者として(デフ・ジャム・レーベル、レストラン、アパレル会社、NBAチームのオーナー)、もちろんラッパーとして、まさに天文学的数字なまでの成功を手にしたJAY-Z。圧倒的パワーを持った側に対して、面と向かって堂々と意見、批判をできる人はもういないのでしょう。かつては「ラクダづら」ってバカにされた、Nasとも仲直りし、デフ・ジャムからNasのアルバム出したし(商売センスあるね!)。 けど、不祥事や、悪事をモミ消せるくらいの、批判や意見をすることができないくらいの大きなパワーを持ってしまうくらい強大な存在になってしまえば、オイラはどうしても“脅威”を感じてしまいます(JAY-Zも事件沙汰ありましたよね?)。日本でもそういうの、結構ありますよね? “ラクダづら”? ↑けどビヨンセと恋仲(超うらやまC!)。この人は実は40歳なんですね! JAY-Z “Girls, Girls, Girls”↑Tom Brock“There's Nothing In This World That Can Stop Me From Loving You”を大ネタ使い。この曲は超メロウで好き。