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春は曙ではなく初夏は曙。やうやうしろくなり行く山ぎは。昨夜の雨風が嘘のように霧が山側を立ち昇っていく。陽の光が白樺に当たる頃。春蝉が待っていたように一斉に、また木々が揺らす鈴のように鳴き出す。むせかえるように白樺の下を埋めて一斉に咲く白いこなしの花は、桜の季節じゃなくても美しいんだよと主張しているようだ。
風がサワサワと翠の葉を揺らしながら窓辺から入ってくる頃、恰好が鳴き始める。長旅を終えてしばし夏を過ごして秋になればまた異国に帰っていく。千年の昔から。 寝室の窓から見える景色はそこだけ燃えるように眩しい。蜜柑色の蓮華躑躅の群生。 目を横に向けると地面にも白い花を咲かせるワイルドストロベリーの群れが広がる。実がなったら摘んでジャムにしよう。 朝露に濡れた庭を花を探し歩くのも楽しい。 ベランダから見えていた白い絨毯は小さな小さな花を咲かせるマイズルソウの群生地。白樺の大木を切ったら私の庭の植生が変わった。 車庫の石積みの上の一帯はベニバナイチヤクソウの群生が広がる。高地に群生地が有るが、わざわざ見に行かなくても、山の家の我が家の庭に群がって咲いている。 ゆっくりと庭の斜面を降りてくると、紫のオダマキを見つけた。もう少し夏になると庭のそこかしこに黄色いミヤマオダマキが咲く。 ホウチャクソウは踏まずに歩けない程に咲いていて誰も目もくれないことを悲しんでいるだろう。 白樺林の近くを歩くと白い小さなタニギキョウとチゴユリの小さな群生。 蕨のニョキニョキとそこかしこから伸びているのもいとおかし。 「光る君へ」見過ぎ。 先週は「枕草子」誕生の項だった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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