六道珍皇寺
娘に今回の旅行で「どこに一番行きたいか」と聞いたら、六道珍皇寺と返ってきた。そんな名前知らない。地図で見たら建仁寺のすぐそばだった、それに冬の特別公開もしているから、建仁寺の後同じく特別公開のある六波羅密寺と合わせて行くことに。いつも娘のハンドバックにはいつも図書館で借りた本が2冊入っている。もし1冊電車の中で読みきってしまったら時間が空いてしまうので、次の本も入れているらしい。そんな本の好きな娘のリクエストだけあって、六道珍皇寺は奇妙なお寺だった。京都に住んでいる人には有名なお寺らしい、生きている人間と死んでしまった人との中間に位置しているお寺だそうだ。昔はその寺から東山の方角は死者の住む世界だった。今は毎年お盆になると皆この寺にご先祖を迎えに来る。だから、鐘も普通に突かなくて、手前に引っ張ってならす。「迎え鐘」。お盆の迎え日には夜11時まで鐘が鳴り続けるそうだ。今回の特別拝観は地獄絵「女性の罪が多く描かれています」との説明には納得できなかったが・・。昔と今じゃ考え方や倫理が変わってきたから仕方ないか。娘が達ての願いでそこに行きたかったのは、そこが百人一首の一人小野篁にゆかりの寺だからだった。篁はここに住んでいて、昼は朝廷で参議としての仕事をし、夜は霊界の閻魔様のところに通って、お裁きの手伝いのアルバイトをしたという。庭には井戸があってその井戸から夜な夜な霊界に通ったそうだ。説明の人が、「霊感の強い人はこの井戸からすごい霊気を感じるそうですよ」と説明する。「井戸の手前の石にぞうりのあとがついているでしょう?そこで脱いだんだそうです。朝帰ってくるときはこの寺じゃなく嵯峨野の清涼寺の井戸から帰ってきたそうですよ」「夜もアルバイトだったらいつ寝たんでしょうね」「ここでぞうりを脱いで違うところから出てきたんじゃ毎日新しいぞうり買ったんでしょうか」など、家族の質問に説明の人も「分かりません、ここでそんな冗談が出るようならかなり霊気強いんじゃ?」いえいえ、われわれは何も、ただ口が悪いだけ。そして六波羅密寺で例の空也上人が念仏を唱えている口から小さい仏像が出てくる有名な像を見た。3日間の京都冬の旅満足、満足。だけど3日間の拝観料4人分しめて36,000円、御朱印料4,100円。そして私のカメラには・・・。蹲競演