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カテゴリ:映画・TV
シェイクスピアに別人説があったとは知らなかった。
史上最高の劇作家と言われるシェイクスピアに対して、私は勝手なイメージを持っていた。 とても教養のある人物で、才能も富も名誉も全て持ちあわせている天才なのだと思っていた。 シェイクスピア本人による自筆の原稿が、この400年もの間、何ひとつ見つかっていないという事実など知らなかった。 「ウィリアム・シェイクスピア」という共有ペンネームを用いた作家集団によって書かれたものではないか、という学術的な議論が、18世紀以来続けられてきているという。 私の手元に新潮文庫の『マクベス』があるが、その翻訳者福田恆存氏の解題にも、解説の中村保男氏の文章にも、そういうことは一切書かれていない。英文学者はそういうことは認めていないということか。 Wikipediaで調べてみると、どうやらウィリアム・シェイクスピアという人は、高等教育も受けたのかどうかもわかっていない。エリートという感じではないようだ。 ではなぜ、現代にも残るほどの人間性を深く洞察した作品をいくつも残しえたのか、という疑問が素人の私でも湧きあがってくる。 さて、映画はイギリスの時代劇である。 法律や古典などの知識がなければ書けない作品で、学歴からみて不自然であるため、自筆原稿が残っていないシェイクスピアに影武者がいたという設定と、エリザベス一世の陰謀が絡む話しである。 真の作者として推定された人物は、第17代オックスフォード伯エドワード・ド・ヴィア。生家はイングランドで2番目に古い伯爵領を継承する家柄らしい。 彼がなぜ、その真実を隠さねばならなかったのか、というのが物語なのであるが、映画の前半までストーリーについて行けない。登場人物の顔が似ていて区別がつかない。 時代が遡ったり、コロコロ変化するので理解に苦しむ。どう話しが展開しているのかわからない。イギリスの歴史も把握してないし。 なかなか理解できないので、私はアホか、と観ながら思ってしまったほどだ。 パンフレットを先に買って、相関関係を理解し、解説を読んでから見ないと何がなんがか・・・。しかも、パンフレットを買うのをすっかり忘れてしまったものだから、余計にもやもや。 ちなみにシェークスピアの没年は1616年で、徳川家康の没した年と同じである。 つまり、関ヶ原の前後くらいに書かれた作品たちということになる。 ヨーロッパではルネサンス文化が花開いた頃なのに、シェイクスピアの直筆のものが全くないとはねぇ。映画の中では火事で燃えてしまったことになるのだが。 そういう謎があったことを知ったこと自体は面白かったと思う。 エリザベス時代の権力闘争と、シェイクスピアを絡み合わせた時代劇ミステリーだということだけはわかった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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