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テーマ:ワイン大好き!(30890)
カテゴリ:勝沼醸造 甲州ワイン
「難題を投げかけられました。」 あー、めんどくせー......
某広告代理店の方が見えて、『地元では超有名な某水産加工会社の商品を 新聞の広告に掲載するんだけど、需要期のお中元に先駆けてその商品は白 ワインにも合うんだと言う事をアピールして顧客層の新規開拓を行いたい。 ついてはそのワインの選定と、どういう点が合うのかのコメントが欲しい。』 と言う旨の依頼をいただきました。 クライアントの問題があるので商品名は明かせませんが、その水産加工品の 商品を持って来てくれました。実際に食べてみて、どんな白ワインが合うのか 考えろと言う事なんですけどね...。ちなみに、その商品は今まで一度も食べた 事がありませんが、魚の一切れで1,000円前後もするような高級品です。 そこで、何故か全然関係のない話が脳裏をよぎりました。 まだ20代の頃、元気だったジジちゃん(母の義兄)が操縦する小舟に乗せられ て、よく海釣りに連れて行ってもらっていました。子供の頃からよく一人で泊ま りに行ってましたが、多感な頃の21歳で親父を亡くした私にとっては、何となく 親父代わりのような存在でした。 母の実家になる訳ですが、その家は海のすぐ近くでジジちゃんも浜っ子で短気 な人でした。既に故人になってしまいましたが、それが反面教師になったのか 私は声は小さく控え目で沈着冷静、そして頭脳明晰にして内気な性格になっ てしまいました(ウソです)。 それでもジジちゃんは料理の味や素材には真摯で繊細な人で、今思えば学 ぶべき事が多い人でした。「あー、もっと色々と聞いときゃ良かったなー...」 とは思っても後の祭りです。 いつも祭りです。⇒人気ブログランキング と、ここまで書いて「ん? 誰かも似たような事を書いてな。」と思いましたが、 かまわず話しを進めましょう。ジジちゃんとは何度か酒を酌み交わした事が ありますが、20年以上も前の妙に印象に残っている会話を突然思い出した んです。 ジジちゃん:「おい、よしゆき(私の実名)。」 私:「ん、何?」 ジジちゃん:「魚はなー、生で喰うのが一番美味いんだ。それでも刺身が飽き たら、焼いて喰え。それにも飽きたら捨ててしまえ。でもな、ただ捨てるのは 勿体無いからその前に煮て喰ってみろ。」 って。 どうもその時からなのかも知れませんが、「魚は生で喰うもの。」と私の頭の 中に決定付けられてしまったようで、魚介類と言えば刺身かお湯で茹でただ けの鍋物のようなシンプルな料理意外には興味を示さないようになっていま した。 味醂干しとか酒粕や調味料などに漬け込んで甘みのある水産加工品など、 とにかく人の手の加えられたものは、そんな私にとってはある意味“魚”じゃ なくなってしまったようです。 塩味だけの干物や天ぷらでさえも、進んで手を出す事はありません。その割 にはスーパーの珍味コーナーで売ってる、袋入りの焼きウルメにハマってしま ったのは不思議でなりませんけどね。それがまたあんた、妙に純米酒に合う んですよ。 そんな事情を某広告代理店の方が知っている訳がなく、水産加工品と白ワイ ンとの相性を語れと来たもんだから正直困りました。それでも、「これなら合う かな?」と思って選んだのが今日の白ワインです。 それではバッカス様にお祈りを捧げましょう。パンパン。 「出来ないと言わないのが、プロっちゅうもんです。」 それはどうなんでしょ? かしこみ、かしこみ~。m(..)m アルガブランカ・クラレーザ'06 ◆山梨県勝沼町産辛口白ワイン ◆生産者名:勝沼醸造 ◆ブドウ品種:地元産甲州種100% ◆お値段:1,680円 ※このワインはJALの国際線にも採用されています。 と言う訳で今日はいつものテイスティング中心のスタイルとは正反対で、特定 の料理に合うワインの検証です。まずは一切れ1,000円前後もするような超高 級水産加工物をパクッ..... 「やっぱり、刺身の方が好きですー.....。」 これ以上の具体的な事はクライアントの関係上書けませんが、コンビニで売って る焼きウルメの方が、遥かに好みに合ってると思いました。(注)あくまでもこれは 私個人の嗜好と思い出の問題であって、普通の人は美味しいと感じるんだと思 います。何たって、売れに売れてる超高級品ですから。 予想通りこのワインとの相性はピッタリで、苦手な水産加工物が美味しく感じら れていい勉強をさせてもらいました。いずれ私のコメントとともに、その水産加工 物が地元の新聞に掲載されているかも知れません。 このワインについては本音の話しですが、前に呑んだ時よりも熟成によって味わ いに深みが出ていました。元々好きなワインですが、「こんなに美味かったっけ?」 と思う程に向上しています。 柑橘系と青リンゴのような香りが、しっとりと落ち着き一つにまとまっています。 そして甲州種のワインらしい、たっぷりな旨みと柔らかな酸。攻撃的な酸は魚の 生臭みを強調してしまう事がありますが、甲州種の酸と旨みは時には日本酒以 上に魚料理との相性を示す事があります。 当たり前と言われそうですが、料理とともに楽しむ事によって美味しさが倍増する ワインです。このワインのおかけで、まともなコメントを書けそうな気がしてきました。 この水産加工物にはクラレーザで決定です。 原稿を提出するにあたって色んな制約はありますが、シャルドネでもソーヴィニヨン・ ブランでもないと思いました。やっぱり今日の水産加工物に限らず、広く和食に合 う国産ワインがあるっていうのは嬉しいもんですね。 ダラダラと長く書いてしまいましたが、難問に対する自分の中での結論が出せた ので枕を高くして寝るとします。んじゃ、おやすみなさい。 コテン.... ↓↓↓↓ポチッと応援宜しくお願いします!! 『人気blogランキング』 『地酒を楽しむ会・福乃友編』を開催しますので、是非ご参加下さい。m(..)m ------------------------------------------------------------ ★川嶋宛のお問い合わせメールはこちらへどうぞ。 ★美味しい日本酒とワインは、錦本店へどうぞ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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2008年06月04日 11時19分36秒
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