カテゴリ:阿呆の世界
予約制。会員制。限定発売。
以前はあまり多用されなかったのに昨今非常に頻繁に耳するようになった語句三種であるが、これが非常に気持ち悪い。なにが気持ち悪いって差別的であり、居丈高であり、さして高くもない価値をそのシステムを用いることだけで高めてやろうって魂胆や思惑が丸見えだからである。 商業分野では昨今これらのシステムを用いることを『差別化』などと称し、さも当然のこと、高度なる技、自分んとこの商品や店の価値を高めるための必須事項として尊重しているようであるが、はっきり言って猿知恵である。予約制だの会員制だの限定発売だのそれらのシステムを用いらねば顧客を捌き切れない注文に応じ切れないと言うのならそこには必然があり、必然より生まれたシステムは無駄がなく美しさもあるだろうが、頭でっかちにも予約だの会員だの限定だのやってもそこには売り手側の真摯なる姿勢も見出せなければ商品や店に額面通りの価値観も見つけられずにこちらは落胆を覚えるばかりである。 ま、長々と言うほどもなくば一言『無粋』である。 なにが差別化だっちゅうの。あほ。 その店やら商品やら売りもんそのものに大した価値も新しいアイディアもなく、原価や人件費を低く抑えることばかりに傾注したものを売りつけられて差別化もへったくれもないのである。ことほど左様に売り手はアホだが、買い手の我々も少々マヌケらしく、差別されたり敷居を高くされたりすると喜んで買っちゃうわけで、まことに情けない。 どだい大量生産の利く工業製品にプレミアだの限定を付けるのはナンセンスの極みであり、そこには売り手側の作為しか見出せないのに、そんな商魂だけが肥大したプレミアや限定発売にまんまと乗せられて買い漁る我々はまさにひょうたんつぎ(@手塚治虫)だ。昨今、食にまつわる偽装事件が次々と発覚しているが何も食品分野に限った話なんかではない。アパレルも化粧品も靴や鞄も家電も家屋も皆似たようものである。予約だ会員だ限定だ高級だプレミアだビンテージだセレブだと売り手側の欺瞞各種に付き合うのはそろそろやめにしたいものである。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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