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2007.05.29
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テーマ:たわごと(26896)
カテゴリ:C級小説
かちんこ映画にまつわる思い出、色々あれど・・・
 
 それでは、後半いってみま~す。
 前半は↓にあります。そちらから読んでね!

 銀座の遠吠えの物語
  後半  犬・・犬・・お犬さま。
      (サウンド ボーンインザUSA byスプリングスティーン)

 しばし、ヨセミテの荒野をバイクで走る二人を想像して
 うっとりするNobubuであったが、姉の一言で現実に
 無理やり連れ戻される。
 
 「あんた、スカートじゃん・・」

 がーん! 気合を入れて、少し短めのスカートで勝負に
 でようと思っていたNobubuは、なんの面白みもない
 黒ズボンに履きかえなければならない運びとなる。

 足取りも軽やかにバイク前まで進むNobubu、
 おはよう!と声も軽やかに。

 次の瞬間、自分の被っていたヘルメットを脱ぎさる
 ブルース。そして悩殺スマイルとともに、

 「急にこれ(指でバイクをトントン)にしちゃって
  ゴメン。銀座で駐車場を探すのも嫌だと思って。」
 
 アカデミー映像賞!
 いい男は何をしても絵になる・・背中に強烈な姉の
 視線を感じながら、美しいブルースを見とれるNobubuの
 頭にいきなりヘルメットが・・・バコッ。

 一瞬、お先真っ暗・・もっと見ていたかったのにぃぃぃ!
 
 もうこのままヨセミテまで走って~
 と声をあげて呟くNobubu、歌も歌ってしまおうか?
 どうせ聞こえないし・・などと考えていたのもつかの間、
 ブルース君のバイク乗り換え作戦は功を奏し、
 あっという間に目的地に到着。

 ミニシアター系の映画館(遠い将来、レイフ映画でお世話に
 なるシアターだとは、このときのNobubuは知る由もない)
 上映されていた映画は、冒険家の生涯を描いた
 「植村直己物語」 だった。

 映画が終わり、イタリアンかなにかのカフェで食事を
 する2人。いまだ映画の感動が冷め切れぬような
 熱い表情のブルース君。
 
 多分映画の事は、既に頭にないと思われるNobubuの
 熱いまなざしとブルース君の視線が絡んだ瞬間
 ブルース君からの現実っぽい言葉が・・・

 「映画どうだった?」

 まさか・・質問形式でこられるとは思っていなかった
 Nobubuの頭は真っ白になり、先程見た真っ白いヒマラヤ
 かなにかの光景に同化して、こうつぶやく・・

 「犬がかわいそうだった。」

 ・・・・・・・・恐怖の一行感想文。子どもの夏休みの
 宿題。ワンセンテンス。ワン、ワン、ワン・・わんこ様♪


 ーー映画の中の犬は本当に可哀相だったのだ!
 氷と氷の裂け目(クレパス)に身を落とし、
 泣き叫ぶ植村直己と一生の別れを余儀なくされるーー

 しかし次の瞬間、落胆の色を隠しきれないブルース君の
 表情をNobubuは目の当たりにする。

 でも、お願い、その日本人離れしたブラウンの瞳で、、
 そうだよね。可哀相だったね。とか優しい言葉を
 返して!と切望するNobubuに、それこそクレパスに
 落とされたかのような一言を告げるマイペースな
 ブルース君・・・

 「他にない? 植村さんに対しての想いとか?」

 Nobubuの頭の中に、天国にいるだろうと思われる
 飼い犬のポチの遠吠えがこだまする・・・・

 ポチ、ポチ、ポチに会いたい!もはや修正不能な状態。

  
 夏だといえども、身体にあたる風は冷たい。
 まして、バイクの上では。
 心なしか、朝の背中とは別人になったブルース君
 との温度差を感じながら・・バイクは走る。

 明日は来るのだろうか?と考えるNobubuであった。

                  The End


 -----エンドクレジット---- サウンド 越冬つばめ

家に戻ったNobubu に姉が追い討ちの一言。

 「うっわ! あんたの頭、鉄仮面になってるよ!」

 ヘルメットを呪いたい、というよりバイク全てを
 呪いたいNobubuであった。

 本日2度目のポチの遠吠えが聞こえる・・・・。


   






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最終更新日  2007.05.29 14:55:11
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