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テーマ:たわごと(26894)
カテゴリ:C級小説
そろそろ、ネタ切れしそうではありますが、
久々のC級小説いってみます。 皆様にもおありでしょうか?現時点での生活を全て変えたい訳で はありませんが、あの一瞬に戻りたい。あの時違う展開になって いたら・・・などと思うことは? ----予期せぬ展開/Unexpected Thing---- あの曰くつきの家に住んでいた頃のNobubuは、 あの家に帰りたくないという想いも強く、バイトに明け暮れ、 親が不在なのをいいことに、週末は気の合う仲間と共に、 方々へ遊びに出かけていた。 その週末も、バイト先の仲間の一つ上の大学生のK、 高校のクラスメートの友人M、同じくバイト先の 何人かの仲間、総勢6人ほどで六本木のディスコへ 踊りに来ていた。 その場所は、当時人気のサーファー系のディスコで、 ファッションやセレクトされる曲もファンキー系 やしっとり系で、なかなか洒落た雰囲気だった。 皆で丸くなって踊り、盛り上がっている時、 旅行者らしい3~4人のグループの 1人からから声をかけられたNobubuであった。 宙を仰ぐが如く、見上げた先には、 彫りの深い巨大な、かなりビビットくる 金髪青年が立っていた。(推定身長190センチ) 既に有頂天になっているNobubuであったが、 聞こえてくる言葉に注意を集中すると、 どうやらこういう事を言っているな?と 推測できた。 ビッグD(勝手に命名)が言うには、 彼らはオランダから来たツーリストで、 1週間ほど日本に滞在するらしい。 巷で流行っているディスコを覗きにきたそうだ。 一緒に踊らないか?(この部分だけはっきりわかった) 全て、オランダ訛りの英語である(多分) ビッグDは笑顔の素敵な人、 ブログ仲間のracquoさんの細木先生流の分析で言うなら、 男っぽくあろうとするけれど内面は弱く でも感性がややあるタイプという感じだろうか。 Nobubuの脳内は、オランダの風車の風景にワープしていた。 友人の存在を忘れてしまってもいいさ~ と思える程の貴重なヒットであった。 後に、この思いにしっぺ返しがくるという ことを、このときのNobubuは知る由もなく。 Nobubuの間髪いれずに答えた「オフコース」に続き、 皆で仲良く踊り始めた。 皆で踊っていたといっても、Nobubuの視線の先は ただひとつ、ビッグD。 首がひきつりそうになりながらも、ビッグDと他愛の ない会話を片言で交わし、何曲が踊っていたら・・・ 暗転・・お待ちかねのチークの時間。 誰に止められようとも、絶対ビッグDと 踊ってみせる・・と意気揚々なNobubu。 夢見る乙女に優しい誘い・・トレビアン!(←意味不明) チークの曲は、その頃流行っていたスイートレディ (George Duke)だったような気がする。 甘い雰囲気とは裏腹に、Nobubuの目の前の景色は ブルーなシャツ一色、そして胸のボタンのみ。 ふ、踏み台が欲しい~内心そんなことを思いながらも ビッグDの顔を見ることなく、チークは終了かと 思えたその時・・・・ 天使が微笑んだ。 おもむろに、Nobubuを持ち上げたビッグD。 自分の顔の高さまで、Nobubuを移動させ、 しばし見つめ合った後に、優しい表情で語る。 「君と踊れて、嬉しかった。ありがとう!」 もうダメだ・・・気絶するかも・・・ でも、何か言わなければ・・しかしあまりの 興奮状態で、言葉が出てこない。 仕方なく微笑返しをしたNobubu、床に優しく着地を させてくれたビッグD。 この後の展開を期待するNobubu、明日以降、東京の 街を案内するっていうのは、いい手かも・・ いや、もうこのままどこかへ・・・ そして曲は再びファンキーな響きに変わる。 その時、予期せぬ人が現れた。殆ど存在を忘れていた バイト先のKだ。 再び宙を仰ぐがごとく彼の眼を見つめていたNobubu の横に、へばりつくように奴は立っていた。 ビッグDがKの存在に気付き、問いかける。 「もう少し、彼女と踊りたいから、彼女を借りても?」 次の瞬間、一気に南極に飛ばされたNobubu。 Kはこともあろうに、こう答えたのであった・・ 「No, She is MY GIRL!」 状況が把握できないで立ちすくむNobubu。 天使が去った・・・ ビッグDは、Kに答える 「Sorry・・・・・・・」 そして、Nobubuを再び見つめ、踊ってくれたことへの 感謝の言葉を。 何か言わなきゃ、こいつは関係ない奴なんだと、早く 早く・・気ばかり焦り、言葉が出てこないNobubu。 英単語も全て、頭の中から消え去ってしまったかのよう。 そうこうしているうちに、ビッグDはツーリスト仲間の 塊に消えていった。 マジで涙が出てきた。今さらながら追いかけて行って、 人ごみをかき分け、アイツは関係ない奴、 あなたと踊りたいと告げる気力が残っていないし、 少ない語彙力で、うまく伝えられないという気持ち も強かった。切なさが怒涛のように押し寄せる。 そして、Kが追い討ちをかけるように、笑いながら呟く 「さっきのオマエ、ウドの大木にしがみつく蝉!だったぞ」と・・ 生まれて初めて、微妙な殺意を感じた瞬間であった。 ----The End--- エンドクレジット・・・テンプテーションズ/MY GIRL you tubeでどうぞ ⇒My Girl 願わくば、あの瞬間に戻って、Kを押しのけ、 「あなたのガイドにして下さい!」と叫びたい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007.07.19 15:40:58
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