|
テーマ:映画から何かがはじまる(571)
カテゴリ:ショート・ショート
1周年の記念の嬉しいお言葉、皆様本当に
ありがとうございました! これからも、日々精進(映画鑑賞)していきたいと思って おりますので、なにとぞヨロシクお願いいたします~ という訳で・・この1年間でご紹介した映画の中から いつか観てもらいたい映画ア行からおひとつ・・・ 色々と悩みましたが、感動作というよりも、 凝っているストーリー展開と、美しきモニカ・ベルッチ、 イケテル~ヴァンサン・カッセルが共演した 「アパートメント」←クリックできるよ。 お勧めです。機会があったらどうぞ~。 ---1周年記念ショート・ショート--- アパートメント 今は懐かしき、昭和の時代。 昭和40年代から50年代の頃には、 一階部分が店舗、2階部分が住居という 作りのアパートメントが、下町には数多く存在した。 小学生のNobubuも、寿司屋の二階の アパート兼社宅に家族と共に住んでいた。 Nobubuの日課は、小学校から帰るとランドセルを 玄関から家の中へシュートし、階下の何軒か並んだ 商店の真ん中、肉屋の前で友人と待ち合わせ、 肉屋の親父が揚げるアツアツのポテトフライを 火傷しそうになりながらも、かぶりつくこと。 アツアツのポテトフライがじゅわっ~と 口の中を焦がす感覚は、三ツ星レストランの お勧めメニューに引けをとらない。 ラードが絡みついたような、こってりと した味わいは、まさに下町の肉屋のシェフの味 というボリューム感たっぷりの贅沢なおやつだった。 しかし、どうしても受け入れられない事実も ある、そう肉屋の休日・・・ 今となっては、何曜日だったのかも忘れて しまったが・・学校から戻り落胆した記憶が あるので、間違いなく平日だっただろう。 その日、肉屋は重そうなシャッターで耐え難い 休日を告げていた。 Nobubuは、仕方なく窓に腰かけ、兄から貰っただろうと 思われるハーモニカを吹いていた。 次の瞬間・・ハーモニカが手から滑り落ち、 一階部分と二階部分を仕切る屋根の上にゴロンと落下した。 今ではあまり見かけなくなったが 一見丈夫そうだが、実は脆い、ただの雨よけの機能しか 持ち合わせていないようなプラスチックビニールの屋根。 子ども特有の超人的な感覚で、恐れもせずに 屋根の上に降りたNobubu、所々打たれたと思われる 木の影の部分に1歩ずつ足をスライドさせ、ゆっくり ではあるが、なんとか目的のハーモニカまで到達した。 ふっ・・満面の笑み。 次の瞬間・・・・バリバリ~ 不覚にも、木と木の間のプラスチック部分に足をのせて しまっていた。 後はよく覚えていない。 今思い出せるのは、寿司屋の親父の怒ったような顔、 ハーモニカをしっかりと握り締めていた左手、 なぜか右手はブラブラとしていたことだけ~。 私のアパートメントの記憶、 それは、ポテトフライとハーモニカ。 そして、人間離れした怖さの整骨院の 香ばしい香りまでもが、ノスタルジックな色合いの 記憶の中に溶け込んでいる。 懐かしいハーモニカの音色と共に~ The End 参照 ↓ 昔のアパートメントの図 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007.11.25 00:45:31
[ショート・ショート] カテゴリの最新記事
|