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テーマ:たわごと(26898)
カテゴリ:ショート・ショート
先日の日記で、プチっと切れた瞬間のお話を
しましたが・・ よくよく考えてみると、幼少時より現在にいたるまで、 感情を抑えられずに暴走したこと数知れず。 これは、なにかの因果か~ などと思いを廻らすこと数時間。 そして一つの懐かしきシーンが見事に甦った 夕飯どき。 そう、それは、鍋を見た瞬間に・・・ 一無事 二高 三なすび Nobubuの亡き母方の出身地は、ズウズウー弁が人間味を 深いテイストにしてくれる東北地方。 幼少のNobubuは、年に数回、ラーメン好きの 両親の食べ歩きにつきあわされ、深い理由もなく ラーメンが食べたいという理由のみで、度々 東北自動車道をかっ飛ばし、 母の実家方面へ連れていかれた。 どうせいくならお泊りで・・という感覚の両親、 祖父母宅へお泊りすること幾たび。 祖母はそれなりの農家の出身で、 結婚してからは、流れ者のじいちゃんの影響で 貧乏だったらしいが、独身の頃は 別段ひもじい生活をしていなかったタイプ のようであった。 なので、昔の人の割には祖父に比べて かなりワガママだったように思う。 子ども相手に平気で喧嘩を売ったり買ったり する性質。 まだ一桁の年齢の私のチョッカイに平気で 乗ってきたような人だ。 そして気は若く、祖母の口癖といえば 「○○(男性芸能人)知ってるけ~おメエ! まんず、綺麗だぁ・・・」 (かなり怪しい東北弁、記憶曖昧のため、お許しを) 結局、ものすごい喧嘩もするが、一番の話相手が 私なのである。 ばあちゃんの作る田舎料理は絶品だった。 子ども心に、親が大好きな近所の行列の出来そう? なガラスープの蕎麦屋のラーメンより 私は、ばあちゃんの作る「茄子の味噌炒め」が 大好物だった。 あの味は、何年かけても再現できない。 母親も上手だったが、ばあちゃんの味には及ばなかった。 母親の弟が、じいちゃんとばあちゃんと同居していた。 おじさんは、これまたかなり個性的な人だった。 正直に言うと、人の良い酔っ払い。 酔っ払ってお金を配ってしまうため、 いつも金がないような人物。 優しくて人間的にとても良い人なのだが 酔っ払い気質が災いして、女房子どもに逃げられた 悲しき過去を持つ叔父。 そして、とある昼食時、あの事件は起こった・・・ ばあちゃんが秘伝の茄子の味噌炒めを 作り終え、食卓に鍋ごと乗せたときだった。 もしかしたら今思うと、身体に悪いかもしれない 金色っぽい鍋・・現在はあんまり見ないけれど、 その怪しい鍋が、ばあちゃんのマイ鍋だった。 食卓に置かれた鍋を一瞥した叔父がつぶやいた。 「今日のは、出来が悪い!」と・・・・ きっと、酒ですっからかんにお金を飛ばして しまい、ご機嫌が斜めだったのだろう。 その叔父の言葉を聞いたばあちゃんが、切れた。 そして、間髪入れずに叫んだ。 「だったら、食うな~」と・・・ 次の瞬間、金色の鍋は2メートル先の流しまで飛んだ~ ♪~~ BGM/ 円ひろし 飛んで飛んで~~♪ 切れたばあちゃん、鍋を投げ飛ばしたのである。 空を舞った鍋は、流しのへこみに見事にすっぽりと 収まったのであった。 ハニカミ王子も真っ青な、歯抜けバアの見事な ホール・イン・ワン! 一無事 二高 三なすび その後、母親が急いで流しにかけより、鍋を両手に 戻り、険悪なばあちゃんと叔父の横で、 何事もなかったかのように、呟いた。 「さあ、食べよう!」と・・・・ -実話です- The End- お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008.01.26 10:29:24
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