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テーマ:おすすめ映画(4068)
カテゴリ:フランス映画
むか~し観た事がある映画を、叉久しぶりに観た。 アントワーヌ・ドワネルは、パリの小さなアパルトマンに母親と継父と一緒に暮らしている少年。学校の成績はあまりよくなく、教師からは目の敵のようにされている。 家では共働きの両親の手伝いもよくやっている。だが母親はいつも不機嫌で、アントワーヌを叱ってばかりいる。父親はいつも叱られているアントワーヌをかばい、母親にあまり叱るなと言ってくれたりもしてくれる。あの日まではそうだった。 ある日、友達のルネと学校をさぼりその理由を教師から尋ねられたアントワーヌは思わず、「母親が死んだ」と嘘をつく。 その嘘がばれて父親から叱られたアントワーヌは家出をする。心配した母親が迎えに来てくれて、珍しく彼にやさしく接してくれた。 3人で映画を観て、車の中からは楽しい笑い声が聞こえてくる。 しかし、学校の作文での嘘がばれ教師から停学をくらったアントワーヌとルネ。ルネの部屋へと叉家出をするが、お金欲しさに父親が勤める会社のタイプライターを盗んでしまう。そして彼は少年鑑別所へと送られる事になる… 1959年のフランソワ・トリュフォー監督のあまりに有名な作品。パリの街並がモノクロの映像と共に郷愁をよぶ。少年達のファッションも、普通なんだけどかっこいいのだこれが。 アントワーヌはいつも食事前には皿やフォークを並べ、母親から「小麦を買って来て!」と言われればすぐに買いに行き、毎晩ごみを捨てる、といったような手伝いを文句も言わずにきちんとやっているような少年。この時代の子供って、どこの子もそうだったのだろうか。 教師はみんな、理由を聞こうともせず頭ごなしに生徒を叱りつけ、あれでは子供達は素直になれるはずもない。あの時代、教師はどこでもそうだったのだろうか。 アントワーヌは子供の頃里子に出され、後に祖母と暮らし現在に至っている。望まれて生まれた子供ではない事を知っていて、母親からは愛されていないと思っている。 もう少し親に愛情があれば、自分たちでどうにかしていただろう。いくら悪さをするからと言って、まだ12、13歳の少年だ。3人で映画に行った時のアントワーヌのあの楽しそうな笑顔、笑い声。一家団らんがいつでもあれば、彼は好きな映画の話しを両親に聞かせ、それを聞いてくれる余裕のある親だったら… 少年鑑別所へ送られる時に、車の中から夜のパリの街を見て涙を流すシーンが悲しい。 最後のシーン、アントワーヌが波打ち際へと走って行き振り向いた顔は、寂しさなのだろうか、安心なのだろうか。 以前観た時は私もこどもだったので、感想はあまり覚えていない。今回観て、トリュフォーはこれを何歳の時に撮ったのだろうかと思った。子供の心理をすごく良くとらえている。現在はこういった作品はかなり多いが、45年前にこの作品はかなりセンセーショナルだっただろう。<語り継がれる映画> こんな理由からだろう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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