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テーマ:映画レビュー(894)
カテゴリ:フランス映画
1996年 フランス
タイトルからして可愛い映画とかファンタジー系を想像していたが、かなり辛いストーリーだった。 フランスの田舎の農場で7人の子供の母親は、一日中働き続けている。夏休み中は小さな子供も農場の手伝い。母親は実は内縁の妻で、夫は本妻との間の息子二人をこの農場において3人でここの子供達をこき使っている。煮え切らない夫は口ではここが一番と言いながら、いざと言う時は本妻の家へ帰っていく。子供達は学校では「私生児」といじめられ、家に帰れば父親からこき使われる。 家の中にはトイレさえなく、実の娘に言い寄る夫。どこかへ逃げたくても、7人の子供を連れてはどこへも行けないのだ。 クリスマスが来た。母親は学校からストーブを借りてくる。 子供達はみんなかわいい。父親から怒鳴られながらも、一生懸命に手伝っている。この父親が観ていてものすごくいらついた。内妻と子供達を酷使し、内妻が他の男と話していたらものすごく嫉妬するくせに、自分はバイトで農場に来ている女子大生を見るとすぐによって来たり、挙句の果てに実の娘に言い寄って、最低の男だ。薪を運ぶ子供達にそれは本妻の家に持って行くものだから、いるんなら自分で切れ、なんていう父親。バッカじゃないの!こんな男となんで?と思うのだが、孤児院で育ち家族を持ちたい,家族が大事だとずうっと思ってきた母親は、別れたくても別れる事が出来ないのだ。叉どうして7人も産んでしまったの?それも説明されているが、あまりにも無計画です。 働けど働けど暮らしは一向に楽にならない。内妻は疲れ果ててしまって観ていて辛くなってしまう。 唯一の救いは、子供達が貧しいながらもちょっとした出来事を楽しんでいる事だ。 ネタバレになってしまうが、なんとなくだが、ラスト近くのクリスマスの場面、みんな同じ部屋に寝て、最後に母親がストーブの始末をするところ。いや~な予感がしたんだけど…心中するんじゃないかと。 でも、夜中に降り出した雪を見て彼女の笑顔が戻ってきたので、きっと希望を見つけたのだろう。そう祈りたい。子供達がもう少し大きくなるまでなんとか頑張って欲しい。「上の子達が学校を出たらどうにかなるから、もう少しだけ我慢したら絶対にいい事があるから。そして、あの父親をギャフンと言わせてあげて。」そんな気持ちでラストを観ていた。 最後に流れる『雪は降る』の哀愁を帯びたメロディーが切ない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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