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カテゴリ:ドイツ映画
≪モモの魅力にひきこまれる、エンデのファンタジー小説の映画化作品≫ ミヒャエル・エンデ作の同名小説の映画化。 このファンタジーを初めて読んだのは20歳過ぎてからだったが、時間の大切さやモモの魅力で大好きな小説。同じエンデ氏の小説『ネバー・エンディング・ストーリー』が映画化されてとても有名だが、実はあの映画にはちょっとガッカリだったのでこの『モモ』も映画は観た事がなかった。 先日ペーパー・ムーンを借りる時目に付いたので借りてみる事にした。これがなかなか良かったのです。もちろん長い物語を2時間足らずの映画にするので事細かには描かれてはないが、これはある程度仕方ない。セットも現在のものからすると物足りない感もある。でも、かえってこの物語にはそれがいいのかも。 ある町の古代円形劇場に現われそこへ住みつく事になったちょっと風変わりな女の子モモ。彼女がだまって人々の話を聞くだけでその人達は穏やかに幸せな気分になってしまう。次第に彼女は町の人にとってなくてはならない存在になっていき、彼女の周りにはいつもたくさんの人々がいた。 平和な日々。しかしそこへ時間泥棒がやってきて、やがて人々はあくせくとしたゆとりのない時間を過ごさなくてはならなくなってしまう。 そこでモモが活躍するわけですが、このモモ役の女の子が実にいい。澄んだ眼差しがとても純粋で、思わずなんでも語りたくなる、相談したくなるようなモモにピッタリだ。声も子供子供した甲高い声ではなく、落ち着いた響きでやっぱり彼女の話をだまって聞きたくなりそうだ。 そして改めてこの原作の素晴らしさを思い起こす事になった。 人への優しさや時間の大切さをファンタジーを通して教えてくれる。現代の私達の生活はどうだろう。まさしく「灰色の男たち」の思う壺の生活をしているかもしれない。 これは子供だけでなく、是非大人にも観てもらいたい、読んでもらいたい作品だ。 1986年 西ドイツ・イタリア MOMO 監督、脚本:ヨハネス・シャーフ 原作:ミヒャエル・エンデ 出演:ラドスト・ボーケル、ジョン・ヒューストン、ブルーノ・ストリ、レオポルド・トリステ、マリオ・アドルフ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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