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カテゴリ:フランス映画
≪中世の修道院の世にも恐ろしい連続殺人事件≫
最初に観たのはかなり前の事ですが、タイトルに惹かれて、というのがまず最初にありました。花の名の付くタイトルにはちょっと興味を持ってしまいます。 ところがこれがおどろおどろしい殺人事件だったのです。昨日の王妃マルゴの人を殺す時のシーンでこの映画の事を思い出し、今日はこれでいく事にしました。 14世紀の北イタリアの修道院。重要な会議に出席する為にウィリアムと見習修道士のアドソが訪れる。着くとすぐに修道院長から若い修道士が不審な死をとげた事を聞かされ、ウィリアムはこの死の解明を頼まれる事になる。 中世のヨーロッパというとキリスト教が絶大な力をもっていました。キリスト教の真実にそぐわないものは異端として異端審判にかけられ、それによってほとんどが死んでいってしまったのです。でもその真実だって結局教会の都合のいいように人間が作ったものに過ぎなかったのです。魔女裁判などもそうでしょう。 そういう暗黒の時代、北イタリアの冬の見るからに陰鬱な雰囲気が画面全体に広がり、修道院自体も修道士たちもおどろおどろしい雰囲気を醸し出しています。 怖いもの見たさというのでしょうか、私はヨーロッパの中世ものは好きですね。 ウィリアムはパスカーヴィルから来ているのです。ウィリアムがシャーロック・ホームズでアドソがワトソンくんと捉えているとしか思いようがありません。実際ウィリアムとアドソは探偵とその助手といった感じで事件の解明にあたっています。 ウィリアムはアドソと共に修道院のそして図書館の謎を解いていきます。犯人が誰か、どうもあの人が怪しい、とわりと早目に予想は付くのですがそこがハッキリするまでのプロセスがおもしろい。 図書館のある塔は関係者以外立ち入りをかたく禁じられている所で怪しいのですが、その中の迷路がすごいのです。この映画は推理、ミステリーという部類だと思いますが、この迷路を探索するうちにアドベンチャーものではないかと思うほどです。多分ここはセットでしょうけど素晴らしい迷路に出来あがっているし、迷路へ通じる机や、更に重要な場所への入り方なども練ってあります。 こういう風に観てみると、ショーン・コネリーということもあり『インディー・ジョーンズ』っぽくもありますが。 弟子のアドソにクリスチャン・スレ-ター。彼のデビュー作なのでしょうか?15,6才のまだあどけなさの残るスレ-ターがいますが、最近の彼の所行を見るといろいろ考えてしまいます… そして脇を固める修道士たちが個性溢れて、特殊メイクもあるのでしょうけどすごい事になっています。あの独特の髪型にもよりますが殺された修道士たちも癖がありすぎて。 聖書の黙示録やアリストテレスの詩の引用がありそのあたりも解明のヒントになっているようです。 この映画何度か観ているのですが、何度観てもわからないのがウィリアムがあの燃える塔からどうやって出てこれたかと言う事。 最初観た時この作品のタイトルはどこから来たのだろう、と疑問に思ったのですがよくわかりませんでした。 何度か観ていくうちに最後のアドソの「彼女の名前さえ知らなかった」というくだりにあるのだと思い始めたのですが。 この時代の歴史、キリスト教の事を詳しく知っていればわかることなのかも知れませんが、タイトルについてご存知の方はこの場を借りて教えていただけるとありがたいです。 THE NAME OF THE ROSE 1986年 フランス、イタリア、西ドイツ 監督:ジャン・ジャック・アノ- 原作:ウンベルト・エーコ 出演:ショーン・コネリー、クリスチャン・スレ-ター、F・マーリー・エイブラハム お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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