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テーマ:映画レビュー(894)
カテゴリ:フランス映画
≪自分を認めてもらうには、不平ばかり言ってもね…≫
良さそうな邦題がついてて思わず観た映画です。 ロリータは有名作家の父、その父が連れてきた新しい母は自分とあまり年が違わずスタイルも良いカリーヌに対し、自分は太っていて父の名前で自分に近づいて来る人ばかりだとコンプレックスを持っている。得意な歌で父親の気を惹こうとするが、自己中でわがままな父親はその事には気付かない。ロリータの歌の先生シルヴィアは売れない作家の夫を持っている。はじめはロリータに対して引き気味だった彼女は、ロリータの父親が有名作家だと知ると… 愛されたいとかきれいになりたいというのは、誰もが持つ感情です。しかし、父親が若い女を連れて来て、仕事もお金もある所謂権力を持った男で自己中心。娘の事には興味も示さない、全く父親失格なのです。彼のジョークも嫌い。 ロリータの気持ちもわからなくはないけど、この娘はいくつなのでしょう?20歳前後だと思われますが、それにしてはちょっと幼稚じゃありませんか?ただ人のせいにするばかり。太っているのはイヤなのにやせる努力もしないで文句だけ。セバスチャンに対しても無神経で、結局彼女もわがままなお嬢様な感じがします。 どの登場人物も弱さや狡猾さ、野心と言ったものを持ち合わせていて、しかしこれが生身の人間かな、と思えるのです。わがままだったり、頑固だったり、人生きれいごとばかりではありませんもの。 でも、あまりに人のことを考えない父親にはウンザリ。結局彼はロリータの事わかったのかも疑問です。 最初作家の夫の為にロリータに対する態度を変えたシルヴィが、少しづつロリータの気持ちを汲み取って、自分も本来あるべき姿に戻った事が救いでした。それとセバスチャン。彼の最後の「疲れる子だ」とロリータに対してつぶやく台詞が的を得ています。確かに周りにこんな子がいたら疲れる。 まあそれも含めて、"みんな誰かの愛しい人”にはかわらないんだな、とは思います。ロリータも最後は成長したようでこれからはセバスチャンの事ももっと考えてあげられるでしょう。後は父親…この年になってなかなか人間って変われませんからね。 LOOK AT ME 2004年 フランス 監督:アニエス・ジャウィ 脚本:アニエス・ジャウィ、ジャン=ピエール・バクリ 出演:マリルー・ベリ、ジャン=ピエール・バクリ、アニエス・ジャウィ、カイン・ボーヒーザ、ロラン・グレヴィル お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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