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テーマ:おすすめ映画(4068)
カテゴリ:フランス映画
≪台詞は少なく、雰囲気や目の演技を読み取る作品≫
DVDのパッケージを見ると、青いターバンが『真珠の耳飾りの少女』のグリートを思い出します。 17歳のクレールはスーパーのレジ係。家庭のある男性との子供を妊娠して誰にも言えずにいる。匿名出産で子供を産むことを決意するが、お腹は段々大きくなり皆から太ったと言われ、思わず癌の抗がん剤で太ったと答えてしまった。病気を理由にしばらくスーパーを休み、刺繍職人メリキアン夫人を訪ねそこで仕事をする事になる。しかし、メリキアン夫人は最近一人息子を亡くし世捨て人のような生活をしていた。 息子を失い悲しみに打ちひしがれている陰鬱な中年女性。方や望まない子供を授かって、悶々とした日々を送る少女。お互いに口を開かない二人のアトリエでの様子を観ていると重苦しい雰囲気になり、「何かしゃべったら」とか「挨拶くらいしたら」と思ってしまいました。 しばらくはこのような調子で過ぎていくのですが、ある事をきっかけに会話が増え、更に刺繍を通して二人の間の距離は縮まります。 同じ仕事を淡々とこなしていく作業は、特に会話をしなくても刺繍に対しての共通の思いがそうさせたのかもしれません。職人気質とでもいいましょうか。 匿名出産とは、出産費用は無料、出産後はすぐに里子に出すという条件での出産で、フランスではわりと昔からあるそうです。 フランス映画らしく目で演技をするのは、ベテラン女優も、そしてクレール役の若い女優ローラも同じです。 入院しているメリキアン夫人が洋服に着替えて面会するシーンや、クレールがどうしようもなくて泣き出すシーン等女心を良く捉えていると思ったら、これは女性の監督さんでした。 フランスの田舎の風景や刺繍がとても美しく、これは女性向けの映画だと思います。 最後のクレールの台詞は、彼女の未来が明るくなると信じています。 BRODEUSES 2004年 フランス 監督:エレオノール・フォーシェ 脚本:エレオノール・フォーシェ、ガエル・マセ 出演:ローラ・ネマルク、アリアンヌ・アスカリッド、トマ・ラロップ、マリー・フェリックス お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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