|
テーマ:おすすめ映画(4068)
カテゴリ:フランス映画
≪まずは雰囲気や映像を楽しんだ映画かも≫
映画を観る時素人の方の評は読んで参考にする事もありますが、評論家の意見は読みません。それでもたまにテレビなんかで評論しているのは聴いてしまいます。 誰だったか忘れたけど、この映画の事良くは言ってなかったんです。それでってわけじゃありませんが、そんなに期待をしていませんでした。 第一次世界大戦下のフランス。脚の不自由なマチルドは出征した恋人マネクの帰りを待ちわびていたが、ある日彼の戦死の知らせが届く。彼の死を信じられない、又自分の直感を信じているマチルドは、彼はどこかで生きているとと確信する。彼女は親が残した遺産を使い私立探偵を雇い、マネクの戦地での足跡をたどり彼を見つけ出そうとする。 ラブストーリーなんだけど悲惨な戦争シーンが多くあり、これはちょっと予想外でした。 戦争シーンは普通のカラー、でも背景は暗いのでモノクロの感じがします。 それ以外のシーンは全てセピアカラーです。この色合いがとても美しく、当時の服装も部屋のインテリアもとても好きです。 マチルドの直感というのは、例えば「トンネルに入る前に車掌さんが来れば、マネクは生きている」とか「10数える間に犬が入ってくれば、マネクは生きている」とか、そんなものです。こういう賭けは誰でもした事あるんじゃないでしょうか。まあ一種の花占いのようなものかなあ。これをマチルドは人の生死に関して真剣に信じていたのですが、信じたい、希望を持ちたいと言う気持ちの方が大きいのかもしれません。でも、彼女の気持ちわからなくもないです。ただ、何度も死んだ、とされたのに本当に彼女は諦めませんでしたが、そこが普通の人とは違うのです。思い込みが激しいと言ったらいいのでしょうか。 普通の人と違うと言えば、こんなキャラクターはどこかで観た事あるような気がしました。それを決定的にさせたのは、郵便配達人。あの仕草や雰囲気が「アメリみたい!」と思ったら、これアメリの監督だったのですね。どうりでです。それで納得させられた部分が多くありました。オドレイが主演だし、マチルドのおじさん役の人も確か『アメリ』に出ていたような気がするのですが。 ジョディー・フォスターが出てきたのには驚き。一瞬似ているとは思ったものの気にかけなかったのですが、そう言えばこの作品に彼女が出演していると聞いたような気がしたので改めて観ると、やっぱりジョディーではないですか!それにしても何で彼女がフランス人の役で出たのでしょう。確かに雰囲気はすごくいいし、落ち着きのある安心して観られる感じはあったのですが、さほど重要でもないような役によく出演しましたね。何故フランス人女優じゃなくて彼女だったのかがよく分からないです。 マネク役は『かげろう』で鮮烈な印象を残したガスパー・ウリエルですが、あの時は坊主頭で生きていくために手段を選ばないような尖った演技の彼が、今回は全く違った印象でした。穏やかで、ヘアスタイルひとつでも人の印象は随分違うものです。 ただ、マネクを捜すにあたっていろんな謎を解いていくのですが、戦地での登場人物が誰が誰だか分からなくなるのです。おまけにその妻や恋人や弁護士、私立探偵などあまりにごちゃごちゃしてしまい、映画を楽しんだり謎解きをするよりも、人物の事で頭を巡らしているうちにストーリーが置いてけぼりになってしまったようです。そこが残念でしたね。このあたりが好き嫌いが分かれるところかもしれません。 そうは言っても私には何故かこの作品はツボでして、おすすめにさせて頂きました。 もう一度観たら登場人物もストーリーもはっきりすると思います。 UN LONG DIMANCHE DE FIANCAILLES / A VERY LONG ENGAGEMENT 2004年 フランス 監督:ジャン=ピエール・ジュネ 脚本:ジャン=ピエール・ジュネ、ギョーム・ローラン 原作:セバスチャン・ジャプリゾ 「長い日曜日」 撮影:ブリュノ・デルボネル 美術:アリーヌ・ボネット 音楽:アンジェロ・バダラメンティ 出演:オドレイ・トトゥ、ギャスパー・ウリエル、マリオン・コティヤール DVD サウンドトラック お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[フランス映画] カテゴリの最新記事
|
|