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テーマ:映画レビュー(894)
カテゴリ:フランス映画
≪三姉妹全員に降りかかるトラウマ≫ 日記を長い事サボってしまいました。 しばらくとても忙しくしておりまして、やっとひと段落したと思ったら、今度は滅多にないひどい肩凝り、それが治ったと思ったら次は腰痛と、何かいっぺんに悪いものが吹き出してしまったような日々でした。知らず知らずのうちにストレスが溜まっていたものと思われます。ダンベル体操とかウォーキングはずうっと以前から続けてますから、運動不足とも思えませんし、やり過ぎという事もありません。 気持ちだけは、若いつもりでいたのですが、やはり肉体は歳相応なのでしょう、無理はいけませんね。いや、無理をしているつもりはなかったのですが、精神的に無理をしていたのでしょうか。そうとも思えず・・・。でも、肩凝りや腰痛と言う症状が示しているのですからやはりどこかで無理していたのだと思います。 最近映画もあまり観ていませんが、感想を書いておきたい作品は結構溜まっています。 ポーランドの巨匠キェシロフスキの遺稿三部作、「天国」「地獄」「煉獄」のうちの「地獄」を映画化した作品です。 今は滅多に逢う事もない三姉妹。長女のソフィは夫の浮気に悩まされていて、ある思い切った行動を取ってしまう。次女のセリーヌは恋人もなく、身体の不自由な母親の世話を一身に引き受けていた。三女のアンヌは自分の行っている大学の教授と不倫関係にあったが、突如別れを告げられる。 父親の過去の事件がトラウマとなって、この三姉妹の身に降りかかる様子が交互に描かれています。現在、彼女達は誰一人として幸せな者はいません。みんな不幸、まさに地獄なのです。ソフィの恐ろしいこと、アンヌのまっすぐな想い、しかし彼女も又ある意味恐ろしい女性です。そんな中、セリーヌのエピソードは決定的な部分を持っているものの、暗く悲しい展開にちょっと笑ってしまう、少しだけホッとする時間をくれました。 ある事がきっかけで久しぶりに再会する三姉妹。そして彼女達は母親のもとへ見舞いに訪れます。ラストのその母親の言葉で、彼女達の心は解放され、みんな一筋の光を見出す事が出来たように思えたのが幸いでした。 豪華キャストでどの俳優の演技も「さすが」と思わせるものでしたが、母親役のキャロル・ブーケが特に印象的でした。身体も、そして言葉も不自由な母親。ほとんどが老け役で、台詞もないのですが、目の演技に圧倒されました。 邦題なんですが、どうもしっくり来ないんですね。『美しき運命~』なんていうととても聞こえがいいのですが、何となく違和感が…。 L’ ENFER 2005年 フランス、イタリア、ベルギー、日本 監督/脚色:ダニス:タノヴィッチ 脚本:クシシュトフ・ピエシェヴィッチ 出演:エマニュエル・ベアール、カリン・ヴィアール、マリー・ジラン、キャロル・ブーケ、ジャック・ペラン、ジャック・ガンブラン、ジャン・ロシュフォール DVD お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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