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テーマ:映画レビュー(894)
カテゴリ:フランス映画
≪シュール!!≫ 『エターナル・サンシャイン』のミシェル・ゴンドリー監督作品。 ちょっとシャイで何をやっても上手くいかないステファンは、離婚した両親の父親の元メキシコで長年暮らしていたが、父親が他界して母の住むパリに戻ってきた。母に仕事を見つけてもらうが、フランス語はあまり得意でないし、相変わらず何もかも上手くいかない日々。そんな時、アパートの隣の部屋に引っ越してきた知的な女性ステファニーに彼は恋をする。現実は上手くいかないのだが、夢の中で彼女との愛を育んでいくステファンは、そのうち夢と現実との区別がつかなくなってしまい… とにかく上手くいかなければ逃げる、そしてひたすら寝て夢を見る。夢の中では何事も上手くいくんだから、そりゃあ寝たくもなるでしょう。そのあげく、毎日寝坊で会社に遅刻して仕事も満足に出来ない。あ~あ、ダメだこりゃ。甘ったれの情けない男。あのかっこいいガエルがこんな役をするんだ…が第一印象。 夢と現実がめまぐるしく交差して、途中でちょっと訳がわからなくなりかけて、こっちまで眠くなって夢見そう。でも、どこでからだったか、急に何かピンと来て、それからはステファンの妄想を楽しめました。 ゴンドリー監督らしく、夢の中での色使いが美しかったです。紙、木、布を使った夢の中のファンタジックな世界はクレイアニメの映像を観ているようだし、水道から出る水がセロファンだったりするところはすごく面白い。アイディア満載。そういう素材を使う事で暖かみを感じるのですが、ステファンの上手くいかない現実と、全てが理想の夢の世界の対比をこんな風に表現しているのが、この監督の面白さなのでしょう。脇役が又個性的。 ステファンは風変わりの人物だけど、ステファニーもちょっと不思議な感じのする人。こちらは浮世離れしているというのではなく、どこか寂しげで、他人と親密にコミュニケーションが取れないような雰囲気をかもし出しているし。 そんな二人がちょっと近づけるかもしれない、と言う含みを残しているラストにほっとしたりします。 こういう作品好きな人にはものすごくツボかもしれないけど、嫌いな人には見るのが苦痛でしょうね。 邦題の『恋愛睡眠のすすめ』って、こんな睡眠私はあまりすすめられないわー。 THE SCIENCE OF SLEEP / LA SCIENCE DES REVES 2005年 フランス 監督/脚本:ミシェル・ゴンドリー 出演:ガエル・ガルシア・ベルナル、シャルロット・ゲンズブール、ミュウ・ミュウ、アラン・シャバ、ピエール・ヴァネック、オレリア・プティ、サシャ・ブルド 他 DVD 恋愛睡眠のすすめ スペシャル・エディション(DVD) ◆20%OFF! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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