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カテゴリ:フランス映画
1970年代初頭のパリ。9歳の少女アンナは、スペインの貴族階級出身で弁護士の父親、雑誌記者の母親、そして弟のフランソワと何不自由ない生活をし、名門のカトリック女子小学校へ通っていた。 ある日、スペインのフランコ独裁政権相手に反政府運動を行っていた伯父が亡くなり、伯母と従姉妹がアンナの家で暮らすことになった。それをきっかけにアンナの両親は共産主義へ目覚めていく。 父親は貴族階級出身、母親の実家もブルジョアで、お手伝いさんもいる何不自由ないお嬢さまだったアンナだけど、両親の共産主義、社会運動への目覚めに生活は一変します。小さなアパルトマンに引越し、そこには両親と同じ思想の人たちが絶えず出入りします。大好きだった宗教の授業も両親から受けてはいけないと言われ、何もわからないアンナやフランソワまでもデモに借り出される始末。落ち着かない生活にアンナは怒ります。伯母たちが来たことが原因で両親は触発されるわけで、その発端はフィデル・フランコにあったと共産主義を嫌悪するお手伝いさんから聞き、アンナは「ぜんぶ、フィデルのせい!」と顔をしかめて怒るのです。この映画のタイトルはそこにあるのですね。 そのフィデルの発端から、次々に起こる自分の身の回りの変化を子供の目線から実に上手く描かれていました。 自分たちの思想の変化に伴い、小さな子供たちにまで理不尽な事を要求する両親には辟易ですが、その理不尽さに幼いアンナが子供なりの疑問を抱き、悩み、親に怒りをぶつける姿も健気でかわいい。とにかく最初からアンナはほとんどしかめっ面なのです。 「団結と人まねはどう違うの!?」とたずねるアンナは迫力があり、又痛いところを付いている。それでも、子供はそういう中で少しずつ成長し、自分の考えを持てるようになってくるあたり、実に自然に描かれています。 とにかくアンナ役のニナがもうはまり役で、とっても良い!いつもしかめっ面の彼女だけど、又笑顔もステキで。 そして、一人怒り心頭、たまには両親に歯向かうアンナの横で愛想を振りまき要領の良い弟のフランソワが又かわいい!彼は、幾度となく険悪な雰囲気を和ませてくれました。 他の子役たちもみんなかわいかったです。 子供の成長物語ですが、ちょっとはっとさせられる部分がありました。大人って自分のいいように子供を振り回しているのではないかって。 2006年製作ですが、70年代のファッションや社会を見るのにも面白い映画を、又ひとつ発見しました。 2006年 フランス 監督/脚本:ジュリー・ガヴラス 出演:ニナ・ケルヴェル、ジュリー・ドパルデュー、ステファノ・アコルシ、バンジャマン・フィエ 他 【送料無料選択可!】ぜんぶ、フィデルのせい / 洋画 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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