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2013.03.19
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カテゴリ:夢ばなし

 

             なんて暑い日だったのか。

             春はどこへ行ってしまったんだ。

             桜が咲き始めたけれど、去年の秋に桜切るバカが張り切って学校の桜を

             ばっさばっさと切ってしまった。

             伸びすぎて、他所へ迷惑にならないようにと言う配慮でないのは、

             その切った木の位置でわかる。


             切ったのは桜だけではない。

             これなら用務員は、落ち葉の掃除が楽だなあとわかる切り方だ。

             冬の山茶花に続いて、春もいつもと景色が違うわけだな。


             今日の暑さで、窓は一気に全開。

             容赦ない音が無遠慮に入ってくる。

             いいんだ。もっとひどくなれ。

             ここからの景色、環境。

             私がもう一時(いっとき)だって居られないと思うほどになればいい。


             さっき、うとうとしていて夢を見た。

             私は田舎の庭にいた。

             祖母が亡くなって、だいぶ経った頃のようで、あちこちで雑草がはびこって

             見る影もなく荒れていた。

             『アイツは、手入れさえしてないのか…』

             足元に、蓮華草が咲いていた。

             それから、花びらの縁に薄く緑色が入ったドクダミがあって…。


             いや、実際にはそんな色変わりのドクダミはないと思うし、私は家を出てから、

             一度しかその土地に足を踏み入れたことがない。

             けれど、私はその夢の中でこう決意したのだ。


             『よしっ、私がここへ住もう』


             私の長年にわたる切なる願いを、搾り出したかのような夢だった。

             まったく、なんて皮肉なんだろう。

             現実ではその願いを、私のこの手で握り潰さなければならない。


             幸せは誰が決めるのか、わかっている。

             それぞれの幸せ。

             それぞれの不幸せ。

             始まった場所、そして終わる場所。

             終わる場所…。


             その場所でタカシ、おまえが幸せに住んでいるはずだったのに。

 

*☆*:*☆*:☆*:☆*:☆*:☆*:☆*:☆*:☆*:*☆*


少しの間、

私を強く抱きしめていてくれないか…Sting。

あれから幾度陽は昇り、

夕闇に傷口を舐めてもらったことだろう。


★ Craig David - Rise & Fall featuring Sting ★






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最終更新日  2017.07.27 20:27:10
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