本心
俺は自分が普通でないと知っている。同時に、普通が判らないと知っている。自分が完璧に構成されていないと知っている。俺の構成物質は常人のそれと違うと知っている。軽い性同一性障害?軽い躁鬱病?病名で自分を誤魔化している事を知っている。異常な行動は病気の所為だと決め付けている。自分自身を悔い改めていないないのだ。なんと愚かな事か。なんと幼稚な事か。自分すら誤魔化して、何がそんなに恥ずかしいのか。それとも、怖いのか?貴方、ねぇ、俺を壊してっていうのはね。「俺の殻を壊して」って事なの。硬いわよ。厚いわよ。それでも、壊せるかしら?貴方なら壊せるわ。頑張って、俺も協力するわ。ねぇ、俺のこと嫌いに成らないで。諦めないで。手伝って。俺は本来人に手を貸してもらう事を良しとしないの。でも、それでも頼んでいる。俺だって、自分の中をのぞきたいんだ。それには貴方の手が必要だから。俺の手じゃ硬く厚い殻かもしれないけど、貴方だったら殻は薄く柔らかいものに変わるかも知れない。可能性を信じているわ。どんなに小さなものでも。