栃を食べる
栃餅って知っています?山の人なら食べたことがある食べ物です。栃は、すごくアクがある食べ物で、普通には食べられません。(1)山にはいってとってくる とっても大きな木です! (2)虫を出すために水につける 水にさらします! (3)乾燥(4)水につける(5)お湯につけて皮をむく 特殊に皮むき器を使います!ノーベル化学賞もの! (6)水にさらす(7)灰(アルカリ)で中和する(8)餅とかにしてたべるというものです。山菜とおなじく、手間がかかるのですが、今の人はそれを知らずに「食べるのがおいしい」だけになってきています(私も)。栃をなぜ食べるのか?という問いに対しては、縄文文化の時代から、重要な山のデンプン質(炭水化物)だったことがあります。保存がきき、いざというときに食べられるのです。今では、手間をかけてつくるひとがいなくなってきました。それは、いざという時に備えることの必要がなくなった(と考える人が増えてきた)ことによるのでしょう。経済原理からいえば、必要がない無駄なことになるのかもしれません。でも、生きることの本質、暮らすことの本質において、自然とともに暮らすということの原点をこうした作業は教えてくれます。宇宙戦艦ヤマトではありませんが、そうした暮らしの本質が失われるまで、数えるほどしか時間が残っていません。今の人が少しでもこうしたことを振り返り生きていく動きをはじめていくことを、現実化したいものです。